2018.11.27
多くのママが抱えている、様々な悩み。ママ友って同世代が多くて、子育て渦中ママたちは、誰にこの悩みを相談すればいいの?と悩んだことありませんか? そんな時、頼りになるのは、同じ母親業をこなしてきた大先輩のママたちなのです。今回は、小さなお子さんを持ち子育て真っ最中の後輩ママと、子育てはある程度ひと段落したかな…という先輩ママによる、フリートーク形式の座談会を開催しました。前編の『子育て編』に続き、今回は『後編・お仕事編』。仕事に対するママたちのリアルな声をお届けします!
前編はこちら
佐藤
では、次は「働く」をテーマに話したいと思います。皆さん、働くことや、仕事に対してどんな考えを持っていますか?
(前編を読むと状況は把握できるが、念のため、ここでも参加者皆さんの現在の仕事の状況について軽く触れておこう。鶴原さん→パン屋さんを辞め現在は専業主婦。伊東さん→ベビーマッサージ講師の仕事を産休中。長野さん→シングルマザーのため仕事で家庭を守りつつ、手話奉仕員のお仕事も進行中。佐藤→多忙な日々を過ごす毎日。)
鶴原
以前勤めていたパン屋さんは、3時から6時までの早朝勤務でした。子どもたちが寝てる時間に仕事が終わるから、家庭にも負担をかけずに働けるかなと思って選んだんですけど、結局具合が悪くなったり、前編でお話したように「もしかしたら長男がいじめられてるかもしれない」という出来事もあって、仕事を辞めてしまいました。なので、今は仕事はしていないんですが、下の子が来年から幼稚園に入るので、落ち着いたらまた働きたいと思っています。もともと幼稚園の先生として働いていたのでその経験を生かして、できれば幼稚園や保育園で働けたらいいなと思ってます。だけど、よそのお子さんを預かりながら、自分の子を育てられるのかなという不安も…。ドが付くほどの真面目な性格なので、仕事に真剣になりすぎて、家のことが後回しになるのはやだなーって思ってしまうんですよね。両立できる自信がまだないというのが正直なところです。
佐藤
幼稚園や保育園の先生以外の仕事は考えてないんですか?
鶴原
子育てしながら働ける環境が整った職場があれば、新しいことにもチャレンジしてみたいという気持ちもあります。だけど、未経験の仕事にチャレンジするって、すごく緊張してしまって、パン屋さんで働いていた時も私、ずっと緊張してたんです。体調を崩したのはそれも原因だったのかなって思います。
佐藤
専業主婦という選択肢じゃなく、いつかは仕事に就きたいという思いが強いんですね。
鶴原
そうですね。今、家賃は夫の会社がほとんど負担してくれてるんですけど、家賃補助の期間が終わる時期が近づいてることもあるし、子どもに歯の矯正をしてあげたいという細かい目標もあって、色々とお金が必要だなって…。専業主婦で、子ども3人は育てられないですね。
佐藤
働く目的って人それぞれですよね。ほとんどの方は経済的な面を考えてだと思うんですが…。鶴原さんは間近に迫る経済的な問題もあり、それまでには仕事に就きたいとう感じですね。仕事は、幼稚園の先生だけに固執しているわけじゃなく、新しいことにもチャレンジしたい気持ちもあるんですね。
鶴原
そうですね。働くことによって、自分自身も成長できる職場であると、なお嬉しいですけどね。
伊東
我が家も3人子どもがいるので、子どもたちの「やってみたい!」「行ってみたい!」ということはできるだけ経験させてあげたいと思ってます。それを叶えるためには、主人一人の稼ぎだけでやりくりするのは難しいと思うので、自分の仕事のことを考えることがあります。私は、どこかに属して、そこで長く働くのが苦手なようで、一人で何かをするのが好きみたいなんです。だから、今後は、ベビーマッサージの教室を再開したり、活動を広げることをしつつ、同時にお金の運用方法も勉強したいなと思ってます。子どもたちが成長するにつれ、やりたいことも増えていくだろうから、それを実現してあげたい。私はどちらかというとその願いが叶わなかったので、自分ができなかったこともあって、そういう思いが強いですね。そのためにどうしたらいいのか?を、今、考えています。
佐藤
やりたいことをやらせてもらえる環境って、羨ましいですよね。働くということに関しては、どんな考えをお持ちですか?
