県全体で連携を取りシナジーを生み出す
「女性が輝くおおいたアクションプラン」

佐藤
『ママのままプロジェクト』を運営していくにあたり、「情報をしっかりターゲットに届ける」というミッションを設けています。本メディアを通して、女性が自分らしく活躍できるためのさまざまな取り組みを発信したいと思っています。大分県の「アクションプラン2022」を拝見しましたが、とても分かりやすくまとまっているという印象を抱きました。

河部
「女性が輝くアクションプラン2022」は、「働きたい女性への支援」、「働いている女性への支援」、「仕事と家庭を両立できる環境づくり」の３本柱を軸に、女性が働きやすく活躍できる環境づくりを進めています。“女性が輝く”を掲げているので、多くの企業が「女性が…」「女性のために…」と目標を立てるのですが、ベースになるのは、“誰もが自分の個性や能力を発揮できる社会”を目指すこと。性別や年齢を問わず多様性を認め、いきいきと活躍できる社会に向けて、この取り組みをもっとPRしていきたいですね。

佐藤
大分県の行政機関が連携しているアクションプランですが、それぞれの部局が個別に取り組むのではなく、ひとつのチームとして同じ課題に取り組もうとするパワーやポテンシャルを感じますね。

河部
子育て中の女性が働こうとする場合、職業訓練に関する窓口、保育所に関する窓口、家事シェアなど、知りたい情報は多岐に渡ります。女性が活躍するためには、さまざまな団体が連携して取り組んでいく必要があります。実際に、全ての市町村で、婚姻届を出した夫婦に、家事シェアについてまとめた冊子「カジライフ」を渡しています。大分県全体が協力することで、シナジーが生まれ、それぞれの事業を効果的に推進することができると思っています。

女性の数だけ働き方のカタチがある
女性を取り巻く社会の意識改革を

河部
現在、多くの女性が働いています。一昔前だと、子育て中の母親が働こうとすると、「まだ子どもが小さいのに…」と言われることがありましたが、時代の流れと共に、少しずつ考え方が変化しています。女性が働くことに対して、ご主人をはじめ周囲の理解や協力も得られる環境になってきました。

佐藤
私が「ママのまま」を立ち上げる前、私の周りには、働きたくても働けない人がたくさんいました。メディアを立ち上げて5年目を迎えましたが、ようやく制度や仕組みが整ってきたと感じます。しかしながら、さまざまな取材や企画を通して、「やりたいことがあるのにできない」と悩むのは、男性よりも女性が多いという現実も見えてきました。本当に女性が働き続けるためには、女性への直接的な支援だけでなく、女性を取り巻く人や環境に対して理解を深めることも必要です。一番身近な家族の理解・協力や、会社の組織編成、制度の変革のためにも「女性が輝くおおいたアクションプラン」のような取り組みが求められています。

河部
リーダーや管理者の意識を変えていくことも、働きやすい職場を目指す近道ですね。そのために企業のトップに向けた「トップセミナー」を開催しています。また、子育て中の女性は「働くことに対して、家族や会社に負担をかけたらいけない」という思いもあるようです。まずはその意識を変えていかないといけません。正社員やパート、派遣、自営などさまざまな雇用形態がありますし、リモートワークといった新しい働き方もあり、働き方のスタイルも多様化しました。

佐藤
先日「ママのまま」で、共働きの夫婦2人のライフスタイルをスケジュールとともに見せていく特集を展開しました。5組の夫婦に協力してもらったのですが、やはり家族の数やライフスタイルによって家事分担や時間の使い方もさまざま。本当に女性の数だけ働き方があると実感しました。だからこそ、わたしたち編集部も、よりリアルな情報を発信していかないと、本当の女性活躍は実現しませんね。

女性のモチベーションアップできる環境や
一歩踏み出すきっかけづくりの場を

河部
出産や育児でキャリアを離れ、再就職を目指す女性が、必要なスキルを身につけるキャリア形成セミナーや、「働きたい」「社会参画したい」「何かに取り組みたい」といった人に向けたエンパワーメントセミナーも開催しています。スキルをアップさせるとともに、働く上で必要なことを学ぶ取り組みを行っています。それまで社会と離れていた分、自分の魅力をアピールする場も必要なので、企業と女性をマッチングさせるイベントも実施しました。働きたい女性と企業とのミスマッチを防ぐためにも、就職アドバイザーがサポートしています。

佐藤
働く環境は整ったのですが、「再就職したい！」と思ったときに、チャレンジが出来るような機会や、彼女たちが一歩踏み出す後押し、モチベーションをアップさせる機会も必要です。今すぐ働くのは無理だけれど、子どもが小学校や中学校に進学した際、思い切りチャレンジできるよう、今のうちからウォーミングアップできる環境を届けたいです。はじめからバリキャリ思考のカリキュラムを組んでしまうと気後れしてしまいます。

河部
確かに、本当に働きたいと強く思う人は、自分からアクションを起こすと思います。そういった方のサポートはもちろんですが、働きたい予備軍への“寄り添う姿勢”も大切にしたいですね。今は子育てに追われていても、お子さんが成長してから環境が落ち着いてから働きたい人も含めて、幅広く支援できたらいいなと考えています。

佐藤
そのためには中長期的なスパンで、マインドセットや共感を生むことが重要ですね。女性たちの意識を高めるセミナーや学びの機会は必要です。弊社が大分合同新聞社と協同で取り組んでいる「Woman NEO」では、企業に所属している女性たちに向け学びの場を作っています。最大の特徴は、学ぶだけでなく、参加者同士で交流できること。講師の話のあと、名刺を交換しながら雑談する時間を設けています。講師から聞けないような色々なアイディアや知恵が生まれたり、ビジネスチャンスにもつながります。

河部
私たちも「エンパワメントセミナー」で働きたい女性の支援や、他にも働いている女性へのキャリアコンサルタント派遣や、意識改革のための取り組みを行っています。企業の良い事例をPRし、真似できる部分を取り入れ、ロールモデルを確立してもらうことが私たちの目的です。女性が活躍する社会をつくるためには、県だけなく、市町村、多くの企業や経営団体と一緒に取り組む必要があります。「ママのままプロジェクト」とも協力しながら、必要な情報を必要な人に届けられるようにしていきたいと思っています。今後ともよろしくお願いします。

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