MAMA STYLE様々なママの様々なスタイルを
ご紹介します

2025.06.03

人の心を動かすものを
これからも創っていきたい

田崎沙織さん [Webデザイナー]

今回のママ:
田崎 沙織さん [Webデザイナー]
39歳・大分市出身・大分市在住
(小学校6年生・4年生の一男の一女の母)

ウェブや紙媒体のデザイン、SNSの代行業務などで企業の成長をデザインでサポートしている田崎沙織さん。「start web」と屋号が書かれた名刺には似顔絵も添えられ、さすがオシャレなデザインだ。8月に発行予定の冊子「oita! プレママはじめましち!」は、母子手帳と共に配布される媒体で、有志のママたちと活動を共にしている。親子での海外留学を目指し、目下情報収集中。やること山積み、たくさんのタスクを抱え多忙な毎日を送る中、田崎さんが大切にしていることとは?…。

夢はイルカの調教師
英語に興味を持ちアメリカへ

「ママスタイルを書いているライターさんがいい!」と指名を受け、お仕事をさせていただいた案件があった。ライターとしてこんなに嬉しいことはない。「どんな方が書いているのかお会いしたかったんですよ」と、田崎さんと初めて会った時、私にそう伝えてくれた。オシャレで綺麗な、洗練された人だなぁ…というのが第一印象。バランス感覚に長けた会話のやり取りに「絶対に仕事ができる頭のいい女性だ!」と確信していた。彼女自身の話はその際に少しだけ聞いていたので、田崎さんをさらに深掘りしたい欲が高まっていた。


中学の時に家族で訪れた長崎県の島原でイルカの魅力に取り憑かれ、イルカの調教師になりたいという夢を持っていた田崎さん。当時、調教師になるための専門学校へ進学することも考えたが、実際にイルカの調教師として就職できるのは氷山の一角だけ…という現実を知り「だったら、海外で海洋学の専門家になって、イルカの研究とかできたらいいなぁ」と、方向転換。英語を学ぶべく、高校卒業後は福岡女学院大学の短期大学部英語科に進学した。

「もともとは理系だったけど、英語を学びたいと文系の大学を選択しました。英語の文法は習得したけど、結局英語を喋ることはできないまま卒業。大分に帰ってきて日本製鉄の事務職に就き、そこから3年間は海外へ行くためのお金を貯めました」。

その後、目標額に達し仕事を辞め、「まずは世界を見よう!」とアメリカへ。「LAに渡り、インターンシップ先が決まったのでOCへ移りました。アメリカから日本に車を送る会社の関税事務をしたり、世界中に利用者のいる編集ソフトを開発する日本の会社のアメリカ支社の経理をしたりと、事務系の仕事をしました。会話力はほぼゼロの状態。知り合いもいなかったけど、23歳という若さもあって怖いもの知らずだったんでしょうね。まずは友達作りからスタートして、住む環境を整えました。苦労したけど、3ヶ月くらいで会話をヒアリングできるようになり、『YES・NO』だけでコミュニケーションをとりながら乗り切りました」。ルームメイトにも恵まれ、メキメキと英会話も上達。1年半ほど経つと、日常会話はできるまでになった。

渡米して2年あまり経った頃、日本へ帰るきっかけになる出来事が。「母が私の元を訪ねてアメリカまでやってきたんですが、とても痩せていて…。以前、大病を患ったこともあったので、その時は理由を聞かなかったんですけど、ずっと心にひっかかってて。直後に東日本大震災が起こり、家族が大好きだから、みんなに会いたいし母も心配だし…と、大分に帰ることにしました」。少し後ろ髪を引かれる思いもあったが「また来ればいい!」と、帰国を決意した。

田崎沙織さん [Webデザイナー]

今の仕事に役立っている
番組制作の経験

帰国後、FM大分に契約社員として就職。ラジオ番組制作の仕事に携わることになった。番組の構成・取材アポ取り・取材・レポーター・収録・編集・オンエアまで、全ての作業を自分たちでこなし、週一放送の番組を1週間かけて作り上げた。

「何から何まで全て自分たちでやらないといけないので、いろんな経験をさせてもらい、すごく楽しかったですね。今の仕事は、クライアントさんやお客様の意向を汲み取る力がとても大事になってきます。ラジオ制作では様々な場所を訪れ、取材をしました。その時に培ったヒアリング力や応用力は、今の仕事にとても役立っています」。


契約期間が終了し、退職した。その後、20歳から渡米までの間お付き合いをしていたご主人と再会し、27歳の時に結婚。母を在宅医療の末看取った後、28歳で第一子、30歳で第二子を出産した。FMの仕事を辞めた後、職業訓練校でWebデザインを学び、子育て中も印刷物のデザインの仕事などを請け負っていた。

「私の母が保育士で、朝早くから夜遅くまで働いていて他の子をみていたので寂しかった記憶があります。だから私は、子どもたちに〝おかえり〟と言ってあげられる生活をしたいと思っていました。そうなると、家でできる仕事。子どもたちに英語を教える教室を開くのもいいなと考えたんですが、昔からデザインに興味があったのでWebデザイナーという道を選びました。子育てに比重を置きながら、自分のペースで仕事をしたかったんです」。そして下の娘さんが2歳になる時「start web」を起業した。

田崎沙織さん [Webデザイナー]

