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2018.04.01

日進月歩、この仕事は一生勉強!
新たな取り組みへの挑戦も忘れない

高添倫子さん

今回のママ:
高添倫子さん・45歳・大分市出身・大分市在住
(中学校2年生・小学校2年生の2児の母)

大分県内に24店舗を展開する「永冨調剤薬局」の「敷戸団地店」で薬剤師を務める高添さん。「こんにちは!」と笑顔で迎え入れてくれ、訪れる患者さんに安心感を与えてくれるアットホームな雰囲気です。ここで、薬に対する不安や疑問に答えてくれる薬の専門家として働く高添さんは、私たちママにとっても心強い存在です。

大分で自分らしく生きるママたちのこれまでを綴るインタビューシリーズ。
今回は、「永冨調剤薬局」で23年間薬剤師を務める高添倫子さんのストーリー。

小さなころから身近な存在だった、薬剤師という仕事

子供が病気になった時や、私たちの体調が優れない時に頼りになる薬の専門家・薬剤師さん。「熱がなかなか下がらない」「めまいがする」…など、調剤薬局を訪れる際、何かしらの不安を抱いていることも多い。そんな時に優しく接してくれる薬剤師さんの笑顔に何度も救われた記憶がある。

高添さんが薬剤師の仕事を目指したのは、医療の仕事に従事するお父様の影響が大きかったそう。「父の職場を訪れた際、病院の中の薬剤部で働く薬剤師さんの仕事を見る機会も多くて。いろんな薬が並んでいて、薬剤部の部屋は子供ながらに神秘的な場所というイメージを抱いてましたね。女性が手に職を持つことの大切さを幼い頃から両親に教えてもらっていたし、父の勧めもあり、迷わず薬剤師の道を選びました。将来結婚して、旦那さんがどこに転勤になっても資格さえあればどこでも働けますし、子供が出来ても続けられる仕事なので迷いはなかったですね」。高校を卒業後、薬学部へ進学し、薬剤師の国家資格を取得。夢叶って薬剤師の資格を手にいれた。

高添倫子さん

一生勉強。その言葉が今は身に沁みています

その後、永冨調剤薬局に就職。27歳で結婚し、33歳で長男を出産した。当時から産休制度はあったが「3歳までは子育ての時間をしっかり作りたい」と退職。でも、頑張って取得した資格だったので、いつかは薬剤師として仕事に復帰する思いは強かった。長男が幼稚園入園と同時に「そろそろ仕事に復帰してみない?」と声をかけてもらい、約3年ぶりに職場復帰した。

今日の薬学も医療技術と同じく日進月歩で、新しい薬が開発され、日々新薬が誕生している。そのため、育児に専念していた3年間分の薬の知識を取り戻すのにはとても苦労したと高添さん。「昔、父の知人の薬剤師さんが『薬剤師は一生勉強だよ』と言ってたんです。その時はピンとこなかったけど、今はその言葉が身にしみてわかりますね。久しぶりに薬辞典を広げたら知らない薬が載っていて、3年間のブランクを感じました」。幼稚園に一番近い店舗での勤務となり、朝は子どもの登園と同時に出社し、帰りはお迎え時間のぎりぎりまで働ける恵まれた環境も、職場のサポートがあってこそと高添さんは話してくれた。

そして、6年後に第二子を出産。再び退職するも、最初の経験から「あまりぼやぼやはしてられない…」と、約1年半後に職場復帰を果たす。「最初の復帰の時よりも、やはり随分と余裕は出来ましたね。女性の多い職場なので、子どもの急な用事でもお互い助け合っていますし、同じ境遇の仲間がいて本当に助かります。仕事で遅くなる時は、次男は学校帰りに祖父母の家に帰ったりと、近くに住む両親のサポートも欠かせません。みんなの助けがあって、こうやって仕事ができると感謝しています」。朝5時に起床し3人分のお弁当作り、子供、ご主人を送り出し、最後に出勤する毎日。子どもが成長するごとに変化するライフスタイルに合わせて、勤務体制を考慮してくれる恵まれた職場環境も羨ましい限りだ。

アウトドアが大好きだという高添さん一家。休日には家族4人でテニスやスキー、キャンプに出かけ体を動かすのが、高添さんの忙しい日々のリセットボタンだとか。「長男ももう中学生。『俺も頑張るから、お母さんも頑張って!』と仕事に送り出してくれます。今では心強い存在です」。家族の存在が高添さんの大きな原動力になっている。

高添倫子さん

次のステップへ進むために、今やるべきこと

家族や自分自身が病気やケガになった時、かかりつけ医の存在はとても頼りになる。これからは薬についても、そんな存在が大切になってくると高添さん。2016年度の調剤報酬改定で「かかりつけ薬剤師」の制度が新設された。「かかりつけ薬剤師」とは、ひとりの薬剤師さんがひとりの患者さんの服用状況を管理し、アドバイスや相談に乗ってくれる、いわばマンツーマンで自分のお薬のことを教えてくれる専門家のこと。毎日の投薬治療が必要な人たちにとっては、特にありがたい存在だ。

かかりつけ薬剤師になるには、研修などを受け、定められた単位を取得する必要がある。高添さんは、その資格を取得するための勉強にも取り組んでいる。「薬剤師の仕事は、サービス業だと思っています。薬のことはもちろんですが、人とのコミュニケーションもとても大事な仕事。お薬をもらいに来る目的だけじゃなく、特に用事はないけれど話すだけ、顔を見るだけ…と、ふらりと立ち寄ってもらえる地域のコミュニティになれたらいいですね。私自身も、みなさんの心の拠り所になれる薬剤師さんを目指したいです」。

高添倫子さん

永冨調剤薬局
http://www.nagatomi.co.jp/

この記事のライター:安達博子

「取材中、数人の患者さんが来店しました。その際、常に笑顔で患者さんに優しく話しかけていた高添さん。落ち着いた雰囲気で、不安に寄り添ってくれる安心感がありました。今までは薬を調剤する対物業務だったものが、人とのコミュニケーションを必要とする対人業務に移行する中、時代に合わせて変化する仕事内容に柔軟に取り組む姿勢に、女性ならではのしなやかさを感じました。」

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