2018.05.22
「専業ママ」「働くママ」「起業したママ」。様々なステージで活躍するママたちが集まり、日々の暮らしで感じたことをホンネで語る座談会を開催。仕事や子育てで感じた悩みや、ストレスの解消法、「ママのまま」プロジェクトに求めるものなど、子育ての最前線で奮闘するママたちの「リアルな声」を前編・後編の2回に分けてお届けします。
萩尾
「働くママが子どもに関係する用事でお休みをいただく場合『休みやすい』のか『休みづらい』のか、勤め先によって事情が変わりますよね。私の友人は大手スーパーに勤めているのですが、職場にママ経験者が多く『子どもに熱が出たのでシフトを変わっていただけますか』と相談すると『うちもそうだったし、良いですよ』と、快く引き受けてくれるそうなんです。仕事と子育てを両立する上で、そこは重要なポイントですよね。渡抜さんにとって、職場を選ぶ上で重要な点はどこですか?」
渡抜
「私は現在働いていませんが、たまに広告で見かける求人はチェックしています。ただ、下の子どもが幼稚園生、上の子どもが運動部に入っているので、子どもたちの送迎が必要なんです。そこを踏まえて、子どもが手元から離れる10時から15時までの時間帯で働きたいですね。こちらの事情を考慮してくれて、柔軟に対応してくれる職場で働くことが理想です」
萩尾
「よく『ママたちは、子どもが熱を出したらすぐに休めるから良いですね』とおっしゃる方がいますよね。これは『喫煙者ばかり休憩を長く取ってズルい』という感覚に似ていると思うんです。なので、独身の方にも配慮した休暇制度を設けるなどして、皆さんが公平になることが大事だと感じますね。ママだけを特別扱いすると、肩身が狭くなることもあるらしいので」
青山
「私が勤めていた会社では『現場の女性同士で解決してほしい』と言われたことがありますね。育児休暇制度が整っていなかった頃に子育てしていた方が、子育て中のママへ『私が子育てしていた頃は、そんな制度は無かった』と何気なくつぶやくことがありますが、言われた方はすごく傷ついているんです。そんなことを言われても、上司に報告するわけにもいかず…。会社として『子育て中のママは時短勤務が可能です』という理念を掲げていても、それが現場レベルまで落とし込めているのかは疑問に感じますね」
小野
「これは永遠の課題かもしれませんが、最大の原因はコミュニケーション不足にあるんですよね。ママが権利ばかりを主張してしまうと独身の方たちは良い思いをしませんが、ママが勤務時間内に120%の力で働いていることが分かれば、それで納得してもらえるはずなんですよ。女性ならではの特性も含めて、そのコミュニケーションが上手く取れない場合は、企業が率先してコミュニケーションを図るための工夫をしなければなりません。先ほど萩尾さんがおっしゃっていたように、周りの方がそのママをどう見ているのかも気にしなければいけませんし、実際に働いているママの声も聞いてみたいですね」
小野
「旦那さんが家事を手伝ってくれないという声を聞くこともありますが…1日の家事でどれだけの『やること』があるのか『見える化』できていないから、投げかけや提案ができないんだと思いますね。それを解消するために私が実践したのは、ホワイトボードに『やること』リストを書くこと。子どもを起こして服を着替えさせるなど、何から何まで書き出したら、ほぼ全ての家事を自分がしていることが分かったんです。それからは、夫に『どれならできそう?』と聞いて『これならできるかもしれない』という答えをもらって、徐々に家事を分担していきました」
渡抜
「一度でも良いので、私が朝から夜までやっている家事を全部夫に任せたいです(笑)。子どもの面倒はよく見てくれますし、やる気になれば掃除もしてくれて、料理もたまに作ってくれるんですが…終わった後にキッチンが散らかっていることがありますね(笑)。『片付けを終わらせるまでが料理だよ』と教えてあげても、なかなか上手くいかないようで」
小野
「私たちだって、生まれた時から家事ができるわけではなくて、日々の暮らしの中でやらざるを得なくなって身についたんですよね。『うちの夫は何も家事ができない』と嘆くのではなく、家事ができるようになるためにきちんと教えてあげることも大事だと思います」
青山
「妻である私たちが、無意識のうちに夫の仕事を奪っているのかもしれません。初めからできないと決めつけて何もさせないのではなく、お互いに話し合って、一歩ずつ前進していくことが大事ですよね。ところで皆さんは、家事や育児のストレスをどのようにして解消していますか?男性の場合は、朝までお酒を飲んで仕事のストレスを解消することもあると思いますが…」
小野
「私は、夫がそうやって飲み会に出かけることについて羨ましさを感じていたのですが、ふとした時に『私も同じように、好きなことをして良いんだ』と思うようになりましたね。『ママ』である自分も『1人の人間』であって、私自身が自分を大切にすることを怠ってはいけないなと。自分を大切にできないストレスで私が周囲のバランスや空気を壊してしまったら、結局そのしわ寄せは子どもや夫に及んでしまうんです。そこをきちんと夫に話して、私もやりたいことができるようになれば、きっと夫にも寛容になれると思ったので…そろそろ飲みに行ってきます、みたいな(笑)」
