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女性活躍のその先へ<br>若者が描く、自分らしい未来〜後編〜

2025.01.21

女性活躍のその先へ
若者が描く、自分らしい未来〜後編〜

ママのままプロジェクトの代表の佐藤と、大分県内の大学生4人が自身のキャリアアップやワークライフバランスについて語り合う大学生座談会の後編をお届けします。「女性活躍」という言葉が社会に浸透する中、若者たちはどんな未来を描いているのでしょうか。未来を担う大学生たちが、自身のキャリアや生き方について熱く語り合った様子をレポートします。



働きやすい社会の実現に向けて
若者に親しみやすい情報発信を

佐藤
<前編>でもお伝えしましたが、弊社では、子育て中の女性を対象とした就活イベントを開催し、県内企業と女性をマッチングする「合同企業説明会」を実施しました。皆さんのような学生が参加する新卒採用の合同企業説明会と似ていますが、女性に特化している点が特徴で、県内からさまざまな企業が出展しました。女性たちは興味のある企業のブースを自由に巡ることができ、企業側としても、多種多様なスキルを持つ女性を発掘できるチャンスになりました。自分のスキルや経験、将来のキャリアプラン、自分の価値をしっかりアピールできる場となります。

池部
私は、子育て中の女性が働くうえで後ろめたさを感じる背景に、日本の社会構造や教育の中で育まれてきた、謙虚さや控えめな思想が深く関わっているのではないかと感じます。この状況を変えるためには、子どもの頃から多様な価値観を育む教育や、行政や企業、社会全体の積極的な情報発信が必要。女性のための制度は数多く存在しますが、若者に十分に浸透していないような気がします。



佐藤
実際に、さまざまな制度や支援策を設けていても、その情報が複雑で分かりづらく、若い世代に届きにくいという問題があります。「ママのままプロジェクト」では、さまざまな情報を届けることで、誰もが自分の人生を主体的に歩み、キャリアを築ける社会の実現を目指しています。このように社会は変わりつつあることを伝えるのも、私たち大人の役目ですね。

常廣
私は、実際に働いている人の声や、たくさんの写真が載っている記事に惹かれます。会社案内のような、ただ情報が羅列されているだけのものよりも、その会社で働く人たちがどんな風に活躍しているのか、どんな雰囲気で働いているのかが具体的に分かる方が、会社のリアルを知ることができる気がします。

佐藤
確かに、文字情報だけでは企業の本当の魅力は伝わりにくく、やはり、働く人々の表情やオフィス環境といった”活きた情報”が、企業の魅力をより深く伝える上で重要ですね。ちなみに、離職率や産休育休取得率など、働くうえでどんな情報が知りたいですか?

林田
データを知るのも大切ですが、やはり、実際に働いている人の生の声を聞きたいですね。 「この仕事でやりがいを感じるのは…」や「入社して良かったと思うことは…」など、具体的な言葉で語られるエピソードのほうが心に響きます。



池部
長い文章が延々と書かれたページだと、読むのをやめてしまうことがあります。若者だけでなく、幅広い世代の人々が抱えているのではないでしょうか。若者をターゲットにするのであれば、やはりSNSが効果的だと感じます。

爲成
あとは活字だけでなく、現代は動画を見る機会が増えているため、動画コンテンツも用意することで、より多くの人の目に触れることができるのではないでしょうか。

自分らしいキャリアって?
それぞれが描く未来のカタチ

佐藤
政府は2030年までに女性の管理職比率を30%(新目標)にする目標を掲げていますが、なかなか伸び悩んでいるのが現状です。女性のキャリア教育が十分に行われていなかったため、多くの女性は管理職という役割に対する具体的なイメージを持てず、突然管理職のポジションを任された場合に戸惑いを覚えることも。また、多くの企業において、管理職は男性が占める割合が高く、管理職適齢期といわれる30代、40代女性の管理職は、仕事と育児を両立させながら、リーダーとしての役割を果たすことの困難さを実感しています。みなさんは、今後のキャリアプランをどう考えていますか?



