2019.08.20
今回のママ:
伊藤暢子さん・35歳・大分市出身・大分市在住
(5歳と2歳の二男の母)
大分で自分らしく生きるママたちのこれまでを綴るインタビューシリーズ。今回は、9月20日から開催される、今年最大のイベント「ラグビーワールドカップ2019™日本大会」の大分会場の準備を進めている、大分県企画振興部ラグビーワールドカップ2019推進課で企画・広報班の主任を務める伊藤暢子さんのストーリー。
ワクワクが止まらない。4年に一度、いや一生に一度の経験になるであろう、ラグビーワールドカップ2019™日本大会の大分での開催! 試合のチケットは残念ながら取れなかったという人も(まだチャンスはあるので諦めずに!)、期間中は大分市内がラグビー一色となり様々なイベントも開催される。大分を訪れた世界各国の人たちと一緒にお祭りムードを楽しみたいものだ。今回は、その大分開催の運営を支える大分県庁内にあるラグビーワールドカップ2019推進課に勤務する伊藤暢子さんを訪ねた。
大分県立上野丘高等学校を卒業後、熊本大学の法学部に入学。ゼミで公共政策学を選択し地方の自治体の取り組みなどを学んだ。その後、公務員の道を選び大分県庁に就職。学生時代からお付き合いしていた現在の旦那さんと28歳で結婚し、29歳で第一子、33歳で第二子を出産し、二度の育児休業を取得し復職した。現在、ラグビーワールドカップ2019推進課で企画・広報班の主任を務めている伊藤さん。
「広報という肩書きがついてますが、私は表に出る仕事ではなく、内部の会計処理などを行う事務的な業務を主に担当しています。今、課内は間近に迫る開催日に合わせ、総力を挙げて準備を進めています。大分会場の準備や調整、ファンゾーンやイベント開催、大会のPR、シャトルバスや交通規制などの調整をしたり、来ていただくお客様をおもてなしする体制作りに全力で取り組んでいる真っ最中です」。
産休・育休を二度取得して仕事に復帰した伊藤さん。気になる県職員の方の、子育て中に取得できる制度を好奇心で伺ってみた。復職を前に、当時住んでいた横浜で保活を行った伊藤さん。長男の誕生日が夏だったこともありその年は入園できず、翌年4月の入園まで休暇を延長。息子さんが1歳8ヶ月の時に仕事に復帰した。
「お休みの延長を許可していただき復職を果たしました。育休中は無給ですが、育児休業手当金というものを受給できます。次男の場合は2月生まれだったので1歳1ヶ月で仕事に戻りました。保育園の入園時期を考慮して、出産のタイミングを考えるってよく聞きますが、私が勤務していた都心部にはそういうお母さん方がたくさんいて、子育ても色々と知恵工夫が必要だなって実感しました。大分県庁では子どもの急な病気の時には看護休暇も取得でき、復職した際には、育児短時間勤務や育児時間勤務※など、様々な勤務体制の中から自分のライフスタイルに合わせて働き方を選択できる柔軟性もあります。制度が充実しているので本当に助かりますし、だからこうやって仕事を続けることができるとありがたく思います」。
伊藤さんの周りにも、出産後も仕事を続ける先輩や職員の方がたくさんいるという。「働く女性にとって、制度があるかないかって本当に大きいですよね」という伊藤さんの言葉に、深く頷いた。
※育児時間勤務…1歳未満の子どもを育てる女性労働者が「1日2回」「少なくとも30分づつ」育児時間を取得できる国の制度
大分県庁では、2歳3ヶ月未満の子を育てる職員が対象で男性職員・女性職員ともに取得することができる。
○2歳の前日まで 1日2回(1回60分)または1日1回(1回120分)
○2歳~2歳3ヶ月まで1日2回(1回45分)または1日1回(1回90分)
4月に大分に戻ってきたばかりの伊藤さん親子。現在は実家に同居し、ご両親にお世話になっているそうだ。ご主人は仕事の都合で単身赴任で関東に残るという、ちょっとイレギュラーな生活を送っている。
「保育園の送迎も、ご飯の支度も、両親が全面協力してやってくれているのでとても助かっています。仕事に没頭できる恵まれた環境である反面、夫も不在の中、子どもたちにとって今のままでいいのか…という葛藤があるのが正直なところです。両親にも負担をかけていますしね…。横浜から戻って数ヶ月しか経ってないので、生活の基盤がまだ整ってないというのも事実なんですが。主人にも仕事があり、私も今の仕事を手放したくない。だからその答えはすぐには見つからないから、とりあえず走りながら考えていこうということになりました」。
大分ラグビー情報
https://oitarugby.pref.oita.jp/
ラグビーワールドカップ2019公式チケットサイト
https://tickets.rugbyworldcup.com/
この記事のライター:安達博子
「人生色々。旦那も色々。生活も色々。百人いれば百通りの物語があると取材していていつも感じます。『私なんかでいいんですか?』と終始恐縮していましたが、伊藤さんだけの唯一無二のストーリーがやっぱりありました。完全アウェイの都会で二人の子どもを出産し復職。帰省後の4月から、開催直前のラグビーW杯に携わる課に配属。伊藤さんは、行政職という職種に属しているそうで(いわゆる一般職)、課が変われば、一からその分野の勉強をし業務に就くという、まるでカメレオンのような仕事をこなしているわけです。それを「大変だけど、楽しい!」と言える伊藤さんは、やはり順応性の高いしなやかな女性だと思います。だから、今バラバラに離れて暮らす家族のあり方も良い方向に動いていくと思います。ラグビーW杯開催まで約1ヶ月ちょっと。大会開催の裏には、伊藤さんをはじめ、たくさんの縁の下の力持ちがいるということに感謝して、一生に一度の経験を楽しませていただこうと思います。大会開催の成功を心より祈っております!」