2020.03.31
働きたい女性をサポートする新事業「Match work」に連動し、ママの“働きたい”を後押しする特集を4回に渡ってお届けしてきました。その特集の締めくくりとして、企画全体をママのままプロジェクトのマネージャー・佐藤宝恵が振り返ります。数多くのママたちを取材する中で、働きたいけど働けない、職場が理解してくれない、ご主人の協力が得られないなど日々苦しむママの姿、仕事と育児の両立で葛藤する姿のほか、ママたちが社会に望むこと、働くママのデータなど、さまざまなことが見えてきました。5ヶ月に渡る本特集から感じたことをはじめ、新事業「Match work」についてもいろいろな角度から振り返ります。
この特集をスタートさせてまず感じたことは、ママの数だけ考え方があって、ママの数だけ働き方があるということ。いわゆる正規雇用や非正規雇用、サービス業や製造業といった表面的な分類だけでなく、子どもが何人で、ご主人の仕事や家事育児への参加の割合、両親のサポートの有無など、より深い部分まで探ってみると、ママとして一括りにすることはできないんだと感じました。ママが100人いたら、働き方も100種類あるんですよね。
ママのままでは、大分県とタッグを組み、働きたい女性をトータルサポートする事業「Match work」を企画運営してきました。ほかの求人サイトや求人雑誌とは違い、働きたい女性と企業がしっかりと顔を合わせ、お互いのニーズを理解し、両者をしっかり結びつけるという点がマッチワークの強みだと思っています。
実際に、企業側には「例えば最初の1年目は10:00〜15:00などスモールスタートを実施してみてはいかがですか」などとご提案。逆に、結婚や出産で就業が一度ストップした女性たちには、自分のキャリアを振り返り、棚卸しができる内容のセミナーに参加して就業への意欲を高めてもらいます。女性を活用したいと考えている企業と、働きたい女性を丁寧に橋渡しします。
今回、本事業の中で「就労支援セミナー」「合同企業説明会」「企業体験会」を開催したのですが、その中でも「合同企業説明会」と「企業体験会」では、初の試みとしてコンシェルジュを設けました。特に合同企業説明会では、「初めての参加で不安」、「業種も多く限られた時間の中でどう動けばよいか分からない」という不安を抱えたママたちをしっかりサポートさせていただきました。通常、このようなイベントのコンシェルジュの場合、〇〇という資格を持つ△△企業の有識者を採用することが多いのですが、今回は、参加者のママたちに寄り添うことができるママコンシェルジュを選択。実は、ママたちに本当に寄り添えるのは、同じ経験をした同じ悩みを抱えるママではないかと思います。今回、ママ友のような感覚で相談できるコンシェルジュを置いたことで、ママたちも安心して参加することができていたようです。
マッチワークの強みでもある、「学ぶ」→「会う」→「知る」という一連のフローが、働きたい女性へのトータルサポート事業として、その役割を存分に発揮できたのではないでしょうか。女性が復職して働くにあたって、1つのステップごとの丁寧さが絶対に必要になってきます。例えば、就職したい、いつか就職したいという女性たちは、企業のこと、社会のことを深く知って、自分が今抱えている不安や心配を排除して挑みたいという気持ちがあります。だからこそ、企業の魅力をわかりやすく伝えたり、実際にそこで働いている女性の声を届けたりすることで、その不安を希望に変え、私たちがコンシェルジュとしてしっかりサポートし、フォローしていく必要があるのです。
事業としては予定通りに進んだのですが、やはり課題も多く見えてきたので、一つひとつ解決しながらさらに良いものにしていきたいですね。例えば、募集チラシでは、産休育休OK、ママ社員◯人という表記で対応していましたが、やはり実際にそこで働いているママ社員のリアルな声を届けたほうがママたちには刺さります。また、勤務時間に関しても基本的には9-17時だけれど、相談は可能など。ママたちが働きやすくなるように企業へ出向き、女性たちのニーズを届けていきたいと思います。女性に対しても企業に対してもオーダーメイドのサポートを行っていきたいですね。
これからは企業・女性お互いが意見交換しながら、企業は女性たちの意見を取り入れて就労環境をアップデート、女性たちも企業のニーズを把握しながら自分の強みをプレゼンできる環境を作っていかなければいけません。そのためにも、両者に事前にしっかりとヒアリングや分析、アウトプットができる仕組みをつくりながら、双方のニーズをつなげていきたいと考えています。