爲成
私は別府市で生まれ育ち、地元に恩返ししたいという思いから、別府の観光を盛り上げる仕事に就きたいと考えています。ただ、管理職になりたいかと聞かれると、それほど重要視していないかもしれません。「周りから評価されているか」が重要で、管理職に昇進するのはあくまで結果のようなものだと考えています。



池部
私は、仕事において”自分のやりたいこと”を追求したいです。もし、ロールモデルとなる人物が身近にいなくても、仕事を通じて理想の自分像を確立しながら私自身が後輩から憧れられるような存在になりたいですね。新卒で入社した会社で必ず昇進し、リーダーになることを目指しているわけではありませんが、仕事と家庭を両立しながら、それぞれに真摯に向き合いたいと考えています。

林田
僕は、いずれは起業したいと考えています。しかしさまざまな人に相談した結果、新卒でいきなり起業するのではなく、一度企業に就職し、社会経験を積むことの重要性を認識しました。志望企業に入社し、そこで昇格やキャリアアップの機会を得られるのであれば、積極的に挑戦したいと考えています。大学時代にさまざまな人と関わる中で、肩書きを持つ人々と交流する機会が増え、その経験から肩書きを持つことの重要性を実感しました。どんどんキャリアアップしてビジネスに関する知識やスキルを習得し、自分のビジネスに活かしていきたいと考えています。

常廣
今年の4月からは社会人になります。キャリアアップも目指したい一方で、いずれ結婚して子育てをしたいと考えているので、育児と仕事の両立に少し不安を感じています。育児休暇制度は整備されているとはいえ、子どもが病気で学校を休まなければならない場合など、突発的な事態に、周囲の理解を得ながら、柔軟な働き方ができれば嬉しいです。

若者たちの多様な視点で
明るい未来をデザインする

佐藤
終身雇用の概念が一般的ではなくなってきたこともあり、必要に応じて能力を最大限に発揮する環境へ進んでいくことがキャリアアップの自然な流れなのかもしれません。また、ロールモデル探しに固執するのではなく、自身の経験の中でいろんな要素をカスタマイズして、理想とする「自身の在り方」を確立していくことが大切ですね。では、最後に今日の感想を聞かせてください。



林田
このような座談会に参加でき嬉しく思います。女性が活躍できる社会について考える良い機会となりました。私は今まで他大学の方々とあまり関わる機会がなかったので、違う分野の方と意見交流によって、自分の意見をアップデートさせることができたと思います。企業と個人や上司と部下、男性と女性という形や立場、バックグラウンドの違いによるズレを互いに歩み寄りながら埋めることができれば目指す社会へ辿り着けると思います。従来の慣習からの変化には互いの理解が不可欠です。この座談会は私にとってそのズレを知るきっかけとなりました。

常廣
いよいよ社会人としての生活が始まるので、今回の座談会で女性の働く環境や課題、それに対する他の学生の意見を知ることができて良かったです。普段生活をしていると目の前のことに精一杯で、将来については漠然としか考えていませんでした。しかし、今回の座談会を通じて、ワークライフバランスや女性活躍の視点から自分の将来像を考えることも重要だと再認識しました。

爲成
今回の座談会で女性が働きやすい環境について考える良い機会になりました。改めて自分の周りがどれだけ恵まれていたのかを再確認することができました。現状でも女性の働き方について悩んでいる人が数多くいるということを今後の世代をつくっていく私たち若者が理解し行動していくことが一番の近道だと思います。今回の座談会を今後の大学生活や就職活動に活かして行きたいと思います。

池部
今回座談会を通して、改めて女性に対する支援の難しさを感じました。私は、将来バリバリ働くことが夢で、「女性だからできない」「支援しないといけない」という概念に違和感を感じていて、性別で判断される社会が変わってほしいと思っています。ですが、実際は出産や結婚などさまざまな観点から難しい部分もあることを実感しました。今後はますます女性が活躍できる場が増えていくことを願っています。また、女性として自信を持ちながら、自分らしい生き方を探していきたいと考えました。



佐藤
今回の座談会を通じて、「女性活躍」は「誰もが活躍できる社会」の一つの通過点に過ぎず、時代は確実に移り変わっていると実感しました。今がパラダイムシフトの時代であるとするならば、ちょうど狭間の私たち世代が、対局するそれぞれの認識の差を埋め相互理解の輪をつくっていくことが必要だと思いました。それにしても、学生だった自分を思い出すのが恥ずかしくなるぐらい、今の若者たちは、学びそして自分の意志をしっかり持っています。将来、安心して老後を迎えられそうです(笑)。ありがとうございました!






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