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2019.11.19

子どもが生まれて初めて
「地元に就職して良かった」と実感しました

中津留香織さん

今回のママ:
中津留香織さん・40歳・大分市出身・大分市在住
(3歳の一女の母)

今回は、“おおいた働く女性応援プロジェクト”「Woman NEO」で、私たちと共に本プロジェクト実現のため力を注いでくれている、大分合同新聞社マーケティング総括局営業部課長の中津留香織さんのストーリー。

37歳で出産。
体調不良に悩まされた産休明けの復職

女性には、その後の人生を大きく左右する選択を迫られる時がある。結婚、出産を経て、自分が進むべき道は?と悩み、そして迷う。人生の岐路に立たされ、子育てに専念したいと仕事を一旦辞める人、仕事を続けキャリアを積む人、人それぞれに十人十色の選択肢がある。

今年4月、大分で働く女性たちを応援しようと、ママのままプロジェクトと大分合同新聞社が連携して「Woman NEO」を立ち上げた。結婚、出産を経てもなお仕事を続けてきた女性たち、そしてこれからその時期を迎えるであろう20代、30代の若い女性たちが、それぞれのライフステージに応じたキャリアデザインを学び、モチベーションアップのために学べる場を提供したいという思いで臨んだ。プロジェクトの実現化に向け、大きな力を注いでくれた心強い存在が、今回紹介する大分合同新聞社マーケティング総括局営業部課長の中津留香織さんだ。

創業133年を迎える大分合同新聞社は、大分県唯一の県紙(一般新聞・業界新聞や地域新聞は含まず)として、県内の就職人気企業ランキングで常に上位に名を連ねる人気企業だ。マスコミ業界に憧れを抱き、就職試験を受けた経験があるという人もいるのではないだろうか。かくいう私もマスコミ業界に憧れ、タウン誌の編集業務に16年間関わった。入社したのは今から約30年前。当時を振り返ると、やりがいのある仕事である反面、今では考えられないような過酷な業務内容だったな…と思い出される。実際、新聞社の仕事はどうなんだろう?男社会というイメージが強い業界で、女性が働く環境は?素朴な疑問がたくさん湧いてきた。



「取材されるという経験はなかなかないですよね」と、取材に応じてくれた中津留さん。2002年に大分合同新聞社に入社し、今年で足掛け18年目の勤務になる(途中1年半は育児休暇を取得)。スレンダーで、とても落ち着いた雰囲気の女性だ。入社当初から営業部に配属され、以来ずっと新聞紙面の広告営業や広告企画などの業務を担当している。2016年に結婚・出産を経て、約1年半の産休を取得した後、復職を果たした。

「うちの会社は、産後最大で2年間育児休暇を取得することができるんです。私は11月に出産したので、ちょうど1年半後の翌年4月に復帰しようと、住んでいる大分市中心部の保育園を希望して申請したんですけど、当初は全部落ちてしまって…。市内中心部は競争率が高いとは聞いてはいたんですが現実はやはり厳しかった。それで、無認可の保育園を含め再度探していた時に大分市から電話をいただき、急遽転勤になった人が出たので、と希望の保育園に入園することができたんです。正社員で育児休暇中だったので、待機していた人の中では優先順位が高かったんだと思います。待機児童問題真っ只中の中、本当に運が良かったですね」。

37歳で出産を経験し、産後から約1年間ぐらいは体調を崩すことが多かったそう。「子どもが保育園に行き始めて、熱を出したり風邪を引いたりすると、私も全部もらってしまって。ずっと咳が治らなくて、肺炎になってしまったこともあります(涙)。37歳で出産…というのもあったのかもしれないですけど、体調が全然元に戻らなくて。あの頃はすごくきつかったですね…」。

子どもの体調ばかり気にして、自分のことはつい後回しになりがち。一度もかかったことがなかったインフルエンザになったりと、本調子になるまで時間がかかったそう。女性なら誰もが「わかる~」と共感する通過点、というか子育ての洗礼儀式でもある。現在、復職を果たして約1年半が経過した。子育てと仕事の両立という新しい生活サイクルに、やっと体も慣れて馴染んできた、と中津留さんは話してくれた。

中津留香織さん

男性が多い職場だけど
理解ある働きやすい環境です

復職後、仕事に慣れるまでの戸惑いなどはなかったのだろうか?