子どもたちと広い世界を一緒に見たい
海外留学という選択肢

2人のお子さんの母でもある田崎さん。上の息子さんは現在ミニバスのチームに所属し、週に5日の練習の送迎をしているそう。「息子はこだわりが強く、理解力が高いからこそ自分が納得しないと動かない性格。みんながするから正解!右向け右!という価値観がないから、日本は合ってないんだろうな…と、親子での海外留学を考えるようになったんです。去年もニュージーランドなどの小中学校や現地の見学に行ったんです。でも、6年生になってバスケをする楽しさがどんどん育まれていっているようなので、今のチームでのバスケをやりきったタイミングで留学してもいいかなって、今はそう考えています。楽しく勉強も運動もできて、語学も身につく環境を整えてあげたいですね」。


田崎さん自身、海外へ仕事に赴いたり、旅行に行ったりと、世界を飛び回ることになんの気負いもなく「行きたかったらすぐに飛んでいく!」という考えの持ち主。だからこそ、子どもたちにも広い世界を見せてあげたいという想いが強い。現在の仕事は、パソコンと携帯さえあれば世界のどこにいてもできるというスタイルなので、海外で暮らしても支障はない。

「家族で幸せに暮らすことが、私が一番大切にしていること。そのための今だと思っています。もちろん、仕事へのやりがいも感じているし、必要としてくださっているからこそ頑張れる。だけど、子どもとの時間もとても大事なので、時間を確保していたいです。好奇心も強く、頼っていただくとついつい受けちゃうので、ありがたいことに仕事がどんどん忙しくなっているけど…。人のために真剣になれるのが私の強み。クライアントさんや利用者の方が求めているものを形にするお仕事なので、人の心を動かすものをこれからも創っていきたいです」。

田崎沙織さん [Webデザイナー]

目標を達成したらまた次へ…
プロセスを楽しむ人生が好き

今後はどんな展望を持ってる? 「パソコンやスマホを駆使したデザインや発信力を必要としている中小企業と、子育てや介護が理由で得意やスキルを生かせていない在宅ワーカーとを結び、企業の成長をデザインでサポートするのが『start web』の存在意義だと思っていて、最近やっと軌道に乗ってきたところ。先日手相を見てもらったら、目標を達成したらまた次の目標を見つけて、それを追いかけながらプロセスを楽しむタイプと言われたんです。自分ですごく腑に落ちました。現在の主力業務であるSNS運用の代行は、新しいアカウントを立ち上げるたびに発信の土台を整える必要があり、海外思考もある仲間たちとのチームを組みながら、毎度奮闘しています。次の目標は…やっぱり親子留学かな。教育の分野なので正しい答えなんてないのですが、やり方を模索したり、エラーがでた時その理由を追求するのも好きなんですよね。今のお仕事も、親子留学も、冊子『はじめましち!』も、やりたいことが山積みです!」。


8月に発行予定の「oita! プレママはじめましち!」は、大分県こどもみらい課主催の「大分県子育て応援リーダー育成講座」で発足したプロジェクトチームで作成し、大分県内で配布される母子手帳と一緒に手渡してもらうという媒体だ。子育てを経験した先輩ママたちにアンケートを取り、プレママたちのために必要な情報を厳選し届ける、愛のこもった冊子となっている。補助金を利用し2023年1月に発行したが、第2弾となる今回は、関わるママたちへの対価も得たいと、広告掲載をする企業を募り冊子を発行することとなった。



「社会貢献の意味合いもあります。誌面に関わったデザイナーやイラストレーター、ライター、カメラマンも全て大分のママやパパで、仕事も生み出せています。また、出産後、コミュニティに入れない人、SNSで情報を見つけるのが苦手な人、そんな不安なママたちを取りこぼすことなく、子育て世代に寄り添える存在になれたら嬉しいですね」。
 
まずは自分の気持ちに素直に向き合い、動き出すことを決めたならロジックを固め、動き出す。パズルのようにピースがはまる瞬間を楽しみながら、仕事も子育ても常にチャレンジする気持ちを忘れない。完全に理系の頭脳だ。「子どもたちにはトライアンドエラーを繰り返せる人になってほしいです。一つの失敗で諦めたらもったいないから。最終、死ななきゃいい(笑)って思ってます。自分の人生、自分で決めないと人のせいにするから、自分で決めた道を歩んでいってほしい。選んだ道は全力で応援します!」。

田崎さんが歩んできた道だからこそ、説得力のある言葉。頭脳派のできる女性…という私の最初の見立ては間違ってなかったな。

田崎沙織さん [Webデザイナー]

プレママから繋ぐプロジェクト「はじめましち」
https://hajimemashichi.wixsite.com/home

この記事のライター:安達博子

行動力に裏付けされた根拠がちゃんとあって、理論的、合理的に物事を進めていくロジカルな田崎さん。だからといって、堅物な女性ではなく、柔和な笑顔がとっても可愛く、人をリラックスさせる雰囲気を纏っている女性なのです。これって最強やん!と羨ましく思い、だから人が集まってくるんだと納得。どんどんとお仕事が舞い込んでくるのは、そんな人柄に惹きつけられるからだと思うのです。私が部下なら、こんな上司と一緒に仕事したい!と思いました(私が上司で田崎さんが部下じゃないところがミソ笑)。お得意なゴルフ、いつかご一緒したいですわ~(私はど素人だけど)。今後もずっと繋がっていたいと思う存在です。これからもよろしくです!

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