伊東
「好きなことを仕事にする」「好きなことをするために仕事をする」で、働き方は変わってくると思います。好きなことをするためにお金を稼げたらどこでもいいという考えもあると思うし、どうせ仕事をするなら楽しく働ける方がいいよねという考えも。私は、前にも言ったんですが、どこかに属するのではなくて、自分で展開して、楽しく働きたいタイプかな。
鶴原
実は私、音大に進学したかったんです。でもそれにはお金が必要で、兄弟もいるし、地元の福岡に音大がなかったりと、いろんな理由で音大への進学を諦めざるを得なかったんです。分かってはいたけど、ショックでしたね。だから、子どもたちには、お金がないという理由でやりたいことを諦めて欲しくないという思いもあって。私が働きたいと思う一番の理由は、そこですかね。子どもたちのやりたいことをサポートしてあげたいです。
伊東
一番下の子は39歳の時に出産したので、その子が成人する時、自分は59歳。自分の年齢も考えると未来への不安もあるけど、これからのことだから、自分たちでどうにでも変えていけると思っています。子どもたちのやりたいことを叶えてあげたいという思いもあるけど、同時に自分も叶えたいことがあるんです。私の中にも小さな野望があって、おばあちゃんになった時に家の一室を図書館にして、子どもたちやママたちが息抜きできる場所を作りたいという夢があるんです。そのための改装資金も必要だなとか考えると、働いてお金を稼ぎたいです。あと何年間働けるか分からないけど、会社に属してしまうと定年があったりするから、それなら個人で働ける年齢まで働きたいですね。
佐藤
それって“自己実現”ですよね。経済的なものや自立願望、夢の実現…いろんなものをひっくるめて、それは自己実現だと思います。今は、目の前にある経済的な助けになればと働くことを選択しても、いつか子どもたちは巣立っていく。その時、自分の人生を振り返ったら何が残っているだろう、って不安になりますよね。だから、仕事をして社会と関わりながら自分の世界を切り開くことは、次のステージにステップアップできる可能性を秘めているかもしれませんね。
長野
私はシングルマザーなので、家庭を守るため必然的に働かなければならない状況で、仕事は収入源と割り切っています。昔から語学が得意で、手話は子どもの頃から興味があったけど、なかなか勉強する機会がなくて…。3年前にやっと手話講座に通えるようになって、手話に夢中になりました。私にとっては天職だと感じています。講座のカリキュラムを修了したので、手話奉仕員として活動できるんです。手話は語学なので、日常的に使ってないと忘れてしまうんですよ。息子たちも成長して、子育てから手が離れつつある心境になっていて、自分自身ももうすぐ50歳ということもあってこれから先のことを考えるんです。これからもずっと手話を続けることは決めていて、磨きをかけるべく聾者の人たちとの交流も続けながら、手話奉仕員として通訳の仕事でお金をいただける環境になればと思っています。そういった意味では、これも自己実現ですね。これから息子たちも高校、中学に進学するので、現実的なお金の問題をどうにかやりくりしながら、夢だった手話通訳の仕事もして、あとは健康面に気をつけながら過ごす日々を未来図として描いてます。でも、これができるようになったのも、下の子が小学校4年生になったから。まだ小さいお子さんに手がかかる時期は、日々のことでいっぱいいっぱいだと思うんです。だから、お子さんが大きくなるまでは今のことに一生懸命でいいんじゃないかな。一番小さなお子さんの成長に合わせて、少しづつ自分の未来予想図を立てて、手がかからなくなった時に自分のやりたいことや仕事を始めるのが理想なのかな。そういう日が絶対に来るから…。先のことはまだ想像できない毎日だと思うけど、明けない夜はないからね。
佐藤
うちの長男が赤ちゃんの頃は、背中スイッチがある子で、床に寝かせると必ず泣き出すんです。夜中も泣き止まず、私は壁に寄りかかって3時間くらい寝て、次の朝、仕事に行くという日々でした。あまりに辛くて「仕事、辞めようかなって」って、悩んでた時期もあります。あの時、辞めなかったから今があるんですけどね。「この子、もしかしたら産まれてきたくなかったんじゃ?…」って思うくらい、追い込まれていたこともありました。だけど、今考えるとその時間って、たった数ヶ月。今では、抱っこしたくてももう抱っこできないし、「触るな」みたいに扱われるしね(笑)。だから期間限定の今を目一杯楽しんでほしい。
長野
伊東さんと鶴原さんのお子さんが小学3年生くらいになったら、子ども一人でどんどん外に出て行くことになるだろうしね。うちの息子たちも、こっちがスキンシップを取ろうとすると「変態!」って言われるんですよ! あんなに「ママ、おっぱい」とか言ってたのにね(笑)。人の目を気にして、手も繋がなくなるしね。それも寂しいよ(笑)。今は、一人になりたいと思う時もたくさんあるだろうし、辛い時もあるかもしれないけど、そういう時期を過ごして、佐藤さんも私も、周りのお母さんたちの今があるんですよね。
佐藤・長野
笑える日が来るんですよ。いつか来ます!
