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~まず自分、今ここ自分~<br>マインドフルネスの子育てへの活用

2023.12.05

~まず自分、今ここ自分~
マインドフルネスの子育てへの活用

Medical Empowerment Station 陣屋の里
理事長 三ケ田智弘

子育て中の保護者にとって、ときに子育てが苦痛に感じられるときがあります。子どもが親のいうことを聞かない、勉強をしない、学校に行かない、ネットやゲームを止めない、などなど苦悩の原因は枚挙にいとまがありません。

その苦しみの共通点は子どもが「思い通りにならない」ということです。子どもを思うように動かしたいと思っても、子どもにも意志がありますから、そう簡単に親の言いなりにはなりません。「子どもの将来のために!」と親が意気込むあまり、過度に不安やイライラを募らせ、我を忘れて、怒りの矛先が子どもに向いてしまうことすらあります。そして、気が付いたらいつのまにか子どもと劣悪な関係になっています。本来の目的は子どもに幸せになってほしい、豊かな人生を送ってほしい、と願ってのことだったはずなのに、現実は子どもと衝突してばかりです。

そんなときには、改めてお子さんと向き合い、より良い関係を再構築するためのコミュニケーションを開始することをお勧めします。そこで重要になってくるのが親自身のコンディションです。まずは親が落ち着いて、穏やかな時間を送り、常に冷静である必要があります。そのために役に立つのがマインドフルネスです。

マインドフルネスとは「ただ目の前のことに集中する状態」であり、呼吸瞑想などを用いて、今、この瞬間の自分の体験に意識を向けることです。現代においては、脳を休息させ、ストレスを軽減し、生き生きと働ける状態へと心身を活性化するための手法として様々なところで注目されています。



心が落ち着かない苦しみの原因のほとんどが過去や未来に起因しています。だからこそ、今、この瞬間の体験(今、ここ、自分)に意識を向けることが、苦しみを手放す一番の近道となります。
自分自身とつながり、自分にとって楽に感じられる心地よい呼吸を見つけ、日々自分を「ととのえる」ことが健康を維持するためにはとても大切です。

子どもに豊かな人生を送ってもらいたいと考えるのであれば、まず自分自身が充実し、豊かになる必要があります。日に1回でも、1分でもいいので、自分とつながる時間を大切にしてみてください。姿勢と呼吸を整え、本来理想とする「自分」を取り戻してください。マインドフルネスを活用し、親も子も元気になれるといいですね。



令和5年12月1日
Medical Empowerment Station 陣屋の里
理事長 三ケ田智弘

プロフィール

略歴
熊本大学医学部卒業。熊本大学医学部附属病院、熊本赤十字病院、熊本市民病院、八代総合病院、
県立延岡病院、大分大学医学部附属病院、国立病院機構西別府病院、アメリカ・ノースカロライナ大
シャーロットTEACCHセンター(短期留学)、国立病院機構肥前精神医療センター、大分こども療育センターなどにて小児科・児童精神科の医師として勤務。

2020年4月からMedical Empowerment Station 陣屋の里 院長・理事長
NPO法人P-Spread Japan 理事長
児童養護施設 別府平和園 嘱託医
由布支援学校 学校医(精神科部門)
TEACCHプログラム研究会 大分支部代表
日本小児科学会 専門医
日本児童青年精神医学会 会員
日本子ども虐待防止学会 会員
日本トラウマティックストレス学会 会員
日本臨床催眠学会 会員
日本東洋医学会 会員
日本EMDR学会 会員&人道支援委員(JEMDRA HAPメンバー)
Somatic Experiencing プラクティショナー
TFT上級セラピスト&一般講師&顧問
子育て支援プログラムトリプルP・ステッピングストーンズトリプルP ファシリテーター
その他に自我状態療法、ホログラフィートーク、などのセラピストとしてトラウマ治療を日々行っている。

三ケ田先生ご推薦のマインドフルネス動画の紹介
出典:精神科・心療内科医・臨済宗建長寺派林香寺住職 川野 泰周 氏「ボディスキャン瞑想」

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