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「女の人生を生きる、これからの私たち」<br>女子大生座談会!<br>(後編)~女性としてどんな人生を歩みたい?~

2019.10.01

「女の人生を生きる、これからの私たち」
女子大生座談会!
(後編)~女性としてどんな人生を歩みたい?~

子育て世代をターゲットに展開してきた「ママのままプロジェクト」。結婚、出産、介護…人生において様々な場面で選択を託される女性たちには多くの負担が重くのしかかっているのが現状です。本プロジェクトは、そんな女性たちの助けになる有益な情報をウェブを通して発信していけたらと、企業と社会、女性を繋ぐため、今日まで活動してきました。女性活躍を推進する現代では、子育て中でも働きやすい環境を整えるべく、国や社会が積極的に働きかけています。そんなこれからの世の中を、女性として船を漕ぎ始めようとしている女子大学生に「これからの私たち」を想い、本音をぶつけてもらいました。協力してくださったのは、これまでも「ママのままプロジェクト」の活動に賛同してくれ、イベントなどにも協力してくれている大分大学経済学部社会イノベーション学科の3人。どんな思いを抱きながら、これから大人の階段を上ろうとしているのでしょうか。

前編はこちら

聞き手:佐藤宝恵(ママのままプロジェクト・プロジェクトリーダー)

大学卒業から就職までは
なんとなくイメージできるけど…

佐藤
人生って夢を描く一方で思い通りにならないことも起こる。「絶対結婚をする」ということでもないし「子どもも絶対産む」とかでもない。介護も絶対…ということでもない。でもいろんなライフイベントでは、どうしても女性に負担がかかるケースが多いですよね。そこで質問ですが、そんな経験を経て自分の人生を振り返った50、60歳の時、女性としてどんな人生を歩んでいたいなど、もう少し大きなビジョンってありますか?

大西
結婚はしたいですね。30歳くらいまでに結婚したいという理想があって。そう考えると、20代後半から30代前半くらいまでには子どもを出産して、小学生くらいになった時にひと段落ついたら、キャリアを目指すことに集中できるのかなって。そんなビジョンは描いてます。

佐藤
大学でキャリアデザイン(自分の職業人生を自らで主体的に構造・設計=デザインすること)の勉強もしていますよね。そういう勉強をした時、いろんなことを学ぶと同時に、何か感じることはありますか? 

大西
以前、一般教養の授業で、実際に表を使ってこの時期にどんなことがあるかというライフステージを書き出す授業があったんですけど、正直最初全然思い浮かばなくて…。大学を卒業して、企業に入社して…までは想像できたけど、その後に結婚というワードが出てきて、どうしようかなって。なんだか人生ゲームみたいで。定年が来たら仕事を辞めるのか?辞めないのか?とか、色々と選択することがありました。家を購入するとかの項目もあったけど、そういう具体的なものって、やっぱりその時になってみないと分からないなと。



佐藤
先ほど「50、60歳で人生を振り返った時にどんな人生を送っていたいか?」って難しい質問をしたんですが、それに答えづらいというのは無理もないと思います。まだ大学も卒業していなくて、働いてもなくてその大変さもわからないのに現実味がないですよね。じゃあなんでそんな質問をしたのかというと、50代60代の自分に目標を持っていれば、思い通りに人生が進まなくても、発想の転換ができると思うんです。具体的に私の例を出すと、自分がその年齢になった時、子どもに誇れる仕事をしておきたいという目標がありました。それまでに培った人脈やスキルを活かして、自立した女性になっていたいと漠然と思っていました。その目標があるから、今までいろんな挫折を味わってきたけど、リカバリーしながら選んだ道を進めたんだろうなって。大きくかつ、漠然とした目標を持っていたら、どんな道に進んでも軌道修正が可能になると、今実感してるんですよね。田中さんはどうですか?

