MAMA STYLE様々なママの様々なスタイルを
ご紹介します

2020.09.08

子育てのストレスは仕事で
仕事のストレスは子育てで発散しています!

宮﨑麻優さん

今回のママ:
宮﨑麻優(まゆ)さん・30歳・臼杵市出身・臼杵市在住
(小学校3年生、1年生、幼稚園年長の二男一女の母)

往復約2時間をかけ、毎日、臼杵市から大分駅近くにある「トランスコスモス(MCMセンターおおいた)」に通勤している宮﨑さん。30歳という若さで、新たに立ち上がった事業所のスーパーバイザーとしてチームを牽引している。シングルマザーとして3人のお子さんを育てつつ、仕事も子育ても楽しんでいるキラキラした彼女。そのパワーの源は?

離婚を経験しシングルマザーに
再就職先は通勤時間片道1時間

おじゃましたのは、今回取材させてもらった宮﨑さんの職場。大分駅からほど近い「トランスコスモス(MCMセンターおおいた)」。ちょっと長くなってしまうのだが、宮﨑さんの肩書きは、その中のDEC・DCC九州本部おおいたグループMCMセンターおおいたELC事業所スーパーバイザー。東京の渋谷に拠点がある大企業で、大分では約300名の方がそれぞれのチームに分かれ、働いている。そもそも、どんな会社かというと、例えば何かの商品を購入した際、お客様窓口という問い合わせ先が記載されている。電話、LINE、ファックス、ウェブ、チャット、メールなど、お客様との接点となるデジタルチャンネルを使い、あらゆる業種に適したラインナップで、商品、サービスなどの問い合わせに答えるデジタルコミュニケーションサービスを提供している会社なのだ。宮﨑さんは、実際に電話対応を行うコミュニケーターさんたちが困ったときや質問などへの対応、クライアントさんへの報告事項を伝える役割を担い、現場の管理や、スタッフを指導する立場にいる。前置きが長くなったのだが、こんな企業が大分にもあるのだと、まずは知っておいていただきたい。

コロナ感染症が一旦落ち着きを取り戻しつつあった7月中旬。暑い中、初対面はマスク姿になったが「緊張してます」と言いながら和やかな雰囲気でご挨拶。そこからは、友達とお茶する感じで笑いの絶えないざっくばらんな取材がスタートした。



臼杵市の港町で生まれ育った宮﨑さん。「すごい田舎の漁師町で、遊ぶところもないし、やることがなかったので(笑)」という理由で、中学生から高校生にかけて、なんと11種類もの資格を取得! 

「知らないことを知る事や、学ぶ事が好きだったんです。外の世界をもっと知りたくて、いろんな勉強をしました」。資格マニアになった宮崎さんが次に注目したのが美容業界。お母さんやおばあちゃんにメイクをしていた時「もっとメイクのことを知りたいと!」と思い立ち、高校卒業後に大分市内の百貨店で化粧品の美容部員として働くことに。約1年間勤務し、20歳で結婚を機に退職。その後、赤ちゃんを授かっていたので、臼杵市にあるご主人の実家に同居し、出産、子育ての時間を過ごす。お子さんが1歳になるタイミングで、地元の唐揚げ屋さんにパートとして就職。産休を取りながら3人の子どもを出産し、約4年間、そのお店で働くことに。

「主人は家にいてほしいというタイプだったので当初は反対でした。子育ては楽しいけど、周りの大人と喋る機会もなくてどこか孤独だったんだと思います。周りの友達もまだ結婚してないから、置いてけぼりみたいな寂しさもあって、外に働きに出たいという思いが強かったですね」。



一番下のお子さんを出産した際に新生児仮死で産まれ、しばらくはお店をお休みすることになった。「少人数でお店を回してたので、休みが多くなって迷惑かけるから働き続けるのは難しいなと思ってたんです。それに私自身も、パートじゃなくてもっとしっかり働きたいという気持ちもあったので別の仕事を探した方がいいかなって。実は一番下の子を出産してすぐに主人と離婚して、シングルマザーになったんです。方向性の違いもあって子育てにも非協力的だったので、一緒に暮らすのは難しいなと。一人で子どもを育てながら働かないといけないので、時間的にも融通が効く、きちんと働ける職場を探していたら、今の会社と縁があったんです」。
 
25歳でシングルマザーになり、それから3年間はバイトをしながら3人の子どもを一人で養っていた宮﨑さん。片道1時間の通勤時間がネックだったが、28歳でトランスコスモスに就職することになった。

宮﨑さんがこの転職の相談を一番最初に打ち明けたのは、実は両親でも友達でもなく、ご長男。「俺がパパになるってそれまでも私の助けになってくれた存在。だから子どもらしくないというか、ドライなんです(笑)。この会社どう思う?って相談したら、かっこいいんじゃない?って。私の背中を押してくれました」。

宮﨑麻優さん

それぞれのライフワークに合わせた勤務体制
本当にありがたい存在

臼杵からの往復2時間の通勤時間。電車内は常にほぼ満席で席にも座れず通勤しているそう。

「それでも、ここに入社できてよかったです。職場環境がこんなにいい会社は他にはないと思います。3人の子どもを一人で育てながら、しかも通勤時間もかかって、会社としてはリスクのある人材だと思うんです。でも真面目に仕事してたらそこをちゃんと評価してくれて、ステップアップさせてくれる。通勤時間を要することも加味して家庭との両立がうまくできるように、17時には退社できるよう時短勤務にもしてくれてますし、子どもの習い事の日は、それに間に合うようにと15時に退社できるよう2つのシフトを組んでくれています。私が特別なんじゃなくて、それぞれ働く人のライフスタイルに合わせて働き方を組んでくれる。私、仕事と子育てだと、絶対に子育てが優先なんです。でもそれを『それはそうでしょ』って受け入れて包み込んでくれる会社なんです」。