「部署も変わらず、部署内のメンバーも変わってなかったので、仕事に戻ることへの抵抗は全くありませんでしたね。私がいる営業部は男性社員が多いのですが、女性が働く環境としてはとても恵まれていると思います。社内には、イベント事業部や編集部、事件や事故などを取材する記者さんなど、いろんな仕事があるので、それぞれの部署で状況も異なるとは思いますが…。営業部内には女性が3名いますが、1人は2人のお子さんがいるママ。産休を取得中の女性も1名いますし、産休で抜けた穴はみんなでフォローしあって埋めています。私も多忙期の10月から産休に入ってしまって申し訳ないなという思いもあったんですが、それに対する後ろめたさもなく、むしろ祝福ムードで送り出してくれる雰囲気なんです。奥さんも働いているという共働きの家庭も多くて、男性社員も『今日は奥さんがどうしても仕事を休めないので、自分がお休みをもらいます』って、そういうのが言いやすい環境。働き方改革の取り組みの強化もあって社内でのチェックも厳しくなったので、子育てしながら働きやすい環境が整ってきたなと感じています。以前は、営業がらみのイベントなどが土日に入って出勤する状況もありましたが、今ではアルバイトの方にお願いすることで、できるだけ休日出勤しないでいい工夫も図られています」。

社内には、契約社員、正社員、それぞれに合った様々な働き方をしている女性がたくさんいると中津留さん。給与体系の違いはあるが、育休、産休制度は同じ条件で取得できる。

「当社で働いている女性は、ご主人が遠くに転勤するなど、いた仕方ない理由以外で結婚を機に仕事を辞める人は少ないような気がします。長年働いている女性も多いですし、ほとんどの女性は育児休暇から復職する道を選んでいますね。きっと女性が働きやすい職場なんだと思います」。

中津留香織さん

主人、そして両親のサポートなしで
今の私はありえない

基本、朝は9時に出社し、17時に退社するという勤務時間だが、実際17時で仕事を終えるのはなかなか難しいようだ。

「結局、色々してたら18時くらいになりますかね。毎日があっという間で、時間が足りません。昼間はバタバタしているので、本当はコーヒーを飲みながら、一日の仕事の整理をして次の日に備えるという、デスクでゆっくり考える時間も欲しいんですけど、現実は18時になったら慌てて帰る感じです。うちは主人がお店を営んでいるので夜は家にいませんが、保育園に子どものお迎えに行ってくれるので本当に助かってます。急な残業や、どうしても仕事をしたい時も主人がいるので安心です。帰宅後は、晩御飯の支度から、家事、お風呂、子どもとの時間も過ごして、結局添い寝して一緒に寝るという毎日。私の両親が近くにいるので、何かあった時は頼れる存在もいます。もし近くにいなかったら、今私はこうやって仕事できてないなぁと思いますね。サポートしてくれる存在がいるのは、本当に心強いです」。



福岡の大学を卒業後、実は東京での就職を考えていた中津留さん。広告代理店を何社か受けたが残念ながら採用に至らず、最終的に地元での就職を決めた。

「東京で就職して、東京で暮らしたいという憧れが強かったので、正直、大分に戻ってきてよかったと思うことって今まであまりなかったんです(笑)。だけど今となってみたら、地元に就職して結婚して、出産して、改めてここで本当に良かったなって思っています。両親のサポートがなかったら、子育てしながら働く毎日は、ストレスでしかないかもしれない。だから、結果オーライだったなって」。

地元の企業で、子育てをしながら働く女性の一人として、これからも「Woman NEO」を通じて、多くの女性たちの背中を押す存在になって欲しいと感じた。まさにリアルターゲットでロールモデルのような存在の中津留さんがこのプロジェクトに関わってくれていることが心強い。彼女のように、子育てをしながら働くことで一層の輝きを増す女性が、大分にたくさん増えますように…と願って。

中津留香織さん

この記事のライター:安達博子

私たちが若かりし当時も今も、大分合同新聞社に入社するなんてことは難関中の難関。狭き門でした。激戦を勝ち抜き、正社員としてめでたく入社を勝ち取った中津留さんは、やっぱり選ばれし人。静かな物腰の中に凛とした強さを持ち、こちらの質問に的確に無駄のない返しをしてくれる会話の端々から、仕事ができるかっこいい女性なんだろうな…と感じました。そして、男性社員が多いにも関わらず恵まれた職場環境がとても羨ましく感じました。これからもどうぞ「Woman NEO」を一緒に盛り上げていってください! 今後とも末長くよろしくお願いします。

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