「つながり、つづける」。
それがママのままのキーワード
取材を通してママたちと互いに共感する
ママのままを運営するようになってから、さまざまな委員に参画したり、講師として講演したり、これまで想像できなかった仕事を経験しました。たくさんのママたちの取り組みやこれまでの歩みを紹介する「ママスタイル」では、たくさんのママたちへのインタビューを実施し、ときには、辛かった記憶を思い出して涙したり…。彼女たちの話を聞くだけでなく、わたしの話もすることで、多くのママたちと心を通わせ、想いを共有することができました。
ママだからできることがある
今年は、行政や企業に取材をするだけでなく、対談をさせていただくことも多かったです。女性活躍の現状や、子育て社員に求めることや、行政・企業として何ができるかなど、たくさんのお話を聞くことができました。子育て中の社員は、自分軸で動けないことがほとんどです。子ども中心や家族中心になり、自分のことは後手になってしまいます。そのため、組織の中に入ったときに、育成力・忍耐力や管理能力など、さまざまな能力を発揮することができ、多くの企業が、この力を持つ子育て中の社員に期待していることがわかりました。
企業が「ママのまま」に求めるもの
私たちが求められているのは、子育て中の女性の活躍の場をつくることです。これまでは、こちらが一方的に取材に行く立場でしたが、少しずつママのままを理解し、応援してくれる企業が増えていることは感謝でしかありません。そのなかでよく聞こえたのは、「行政だけの力では、届けたい人に情報が届かないことも多い」という声。「ママのまま」を通すことで、ママをはじめ、子育てに関わる人とつながることができます。そういった意味では、ママ同士のつながりをつくるという「ママのままプロジェクト」の目的を達成できているのではないかと思います。
コロナ禍だからこそ感じた
ママたちの“強さ”としなやかさ
これまでの常識、積み上げたものが崩壊
ママのままを始めた当初は、コロナのように世界を揺るがす感染症が起こるなんて想像もしていませんでした。プロデューサーの観点から言うと、インタビューや取材をはじめ、リアルで集まる難しさを体感し、あきらめなければいけないところもありました。2020年3月に開催予定だった「ままいろフェスタ」も中止になり、それまで積み上げてきたものが一瞬で崩れ去りました。実行委員たちの想いを考えるとショックでたまりませんでした。
つながる方法を変え、柔軟なコミュニケーションを
自粛生活が続き、さらなる制約や大変さが増えたママも多かったようです。旦那さんがテレワーク、子どもがリモート授業など、家にいることが多くなれば昼食を作らなければいけないことも多かったはず。しかし、そんな大変な状況下でもママたちの底力を感じることができました。「ままいろフェスタ」やさまざまな取り組みにおいて、ママ同士がつながる方法をシフトさせ、柔軟なコミュニティーづくりができるようになってきました。
アンバサダーたちの自活力とたくましさ
コロナ禍を経て、「ままいろフェスタ」のオンライン開催や、その前段階での出店説明会・勉強会を積極的に行うなど、ママアンバサダーさんたちが主体的にアクションを起こしてくれることが、とても嬉しかったです。どんな状況にもフレキシブルに対応する反射神経を持つママのたくましさと頼もしさを感じました。ママのままプロジェクトは、それぞれが自分の役割をしっかり理解し運営できる、組織的な体系になりつつあります。1月からリニューアルするFM大分「ままともラジオ」でもママアンバサダーさんたちの活躍が期待されます。
ママのままが掲げる
2022年のビジョンとは
多様性のある活躍を!
これからママのままを運営する上で、3つのキーワードがあります。「多様的活躍」、「SDGs」、「人材成長支援」です。現在、多様性のある活躍と聞くと、「女性活躍」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。しかし、女性活躍を支える男性、地域社会といった表には見えていない多様的活躍など、“活躍”にはさまざまなカタチがあります。
また、女性活躍と聞くと“全てを完璧にこなすバリキャリの女性”というイメージが大きく、「専業主婦の私は活躍していない」と打ちのめされている女性もいます。女性管理職としてバリバリ働くのも「活躍」ですが、専業主婦の方たちが家族の安心のために家事育児に奮闘するのも1つの活躍のカタチです。さらに、その専業主婦の女性が誰にも負けないスキルを持っている可能性もあります。例えば、「ままいろフェスタ」のようなイベントで、手作りの商品を試行錯誤しながら販売することや、実行委員・サポーターとして運営に関わることだって才能やスキルのひとつです。
女性活躍とひとくくりにしてまとめるのではなく、あらゆる「活躍」のカタチを見せていきたいです。私たちは、多彩なママたちのプレゼンスを高めていくのが今後のビジョンです。それが「ママがありのままで輝く」というコンセプトにもつながると思います。
世の中の問題を自分事として考える
現在、さまざまな企業でSDGsへの取り組みがなされています。しかし、SDGsは企業単体の目標ではなく、もっと身近なものであるべきだと思っています。私たちもフリーマーケットを開催したり、食品ロスを削減するためのクッキングを実施したり、パパサークルのセミナーなどを行いました。
また、ママのままプロジェクトでは、「自分も幸せにする!」と独自の目標も掲げ、「ママたちのSDGs」もスタートさせています。ママのままプロジェクトのコンセプト「ママの力を社会につなげる」を実現させるためには、ママが笑顔でいることが大切。子育ても自分のことも、どちらも諦めない方法を考え、明るい未来を切り開くママの姿勢は、子どもたちが「自分たちに出来ることはなんだろう?」と、考える力にも繋がっていくはずです。
女性のエンパワメントで人材成長支援
今年の4月からスタートさせようと考えているのが「人材成長支援」です。よく人材育成と呼ばれますが、私たちが掲げるのは、育成ではなく成長支援です。
経営者の方と話をすると、「人が育たない、応募が少ない、女性がリーダーになりにくい、上司と部下のコミュニケーションがない」など、多くの課題を耳にします。その課題をなかなか解決できず、女性離職者や、若手離職者が後を絶ちません。女性の力や眠っている人材を顕在化させたいという以前実施した「マッチワーク」の取り組みをベースに、採用から管理職になるまでのステップアップを考えることで、階層ごとに成長戦略を組み立てます。働き方改革の一端を担っていければと思っています。
女性の輝き方は人それぞれ
「社会とつながっていないから、自分は輝いていない」と感じるのではなく、“自分が幸せだと思うならそれが幸せ”だと気づいてもらいたいです。幸せにはさまざまなカタチがあり、いろいろなママスタイルがあることを知ってほしいです。人生もひとそれぞれです。そのバリエーションの多さが、新しい女性活躍のカタチやカラーを作っていくと確信しています。
これからもさまざまな企業や団体、たくさんの人と積極的に関わりながら、女性が輝き、社会とつながり、チャレンジする場所をつくっていきます。
今年も「ママのままプロジェクト」をよろしくお願いいたします。