松下
「私はお酒が飲めないので、夫が1回の飲み会で使う金額と同じぐらいのお金を使って、できることをしています。3〜4ヶ月に1度、仕事が終わってからそのままビジネスホテルへ泊まりに行くのが今の楽しみですね。1人でご飯を食べて、ゆっくりテレビを見ながらぐっすり眠って、朝に気持ちよくチェックアウトして家に帰るんです。夫も理解してくれて『そうやってストレス発散しないと辛いよね』と言ってくれています。日常のしがらみから解き放たれる環境を作ることが、人間らしくいられる秘訣なんだと思いました。ビジネスホテルにも、私のようなママを対象にした『エスケープママパック』みたいなものを作って欲しいですね(笑)」
萩尾
「『ママのまま』を通じて、子育てが終わっている50代や60代の先輩ママたちから『子育て後日談』のような話を聞いてみたいですね。『あの時もっと子どもと一緒に過ごしていれば良かった』『あの時頑張って良かった』という話を聞ければ、今後の子育ての参考になると思うので。あとは、ママになることに不安を感じている女性たちが気軽に立ち寄れて、様々な年齢のママたちからアドバイスをもらえるような、アットホームなサイトにして欲しいですね」
松下
「子どもが夜中に熱を出した時の対処法など、緊急時のマニュアルが載っているとありがたいですね。過去に何度か、座薬で対処できるのかお医者さんに診てもらうべきなのか分からず、夜間当番医に連れて行ったことがありました。ですがそこには、もっと緊急を要する方々が他にたくさんいて…申し訳ない気持ちを感じたんですよね。なので、薬剤師さんなどにご協力をいただいて、緊急時に家でもできる対処法や、夜中に病院に行かなくても、これさえあれば朝まで乗り切れるという情報が載っていると嬉しいです。『発熱時には、ワキの下や首筋に冷却シートを貼ると効果的』など、ちょっとしたことでも、子育ての経験が少ないママたちにとっては本当にありがたい情報だと思うので」
青山
「私は、ママたちがホンネで語り合える場所を作ってほしいです。匿名で応募できて、1つのテーマの元に集まって色んな人と語り合えるような…そういうイベントって、本来は積極的に参加するべきなんですけど『本当に参加して良いんだろうか』と悩んでいるママたちが多いんです。先輩ママたちと意見交換をすることが大事だと思いますし、若い後輩ママが苦しんでいたら、たくさんのママたちが手を差し伸べることも必要だと感じています。『ママのまま』を通じて、1人でも多くのママが笑顔になれると良いですね」
プロフィール(写真向かって左から)
萩尾明日香さん…結婚を機に退職し、現在は5人の子どもを育てる専業ママ。
子ども構成(12歳 男子、10歳 女子、7歳 女子、5歳 女子、1歳 女子)
▼ママへメッセージ
「周りのママと自分を比較してガックリしちゃう…なんてありませんか?それぞれの家族の数だけママの個性も違っていいと思います。日々を前向きに頑張れるヒントを見つけて、ママ業を楽しみましょう」
渡抜庸子さん…12年前に結婚し、現在は3人の子どもを育てる専業ママ。
子ども構成(11歳、8歳、4歳 全て男子)
▼ママへメッセージ
「同じママ、女性として悩んでいる事、共感できる事、大体皆同じ事を思ってると思います。溜めこまないでどんどんはきだしましょう!」
青山涼子さん…育児に専念するため退職し、現在は2人の子どもを育てながら前職とは違う仕事をするワーママ。
子ども構成(7歳 女子、4歳 男子)
▼ママへメッセージ
「働きたいママを応援してくれる方々は社会にたくさんいます。チャレンジ精神を忘れず、共に頑張りましょう。」
小野桃子さん…結婚後に起業し、経営と4人の子育てを両立するワーママ。
子ども構成(8歳 男子、5歳 男子、2歳 女子、1歳 女子)
▼ママへメッセージ
「女性は、人生の中で何度も選択を迫られます。 結婚?キャリア? 子育て?社会復帰? その度に、腹をくくって、自らの人生を受け入れたとき、女性の人生はますます彩り豊かに輝くと思います。 とは言っても、日々の忙しい生活の中で、一人何役もこなしている女性ですから、時には息抜きもしつつ、自分を大切にする事も忘れないでください。 みんな、同じように日々必死に生きて、楽しんで、悩んでいます。一人ではありません。大丈夫!」
松下有加利さん…3人の子どもを育てながら、美容関係の仕事に携わるワーママ。
子ども構成(8歳 女子、6歳 男子、4歳 女子)
▼ママへメッセージ
「働くお母さん・家を守るお母さん・今から働こうとしているお母さん、色んなお母さんがいらっしゃると思いますが、全てのお母さんに共通する事はただ一つ『母も1人の女性である』という事。 家事に仕事に子育てに奮闘しながらも、一番大切な自分を大切にしてあげてください^_^ あなたが笑顔なら子どもが、家庭が、みんなが笑顔になるはずです。 母は強くて美しい! あなたの笑顔がみんなの笑顔!」