MAMA STYLE様々なママの様々なスタイルを
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2019.08.07

「ありがとう、あなたがいて良かった」
この言葉が私の励みになっています

植木美奈さん

今回のママ:
植木美奈さん・21歳・国東市出身・大分市在住
(生後7ヶ月の一女の母)

大分で自分らしく生きるママたちのこれまでを綴るインタビューシリーズ。今回は、これまで取材させていただいた「ママのまま」始まって以来、一番若いママさんが登場。現在、大分市玉沢にある「はなはなデイサービスセンター」で介護職員として、仕事と子育ての両立に奮闘中の新米ママの植木さんをインタビュー。

おじいちゃんやおばあちゃんと
話をするのが好きだった

家族や身内に介護が必要になった時、お世話をしてくれる介護スタッフさんたちの存在のありがたさを痛感する。利用者に常に寄り添い、いつも笑顔を絶やさない姿に、尊敬の念さえ湧いてくる。大変な仕事だろうなと思う一方で、誰かの支えになるとてもやりがいのある素敵なお仕事なんだろうなぁ…と想像する。

今回、取材に訪れた「はなはなデイサービスセンター」は、近くに大きな商業施設などもある市内の便利な地域にありながら、田んぼに囲まれたのどかな場所に建つ。ここで、介護職員として働いているのが植木美奈さんだ。私にとっては娘と言ってもおかしくない年齢で、お肌もピチピチ。まだあどけなさが残る屈託のない笑顔を見て、一目で「お年寄りたちに可愛がられて、きっと人気者だろうな」と感じた。



別府溝辺学園高等学校の看護科を卒業後、現在の職場に就職した植木さん。看護師ではなく、あえて介護の仕事を選んだのはなぜなのか?

「もともと、おじいちゃんやおばあちゃんと話しをするのが好きだったんです。学生時代は看護師の勉強をしたんですが、介護の現場にも通ずる部分も多くて。それで、お年寄りに関わる仕事をしたいと思うようになり、介護の仕事を選びました」。

様々な介護施設の求人がある中、今の職場を選んだのは「お給料の面と、あとは働きながら資格を取らせてもらえるところ」と植木さん。抜かりない選択理由がとてもしっかりしていて今ドキの子だなと感じたが、しかしその先見の明は間違っていなかった。就職後すぐに、3ヶ月間で介護職員初任者研修を受け合格し、介護職員の資格を取得した。次に目指すのは国家資格でもある「介護福祉士」。「まだまだ先の話になると思いますけど、いつかはその資格も取りたいですね」と、ちょっと照れ臭さそうに教えてくれた。

植木美奈さん

先輩ママが多く
とても働きやすい環境

植木さんは現在21歳。そして生後7ヶ月の可愛らしい女の子のママでもある。出産後、育休を取得。今年の7月に職場復帰したばかりだ。

「毎日が本当に大変です(涙)。やっと復職から1ヶ月経ったので少し慣れてきましたけど、最初は先が見えてこない感じでしたね…。産前は生まれる1ヶ月前まで、お腹がパンパンの状態で働きました。職場には子育て経験者や子育て真っ只中の先輩も多くその状況にも慣れているので、体に負担のない仕事内容に変更してくれ、出産ギリギリまで安心して働くことができました」。



職場では現在37名のスタッフが働き、女性の割合は約7割以上。その中で既婚者の女性は18名と、女性、そして結婚・出産を経ても仕事を続けている先輩ママがたくさんいる恵まれた環境だ。そして働く女性として何より羨ましく思ったのが、施設内に保育園が完備されているというところ。現在、時短勤務の植木さんは、午後4時半に愛娘を施設内の保育園に迎えにいく日々を送っている。「お迎えに来たよー」と満点の笑顔で娘さんを抱っこする植木さん。一瞬にして、介護職員から母親の姿に変わっていた。待機児童問題に悩む女性が多い中、子どもの保育園の心配もなく、先輩ママさんに囲まれた恵まれた職場環境がとても羨ましかった。

「働くスタッフの皆さんがとても仲良くて、仕事も楽しいですね。例えば、急に子どもが熱を出したりして仕事を休まなければならなくなっても、周りのスタッフ皆さんでフォローしてくれます。休むことに気負うことなく、だから子育てに関しての心配も少ないと思います。その代わりに、次に誰かが同じ状況になった時はその分頑張って仕事しようと思いますね。『お互い様』という気持ちが根付いているので、本当に働きやすいです。出産後も仕事に戻りたいと思ったのはこの職場だったからかもしれません。普通だったら保育園を探すところから始まるのかもしれないですけど、いろんな不安がなかったので、仕事を続けるという選択肢しかなかった気がします」。



最近、娘さんが体調を崩すことも多く、不安になった時はまず職場の先輩に相談すると植木さん。ママの一番の理解者は、やっぱりママ。そんな存在が身近に、そして職場にあるということが働く女性の安心感を作り、果ては、利用者さんたちに向ける植木さんのピカピカの笑顔を作っているんだと感じた。

朝8時半に仕事がスタートし、就業時間内は利用者の皆さんが快適に過ごせるよう、トイレの介助から血圧・バイタルを計り健康チェックをしたりと、いろんな業務をこなし、あっと間の一日が過ぎる。今の仕事をしていて一番嬉しかったことは「ありがとう。植木さんがいてよかったわ」という言葉をかけてもらった時。介護の仕事を選んで良かったと思った瞬間だったと、笑顔で答えてくれた。

次に植木さんが目指す「介護福祉士」の資格も、そんなに簡単に取得できる資格ではないだろう。でも、自分がスキルアップしたいと思った時、チャレンジしたいという気持ちを後押ししてくれる職場は、働く女性にとって何にも変えがたい。「仕事が楽しいです!」。迷いなく、そう答えてくれた植木さんを見て、今後さらに高齢化に拍車がかかる社会に、一筋の光が見えた気がした。

植木美奈さん

株式会社はなはな  
http://hanahana-care.jp

この記事のライター:安達博子

「娘ほどの年が違う植木さん。介護スタッフとして、そしてママとして毎日を一生懸命に過ごしている姿を見て、年齢なんて関係ないなぁ…と痛感した取材でした。何歳でも、何歳になっても、自分の居場所を持っている人は輝きを放っています。そして同時に、女性がこんなにも働きやすい職場が大分にあることに正直びっくりして、とても羨ましく感じました。次のステップでもある介護福祉士の道のりは簡単なものではないと思いますが、その笑顔と愛らしさを武器に、さらにステップアップした植木さんをいつの日が見て見たいな…と、ちょっと母親のような気持ちにもなりました」

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