2019.04.16
今回のママ:
丸山ユミさん・久住町出身・大分市在住 (51歳)
(27歳・24歳・21歳の二男一女の母)
大分で自分らしく生きるママたちのこれまでを綴るインタビューシリーズ。今回は、専業主婦として3人のお子さんを育て上げ、3年前にプライベートサロン「エッセンスフィル」を大分市内にオープンさせた丸山ユミさんのストーリー。現在、心の体を整えるビューティアドバイザーとして、女性の心と体のメンテナンスに力を注いでいる。
丸山さんのサロンとなっているアパートの一室におじゃました。玄関のドアを開けるなり、半端ない美人オーラを放つ女性が現れた。アロマの香りで満たされた部屋は、なんだかとても心地いい。透明感のある艶やかな肌に、思わず「どうやったらそんなに綺麗でいられるんですか!」と聞いてしまった。同性の私から見てもうっとりするほどの美しさと、大人の凛としたかっこよさを持ち合わせる、憧れの女性像…。しばらくドキドキしていた。そして51歳という年齢を聞いてビックリ! しかも3人のお子さんは皆さん成人し、お孫さんも1人いるというから(こんな美しいばあちゃん見たことない!)さらに驚いた。
大自然に囲まれた久住町育ちの丸山さん。中学・高校でソフトボール部に所属した生粋の超体育会系女子。高校卒業後は大分市内の大手メーカーに就職し、受付業務に就いた。同じ職場だったご主人と22歳で結婚。24歳、27歳、29歳で出産。24歳から専業主婦として子どもたちとガッツリ向き合う時間を過ごし、その合間に小遣い稼ぎ程度の仕事をしていた。
「あるミーティングで人の話に共感し、涙を流している男性、しかも年配の方がいらっしゃいました。なんで…?そこまでできるの?とその方を見て心がゆさぶられたことを覚えています。それから内面に目を向けるよう意識するようになりました。」
私たちにとっては子育ての先輩でもある丸山さん。家族それぞれの物語があるように、丸山さんの子育て経験の中にも、多くの苦労があった。おっとりとして、小さな頃から「いい子だね」と言われて育った長男は、小学校から続けていた少年野球を中学校でも部活として続けることになった。目立たずともコツコツと野球に打ち込んでいたある日、息子さんから「野球を辞めたい」と告げられた丸山さんは「辞めてもいいけど、代わりに打ち込めるものを探してよ」と答えた。よくよく話を聞いてみると、監督の心無い発言や行動に息子さんは傷つき悩んでいた。
「結局野球は辞めたのですが、辞めた後も次に打ち込めるものを探している様子もなく、そこで『なんで次を探さないの!』と、つい体育会系のノリで言ってしまったんです。次第に長男との溝は深まっていき、息子は部屋に引きこもってしまいました。ついには学校にも行かなくなり、昼夜逆転する悪循環の生活は続きました。中学3年になって高校受験を迎えました。運よく県立の高校に合格することができて、心機一転、新しい生活をスタートしてくれるといいな…と思ってたんですが『やっぱり学校は嫌い』と、1年で学校を辞めてしまいました」。目つきも変わり、怒りや不満を壁にぶつけ、部屋に多くの穴が空いてしまったことも。
「あの時の私はまだまだ未熟でしたね…。『みんな学校に行ってるのになんで?』『あなたが悪い!』という目線でしか息子を見れてなかったんです。子どもってすごく敏感なので、私の心の中は全てお見通しだったんだと思います。あの頃、私は1人で息子と戦ってた気がしますね。そんな状況が結構続いたかな…」。暗闇のトンネルから抜け出せない不安は、想像するだけでも辛い。
「でもね、経験して思ったのは、暗いトンネルはいつか抜け出せるってこと。だから大丈夫なんです。子育ては思うようにいかない。我が子とはいえ1人の人格ですから。思うようにしようと思うからイライラしてしまいます。こうなってほしいと欲も出てきます。私もそうでした。子ども目線になってみると、そこから見える景色は違ってみえます。これは子育ても仕事でも人間関係でもすべてに共通します。『できなくてあたりまえ』に設定することができたら、自分も家族もおだやかに過ごせますね。そんな環境だと子どもは勝手にやりはじめるから面白いです。まずは子どもではなく自分自身を見つめ直すことができたらいいですね。」
「人生にはバランスがあって、苦しい時があれば絶対にその後にいい時が来るよってずっと言い続けてました。ようやく、彼も安心したんじゃないかな。自分で選択してきたから、今の彼がある。力任せに無理やり進むんじゃなく、いい流れを感じ取ってキャッチしてきたんだと思います。これからも、本来の人生のいい流れを感じて、そこに進んで行って欲しいですね」。
語りつくせない苦労や葛藤もたくさんあったと思うが、お子さんの話をしている丸山さんはとても幸せそうだ。苦あれば楽あり。親である以上、生涯子どもの心配は尽きないと思うが、一つの大きな山を超えた丸山さんの「暗いトンネルはいつか抜け出せる」という言葉に、一層の重みを感じた。
丸山さんの子育てにおいて、大事にしていることを聞いてみた。「お兄ちゃんの姿を見て、次男は世の中を上手に渡り歩ける術を学びました。そして、長女は破天荒で自由奔放。三人三様で性格は全く違うし、それぞれに色々な問題は勃発したけど(笑)全ての経験に無駄はないんだと思うんです。私が常に大切にしているのは親子の『距離感』。子供たちと同じ目線に立って物事を見てたら、近すぎて時々見えなくなるんです。だから、ある程度の距離を保って、全体を客観視する目を持つことが、親にとってとても大事なことなのかなと感じます」。
紆余曲折、いろんなことを経験してきた丸山さんだが、人生において大きな影響を与えた出来事がもう一つあった。丸山さんが40歳の時、唯一の兄弟であった弟さんが自ら命を絶った。子育て真っ只中の忙しい日々に追われ、当時、実家や弟さんの変化を汲み取れなかったことを後悔しているという。
「高校1年の長男の引きこもり時期と重なっていたので、当時を振り返ると私もボロボロで、その状況を受け入れるのは大変でした。でも、その経験は『人間、やっぱり心が大事なんだ』ということに気づかせてくれました。弟の死は、ある角度から見たらとても悲しく辛いことですが、私にとっては意味があるものだと勝手に解釈して、その答えを必死に探しました。そして『みんなの内側を整えるお手伝いを担いたい』という思いが芽生えました。植物に例えるなら、葉っぱや花を咲かせるため、表面的な結果を求めて一生懸命になるけど、でも見えない根っこが健康でなければ綺麗な花は咲かない。だけど、根っこをきちんと整えて健康であれば、必要な時にちゃんと花は咲いてくれるんじゃないかって…そう思ったんです」。
エッセンスフィル
https://ameblo.jp/yumin607607/
この記事のライター:安達博子
「『心・内面が整っていれば、強い』。その言葉が心に響きました。人間誰しも年齢を重ねていくので、表面的な美しさを保つのには限界があります。でも、歳を重ねるほどに輝きを増す女性もたくさんいます。それは、内面から滲み出ているものだと確信しました。私もあと2年で50代を迎えますが、子育てからの卒業、更年期、親の介護…と、きっと環境が激変すると覚悟しています。ぜひ50代女性のセミナーを実現して、多くの女性の心を元気にしてください! 美しく、そして強くてかっこいい憧れの女性です。これからは師匠!と呼ばせてください(笑)」