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誰もが活躍し、輝ける社会へ。<br>「ママのままプロジェクト」のこれから

2023.01.03

誰もが活躍し、輝ける社会へ。
「ママのままプロジェクト」のこれから

「ママのままプロジェクト」は、今年で立ち上げ6年目を迎えます。これまで、大分のママたちに向けて役立つ情報、共感できる話題を発信してきました。また、「ままともラジオ」や「ままいろフェスタ」「Match work」など、さまざまなプロジェクトにも取り組んでいます。2023年最初の特集は、「ママのままプロジェクト」代表の佐藤宝恵が、これまでの歩みを振り返りつつ、未来に向けた想いやビジョンを語ります。

女性が活躍する社会から
“誰もが”活躍できる社会へ

「ママのまま」立ち上げ時から今日まで


「ママのまま」がスタートした6年前と比べると、社会的な風潮がずいぶん変わってきました。立ち上げ当初は、女性の活躍推進やママの社会参画を強くアピールすることを意識していましたが、今や男女共同参画の概念はスタンダードになりつつあります。実際に、企業サイドも「女性限定」「女性に優しい」「女性をサポート」といった女性を意識したフレーズを打ち出すのではなく、女性が活躍できる職場づくりはもちろん、男性の育休取得や時短勤務など、夫婦が共働きで子育てをするために、企業としてどのようなサポートが必要なのか、そのための施策などを具体的に検討するようになってきたと感じます。



SDGsの観点からジェンダーギャップを考える


日本は先進国でありながら、ジェンダーギャップ指数は146カ国中116位です。前年と比較すると少しずつ順位はアップしていますが、決して良い数字とは言えません。そこで、「ジェンダーギャップをなくす」、「ダイバーシティインクルージョン」に向けて、多くの企業や組織・団体がさまざまな取り組みをおこなっています。そういった動きもあって、若者たちの間では「女性が活躍できる社会は当たり前」という声も聞かれ始めているようです。世界が掲げるSDGsというひとつのものさしによって、より良い社会へ少しずつ歩み始めました。




ママたちの独自のSDGsの目標「自分も幸せにしよう!」


そこで、ママのままプロジェクトでも、SDGsの18番目の項目として、「自分も幸せにしよう!」という独自の目標を掲げました。ママたちはいつも家族を優先に考え、家族の幸せが第一。他者に対する奉仕や気配りが当たり前の生活を送っています。だからこそ、少し立ち止まって、自分を幸せにすることを考えてみてほしいのです。子育ても自分のことも諦めず、ママの心が満たされると「すみません、ごめんなさい」ではなく「ありがとう」と思える、幸せの想いが循環する。ママ同士が支えあうことで、ママ自身のモチベーションや自己肯定感が上がっていくのではないでしょうか。





女性と企業を“マッチング”
“わたしらしく働きたい”をサポート

コロナ禍以降、多様化する働き方


コロナ禍以降、これまでとは違う働き方が注目されるようになりました。特にママたちにとっては「勤務時間は朝9時から17時まで」、「休みは土日祝日」といった決まりきったワークスタイルではなく、フレキシブルな働き方が良い場合もあります。もちろん、多様な働き方だからこそ、自分自身でコントロールは必要です。また、優秀な人材が働きやすい環境づくり、妊娠・出産を経ても働き続けられるサポート制度などを整備する方が、企業にとってもメリットがあると考えるようになってきました。スキルが高く、有能な人材を失うことの方が企業にとっては大きな損失ですから。




働きたい女性と企業を結びつける女性就労支援事業


女性の多様な働き方を支援する事業として、今年も「Match work」を開催しました。「いずれは働きたい」と思いつつも条件に合う企業を見つけられず、「わたしらしく働きたい」と思いながらも、就労への一歩がなかなか踏み出せない女性の背中を、就職セミナーや企業とのマッチングイベント、インターンシップなどを通じて後押しするプロジェクトです。就職アドバイザーが丁寧にサポートしながら、約30社の企業とたくさんの女性のマッチングが実現しました。








ママのままらしい双方向性の求人プロセス


ハローワークなど、これまでの求人募集のプロセスでは、なかなか良い人材、会社に巡り合うのは難しくなってきていると思います。一元的な募集要項だけでは企業の特徴も分からないし、履歴書だけでは求職者の魅力も伝わりずらい。「Match work」では、出展企業に対して、仕事内容や欲しい人材を細かくヒアリングします。これにより企業の魅力とともに従業員の人柄を伝えることによって、企業のリアルな姿を体感してもらうことができます。あまり良いイメージがなかった業界でも、実際に働いているスタッフの温かさや魅力を感じることができます。ママのままらしい求職・求人のお手伝いが少しずつ形になっている気がしますね。求職者に関しては、当日に自己PRシートを作ってもらい、企業へプレゼンの時間を設けました。そこで彼女たちがやりたいこと、できることをしっかり伝え、アドバイザー同席のもとしっかり情報を交換。インタラクティブな仕組みがうまく機能し、従来の女性の就業支援事業とは一味違う取り組みだったので、行政からも評価していただきました。「Match work」によって行政との連携が生まれ始めたとも感じています。





