2022.04.05
今やグローバルスタンダートとなった「SDGs」。環境、貧困、食、教育、ジェンダー平等など、2030年までに達成すべき17の目標が設定されています。子どもたちは学校で学ぶ一方、ママをはじめとする親層が学ぶ機会は少ないのが現状です。今回からスタートするシリーズ記事「考えよう!SDGs」では、SDGsに取り組む県内企業に、ママが自ら取材し、SDGsへの理解を深めます。記念すべき第一回目は、ドローンやロボット開発を行う「ciRobotics株式会社」に出向き、IT技術が社会の課題解決にどう関わり、貢献しているのかを取材しました。
SDGsとはSDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。2015年9月の国連サミットで採択され、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標を指します。「貧困をなくそう」「ジェンダー平等を実現しよう」「住み続けられるまちづくりを」といった17の目標から構成され、世界中のさまざまな企業・団体が事業領域で課題を抽出し、解決を目指して積極的に取り組んでいます。
「安心・安全なロボットを大分から世界へ!」をミッションに、ドローンやロボット制御システムの研究開発、製造、施工、保守管理、販売及び輸出入事業を展開。津久見市無垢島でドローン物流社会実装プロジェクトを始動し、新型コロナウイルス感染症の軽症者宿泊療養施設での無人配送ロボットの実証実験など、先端技術を使ったSDGsアクションを実施している。
大分市の広告代理店で働く、0歳2ヶ月の女児を育てる新米ママ。SDGsは言葉を聞いたことがある程度。母親になったからこそ、SDGsについてしっかり理解し、アクションに取り組みたいと意気込む。
今日はよろしくお願いいたします!早速ですが、御社のSDGsへの取り組みについて教えてください。
最近は、ドローンを利用した農薬散布に力を入れています。昨今の高齢化による農家の後継者不足で手作業での農薬散布が困難になり、ドローンを使って農薬を散布しています。持続的可能な農業の推進を目指しています。
ドローンはすぐに導入できるのでしょうか。
現状では、農薬散布用ドローンには免許は必要なく、練習して、国に申請を出せばすぐに導入できる状況です。難しそうなイメージはありますが、意外と単純です。事前に講習も行っています。
離島・過疎地域へのドローン物流、災害時支援物資配送ドローン実装事業も展開しているとお聞きしました。
交通が不便な津久見市無垢島での快適な暮らしと航路維持の両立に向け、日常の生活物資や一般用医薬品の配送でドローンを活用する実証事業を実施しました。また、一昨年の九州地方を襲った「令和2年7月豪雨」での豪雨災害によって、孤立した被災地へ向けて、ドローンを用いた救援物資の配送にも取り組んでいるところです。
ドローンに最大積載量はあるのでしょうか。
用途によってドローンの最大積載量は変わりますが、弊社で開発しているドローンの積載量は30キロです。他社には60kgの荷物を乗せられるものもあり、人が乗れるドローン開発も進んでいるようです。
ciRobotics製の配膳ロボットがホテル療養中のコロナ患者へ食事の配膳を行っている映像を拝見しました。どのような経緯があったのでしょうか。
2年ほど前に大分県から、「お弁当やゴミの回収など、人が介入せずに自動で対応できないか」と相談を受けました。県と共同で開発し、現在はコモドホテル(大分市)で実証実験として導入しています。
アフターコロナでは、ロボットがどのように活用されると考えていますか。
単純作業はロボットに置き換わっていくと思っています。将来的には「3K(きつい、危険、汚い)」と呼ばれる人手不足の現場作業においても、ロボットの導入が期待されています。
「Society 5.0」を耳にする機会が増えましたが、わかりやすく教えていただけませんか。
Society 5.0の根幹は、豊かな暮らしを作ることだと思っています。スマホひとつで色々な物の管理や制御ができ、ロボットなど、あらゆる技術を用いて豊かで安心安全な社会を創造し、地域環境との共生を目指すことです。
ロボットと人間の共存に関してはどう考えていますか。
コロナ禍でITリテラシーが上がり、ロボットが身近なものになりました。映画のように、AIが世界を支配することはありませんが、ロボットを使う人と、ロボットに使われる人に分かれていくことは明確です。子育てにおいてIT教育がとても大きな課題になると思われ、親や学校の重要なミッションとも言えるかもしれません。
これから先、今では考えられないような社会が現実になるのですね。楽しみです。
普段の生活では、企業の方に直接話を聞く機会がないので、とても良い経験になりました。快適で豊かな暮らしのためにロボットが開発、利活用されていることがわかりました。今後も技術革新が進むなかで、私たち母親は、子どもたちが未来を生き抜くための教育について考えなくてはいけないと感じました。