田中
さっき大西さんが言ってたのと同じ授業だったと思うんですけど、表にシールを貼りながら自分の人生設計を考えたんです。大西さんと同じで、就職してからの2、3年後はなんとなくイメージできたけど、そこから50年60年生きなきゃいけないと思うと、これまで過ごして来た時間よりも、これからの方が長いことに気づいて、どうしよう…という不安な気持ちになって。中学生の時も同じような授業をしたんですが、その時は「早く結婚したい。早く子どもを産みたい」って、楽しんで計画を立ててたと思うんです。でも、大学でキャリアデザインの勉強をしている時に感じた時は不安しかなくて。今は友達と旅行に出かけたり遊んだり自分の時間を自由に使えているけど、子どもができたらそういうわけにはいかない。友達もみんな不安があるから、みんなで話していると相乗効果で「どうしよう…」って余計に不安が増すんですよね(涙)。

佐藤
だけど、私たちみたいに、紆余曲折あったけど仕事しながら子育てもしてる大ベテランの母親経験者の話を聞くと、少し救われるんじゃないですか?

田中
そうですね。これから起きる知らない世界を経験している先輩の話を聞くと、知識も増えるし、対処法とかも勉強になるし、新しい選択肢が増えるので、不安じゃなくて安心感が増します。同世代の子は当たり前だけどみんな知らないし、知らない者同士で話してるから、不安しか募らないんですよね。



佐藤
私だけじゃなくて、子育てをして年齢を重ねてる人たちって、決してキャリアデザイン通りになってるわけじゃない。流れに身を委ねることも必要だし、柔軟に対応していくのも必要。それが叶わなかったときに挫折するんじゃなくて、そこからのリカバリー力が必要なんです。不安だらけだと思うけど、女性の人生は十人十色で、最終的には死ぬ間際に「私の人生、楽しかったな」って思えたらいいんじゃないかなって(笑)。情報過多の時代だから、それに振り回されることもあるかもしれないけど、もう少し俯瞰的に見て「こんな女性になりたい」と目標ができたら、例え希望通りに進めなかったとしても、目標の方向に向かっていけると思うんですよね。

田中
私、50代60代でこういう女性になりたいというのが、今見つかりました。これまでを振り返ってみると、友達の存在ってすごく大切な存在だなと。ずっと大切な友達が近くにいれば、嫌なことがあっても笑っていられると思う。そんな人たちと、楽しく過ごせてる50代60代であるといいなって思いました。

佐藤
大学生って人生の夏休みって言われるでしょ。この4年間は社会に出るまでの予行練習でもあるよね。学校で勉強したキャリアデザイン通りにはなかなかならないと思うけど、そんな中で自分のライフステージを考えた時、どこかのタイミングで結婚や出産も経験することになるかもしれないよね。出産を経て、仕事に復帰した際、両立に関して要望とか、何か思うことはありますか?

仲井
子育てと仕事の両立とかできるのかな…という不安はありますね。私はあまり同時進行できるタイプではないので、仕事に肩入れしすぎて、子どもに寂しい思いをさせたりするのかなって思ったりもします。



佐藤
みんな、自身のお母さんは働く女性として、どう映っていますか?

田中
双子だったのもあると思うんですが…。母はもともと大きな企業に勤めていて、そこで出産ギリギリまで働いて、出産後復職を考えていたそうなんですが、結果仕事は辞めたんです。理由はちゃんと聞いたことはないんですけど。そこからはパート勤めです。でも、だからこそ母と一緒にいる時間が長くて、学校から帰ったら母がいる安心感がありましたね。

大西
私が生まれる前、母は心臓が悪くて入院してたんですけど、生まれて2ヶ月くらいで仕事に復帰しました。だから、私はおばあちゃんといる時間が長かった。私が小さい頃も残業が多く、寝る前と朝しか顔を合わせないことも度々でした。私が中学生くらいになった時、パート勤めになったので、帰る時間も早くなって、土日も一緒にいれる時間が増えました。その働き方は、今でもいいなと思ってますね。