佐藤
子どもの成長とともに、自分の時間が確保できるようになりますよね。子どもが習い事とか部活に行ってる時間、ふと「あれ?私一人やん、寂しい」みたいな、ね。
長野
今、まさにそうです!!一人の時間が余るほどできる日が、いつか来ます。
鶴原・伊東
ひゃー!!羨ましい!!自分だけの時間欲しい!
鶴原
一人の時間が欲しくて早朝働いてたんですよ。働く前は、朝4時に起きて一人の時間を作って、本を読んだり、好きなことをしてたんですけど、夜泣きがあると早朝に起きるのが難しくなって。たまに夫に子どもを預けて、一人時間を満喫するべく買い物に出かけるんですけど、あんなに楽しみしてた買い物のはずなのに、一人じゃなんか楽しくないというか…。結局何も買わずに帰って来て「何しに買い物行ったん?」みたいな感じになることもありますね。
伊東
幼稚園のミニバレー部に入ってて、家のすぐ近くで打ち上げの飲み会があったので久々に出かけたいと主人にお願いしたら、子どもを見てくれるということになって。ただ、子ども三人を主人一人で見る経験がほとんどなかったんです。上の二人は一緒に外出できるんですけど、一番下の子がまだ授乳中だったので「おっぱいは俺にはないから、俺は無理だから」って言われ(一同爆笑)。結局、私がお風呂から上がった子どもの体を拭いて服を着せてから、飲み会に出かけました。「私はいつも一人でやってることだけど」と思いながら(笑)。で、二次会も近くであるので、行っていい?って聞いたら「いいけど、一回帰って来るよな」と言われて、結局、一回帰宅して、下の子を授乳して3人を私が寝かしつけ、二次会に行きました。結局は、自分が頑張るしかないっていうことですよね。
佐藤
まだまだお子さんも小さいから、一人の時間を作るのは難しいですよね。ストレスはどうやって発散してますか?
鶴原
パン屋さんで働いていた時、イライラが最高潮で、そしたら過食になって気づいたら5キロ増えてたんです(涙)。で、これじゃダメだ!と思って、その時に見つけたのが縫い物。ミシンに向かって集中してる時って、なぜか子どもの喧嘩をスルーできたりするんです。自分優先に切り替えられるというか「今、お母さん縫い物してるから邪魔しないで」みたいなバリアを自然と張れるというか。子どもたちも、縫い物の時間はママに話しかけても無駄って学習してくれてたみたいで。子どものことだけに一生懸命になるんじゃなくて「私も楽しいことしてるから、あなたたちもどうぞ楽しい時間を過ごしてねっ」っていうのも大事なのかなと思えるようになりつつあります。
長野
私自身、ストレスはあまり感じなかった気がします。気分転換で外出しても、子どもが心配だったかな。子どもと物理的に時間を置かないと本当に苦しい時期もあって、でも実際に離れると心配で心配で、それで自分も苦しんだりして…。そういう時間を経て、今は息子たちも13歳と9歳になったから、ある程度子どもに任せられるという気持ちがあるから任せられる。これが5、6年前だったらまだまだ心配ですよね。ある程度、子どもの判断に任せられるようになると、自分も楽になってくると思います。
佐藤
30分だけでもいいから、自分一人だけの時間が欲しいと思いますよね。昔、「誕生日プレゼント何がいい?」って聞かれた時、「一人の時間」って答えましたもん。私の一人時間の究極の過ごし方は、自宅で一人静かにビール飲みながらDVD鑑賞。これが私にとって最高の時間。その幸せが、年に一回だけあればいいんですよね。人それぞれ価値観は違うけど、満足できる時間を過ごせたらそこで充電されて、また明日から頑張ろうって!思えますよね。切り替えって本当に大事。
伊東
毎日、予測不可能なことが起こるじゃないですか。計画していても、到底思い通りにはいかないので、それがストレスになるんですよね。予定通りにならないと分かっているけど(涙)。家にいる時にビールを飲みながら過ごす佐藤さんの一人時間、いいですね。でも私、家で一人の時間ができた時、掃除しちゃうんですよね。そのうちみんな帰ってきたりして、結局ゆっくり過ごせないというか(笑)。
佐藤
思い通りにはならなくて辛い時間もあるけど、そのうち、自分の思いに通りに過ごせる時間が来るんですよ。
伊東
出産が遅かったので、子どもが巣立った後の自由な時間は短いのかな…とか考えてしまうけど。でも自由な時間がいつか来ることを夢見て、今の時間を楽しめたらなって思いました!
鶴原
先輩ママたちが言う通り、期間限定だよね。この貴重な時間を楽しみたいですね!