フルタイムで働けなくても、やりがいを見出し頑張っている人にはステップアップの道が拓けている会社。働く女性にとっては至れりつくせりの環境だ。宮﨑さんだけじゃなく、ここで働く女性たちが輝いて見えたのは、これから先の未来の自分が想像しやすい環境に身を置いている安心感からなのだろうか。

ちょうど、取材日当日に立ち上がったという新しい事業所のスーパーバイザーとして配属された宮﨑さん。ある化粧品のお客様相談窓口を担当する部署になるそうだ。取材後、チームメンバーとの初顔合わせということで、少しドキドキすると話してくれた。

「仕事は楽しいし、とてもやりがいを感じています。人とすごく繋がっている職場なので、自分にもあっているなと思います。私はオペレーターさんやリーダーの育成が主になってくるので、彼らが出来なかったことやつまづいているところが改善できて、できるようになっていく姿を見ると嬉しいですね。不安もあるけど、新しいチームのリーダーとして頑張りたいです」。

宮﨑麻優さん

「ちょっと待って」を言わない子育て
子どもたちとは対等で、いい関係でいたい

仕事と3人の子育てと家庭の両立。全てを一人で担うには重責すぎるのでは…と、端から見て思ってしまう。ストレスはないのだろうか?どうやって発散してる?

「子育てのストレスは仕事で。仕事のストレスは子育てで発散してる感じですね。そのバランスが取れてるのかも。職場には先輩ママがたくさんいて、仕事以外の話もできるので、仕事に行くことでリセットされるんですよね。プライベート空間があるカフェスペースもあって、休憩時間は一人の落ち着いた時間や職場の仲間と談笑する時間が取れて、リフレッシュできます。この職場ありきで、今の私の子育てがあると言っても過言ではないかもしれません。兄弟間でインフルエンザをバトンリレーした時は、仕事を2週間休むことになり、責任のある立場なのに申し訳ない気持ちでいっぱいだったんです。久々に出勤したら、マネージャーさんが面談の時間を設けてくれて『きっと心配してるだろうけど大丈夫だからね。子どもを育てられるのはママしかいないし、こっちはなんとかやっていけるから、そういう時はちゃんと子どもに付いててあげて』と言ってくれて…。オペレーターさんたちにも「長期間休んですみませんでした」って伝えたら、『何を言いよんの? お子さんは大丈夫?』と。信頼関係ってこういうことなんだなって痛感しました」。

同じ子育て経験者が多い職場ならではの、持ちつ持たれつの関係。“だから次は私が誰かのために”と、そんな経験をしたら思うだろう。



朝は4時に起き、夜ご飯の支度や朝ごはんを作り、子どもたちとの「朝遊び」の時間を必ず作っていると宮﨑さん。「長男からは『鬼や幽霊よりも怖い』って言われるんですけど(笑)、父親の役割もしないといけないので『怖い時は、お父さんの時』って伝えてます。子育ての中で絶対にしないと決めていることがあって。それは『ちょっと待って』を絶対に言わないこと。自分がいくら忙しくても、手を止めて話を聞くようにしてます。私の両親が共働きで忙しくて子どもながらに気を使っていた思い出があって。でもおばあちゃんは『ちょっと待って』を絶対に言わなかった。そんな小さなことで安心できるんなら、私は絶対にその言葉は言わないようにしようって長男がお腹にいる時から決めてたんです」。私より19歳も年下なのに、なんなんだろう、この懐の大きさは…。笑顔で柔らかい雰囲気の中に芯があって、地に足がついた彼女の姿を見て自分は反省しかできなかった。完全降伏です。

これからの人生設計は? 「私が43歳くらいになったら、みんな成人するので、老後はゆっくりしたいですね(笑)。今のお仕事も求められる限りずっと働いて、いずれは正社員として雇用してもらって、これまでの恩返しができるよう頑張り続けたいです。当面の目標は、新しいチームを安定させていくことですかね。ここで学んだ対人関係のスキルを子育てに活かしつつ、子どもともなんでも言い合える対等ないい関係が続くように、これからも仕事も子育ても楽しんでいきたいです!」。

宮﨑麻優さん

この記事のライター:安達博子

もしかしたら、娘でもおかしくない歳の差。なのに、取材中、学ぶことばっかりで感服いたしました。離婚してシングルマザーで3人のお子さんを育てつつ、通勤時間往復2時間をかけて仕事をして、帰ってからは子どものために時間を使い、家事をこなし…。本当に尊敬します。なのに、疲れている感じが全く見て取れず、それが不思議でしたが、全てを楽しんでいることが、宮﨑さんを輝かせている秘密なのだと感じました。常に前向き、常に全力、常にまっすぐな彼女の背中を見せることが、3人のお子さんにとって何よりの学びだと思います。今度、宮﨑さんの子育て談義を開催してほしいくらいです(笑)。私がたくさんパワーもらったな~!ありがとう、宮﨑さん。

こちらの記事もオススメです

page top