仲井
私は兄弟が多いんですけど、お兄ちゃんが生まれて5歳まで働いていたけど仕事は辞めたそうです。妹がもう今では中学3年になって、お母さんは「また働きたい!」って毎日のように言ってますね。

「女の人生を生きる、これからの私たち」<br>女子大生座談会!<br>(後編)~女性としてどんな人生を歩みたい?~

女性として生きる上で抱く
「不安」と「夢」

佐藤
そろそろ締めに入りたいと思います。全体を通して2つだけ聞きたいことがあります。女性が仕事をしていく上でいろんな選択をしていかないといけない、という前提で考えた時の「不安」と「夢」。今思うこの2つを聞かせてください。

田中
今の私は不安の方が大きいんですけど…。「夢」は、女性しかできない出産を経験すること。産んで育てていくということは大変だと思うけど。それが今の私にとっては夢です。その子どもに頼られる存在になった時ってどんな気持ちなんだろうって想像します。仕事と子育ての両立が果たしてできるのか?とか、不安もあるけど、その気持ちも子どもと共有することができて、「完璧なお母さんじゃないけど、一緒に頑張ろう!」って支え合うことができる親子関係を築きたいです。それも含めて大きな夢ですね。

佐藤
「女性として」というテーマで、なぜその2つを質問したかというと、夢が明確になれば、マイナスの不安要素をプラスに変えてくれると思って。物事にはプラスとマイナス、白と黒があるように、両極端の思考があって、お互い補い合ってる気がするんです。田中さんの不安も、きっと「夢」がカバーしてくれると思います。

仲井
私の「夢」は、女性ならではの楽しい人生を謳歌しながら、仕事もできる女性になること。結婚をして、お母さんとしても、一人の人間としても、社会人としても可愛らしい女性になること。「不安」は、就職して、結婚して出産を機に休職して、また復職することが本当に可能なのか? ということですかね。

大西
私の「夢」も、男性には絶対にできない、出産を経てお母さんになりたいということ。女の人で一番幸せを感じることって聞きますし。最終的には、可愛いおばあちゃんになりたいです。その時、幸せじゃないと可愛くいられないと思うんですけどね。大変なことばっかりじゃ老け込んでしまいそう(笑)。だけど、その大変なことを乗り越えて幸せでありたいです。辛いことも苦しいこともあると思うけど、乗り越えたら新しい価値観が生まれるということを心に置きながら、そこを目指したいなと思っています。予測不能な子育ての不安や、仕事のこと、…考えたらきりがない、いろんな不安もあるけど、幸せになりたいですよね。

佐藤
そうですよね。「置かれた場所で咲きなさい」という私の大好きな言葉があるんだけど、この道を選んで良かった…と思える生き方をしてほしいです。可愛いおばあちゃんになりたいという夢のために、多くの経験からいろんなことをどんどん吸収していってほしいし、発想の転換が絶対に大事。男性よりも何倍も選択することが多いと言われている女性は「あれにすればよかった」「選択を間違った」と思うんじゃなくて、不安かもしれないけど、それを選んだ自分を楽しめるしなやかさと強さを持ってくださいね。

「女の人生を生きる、これからの私たち」<br>女子大生座談会!<br>(後編)~女性としてどんな人生を歩みたい?~

同じゼミだけど、こんなに深い話をするのは初めてだったという3人。私たちが就職活動をしていた時代とは違い、自分たちの未来を描こうと一生懸命な姿が印象に残りました。女性が働く環境としては、以前に比べ整ってきている現代。出産、子育てというライフステージで、せっかくの才能が途切れないように、国や企業もその才能を活かす努力をしてくれています。人生は思い通りにならないから楽しいし、その通りになんてならないのが当たり前。だからこそ、いろんな経験をして、強く、たくましく、しなやかな大人の女性に成長してください。経験に無駄なことは何一つない!これから日本を支えていく女子たちに幸あれ!と願って…。

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