Match work

自らが考え、動くことで
ママたちがやりたいことをカタチに

才能や彩りを届け、つなげる「COLOR」の立ち上げ


雑貨やアクセサリーといったハンドメイド作家から、 講師、インストラクター、教室主宰者まで、自分のスキルや個性を持つ大分在住のCOLOR MATE(カラーメイト)さんが、たくさんの人と出会えるプロジェクト「COLOR」もスタートしました。この場を通じて個性やスキルを持つ女性たちがつながりさらに輝いてほしいですね。COLOR MATEさんの活動を知ってもらうことはもちろん、気に入った商品やサービスの購入、イベントへの出店やコラボレーションの依頼などに発展するのではないかと考えています。ままともラジオで定期的にCOLORプレゼント企画を行なうなど「ママのままプロジェクト」をベースに、さまざまな取り組みを循環させていきたいと考えています。





COLOR


「ままいろフェスタ」と「ままともラジオ」の存在


「ままともラジオ」も「ままいろフェスタ」も、今年で5年目になりますが、一つの独立したコンテンツとして大きな注目を集めています。ママのままという箱から飛び出した個々のプロジェクトが話題になることは素晴らしいですね。特に、「ままいろフェスタ」は年1回の開催ですが、「ママのままプロジェクト」そのものを周知させる起爆剤的なパワーがあります。昨年12月に開催した「ままいろフェスタ」では、なんと1000人以上のお客さんに来場いただきました。ママたちで結成された実行委員のおかげで「ママのままプロジェクト」の想いが具現化された、メディアも注目する一大イベントとなりました。









ままともラジオ


たくましさと頼もしさを身につけたママたち


代表として、当初から大切にしてきたのは、ママたちの“チャレンジの場作り”と“ママの力を社会につなげる”こと。「ままいろフェスタ」も「ままともラジオ」で私があれこれ口出しするのではなく、イベントやメディアのセオリーやルールなど、最小限のことだけ伝え、あとはママたちに任せています。ママたちの可能性が集まり、何かを作り上げることができたとき、「私の頑張りがこんな大きなイベントの一助になっていたんだ」と自信を身につけることができます。ママのままを盛り上げてくれるママアンバサダーたちも、フレキシブルに行動してくれ、私が想像もしないアイデアをどんどん出してくれます。







ママの感性や感覚を活用し
社会に変化を生み出したい

企業の悩みを女性の視点や発想で解決する


ママと企業の皆さんとプロジェクトに取り組むときにいつも感じていたのは、ママならではの感覚やコミュニケーション力、良い意味でのフランクさやフラットな感覚などは育児や家事で培われた立派なスキルだと思っていて、これらは物事を良い方向へ導くということ。ママ同士の強い結束力も相まって、皆が同じゴールを目指す一体感があります。また、ママたちは利他精神を持っている方が多く、指示がなくても一歩先を読み、自ら動くことができますし、こちらの思いを汲み取ってくれます。昨年は企業のコラボとしてSDGsのイベントを考案したり、ママの「欲しい」を詰め込んだモデルハウスをつくったり、お金の勉強会を開催したり、そのほかたくさんのことを行いました。今年は、より多くの企業にコミットし、それぞれの企業が抱えるプロモーションやマーケティングの課題を解決するための糸口として、女性の視点や発想をカタチにしていきたいです。







さらに力強さや豊かさが増した「ITAJOMA」に注目を


女性感性を活用したマーケティング・プロモーション事業「ITAJOMA~イタジョマ~」も今年は活性化しそうです。ママのまま立ち上げ当時から運営していましたが、6年間で「ままいろフェスタ」や「ままともラジオ」「Match work」などのプロジェクトを経験したことで多方面から課題を捉えることができ、アイデアの引き出しは格段に増えたと思います。女性たちのネットワークもママのままを通じてさらに広がったと感じます。









ママのままの実績をベースに、「企業のニーズ」と「女性のスキル」をつなぐ


今年は本格的に、企業のニーズと女性のスキルのつなぎ役になっていきたいと思っています。例えば、採用・育成に対する課題を抱えている企業があれば、キャリアコンサルタント、労務関係だったら社労士のセミナーや研修をプランニングしたり、企業の商品やサービスをママたちと一緒に企画開発したり、商品モニターを実施したり、広告代理店ニッコンとして30年間培ったスキルやノウハウと、ママたちのネットワークを大集結させ「ITAJOMA」はさらに力を入れていきたいですね。今年は、このように「企業のニーズ」と「女性のスキル」をつなぐコーディネーターやプランナーの人材を育成しながら、一層「ママの力を社会につなげる」ことに取り組んでまいります。

今年も「ママのままプロジェクト」をよろしくお願いいたします。

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