2021.07.13
今回のママ:
元吉知子さん[ベビー系教室]37歳・宇佐市出身・宇佐市在住
(小学校2年生・幼稚園年中・2歳の一男二女の母)
宇佐市、中津市を拠点に、ベビーマッサージ教室や、赤ちゃんの手形足形で作る「にじの手形アート」、赤ちゃんの胎毛で作る「ファーストカットアート」など、お子さんの成長を可愛らしい作品で残す活動をしている元吉知子さん。保育士、ベビーライフコミュニケーター、バリニーズオイルマッサージセラピスト、体質改善アドバイザーなどの資格を持つ。出産後、子育てをしながら仕事に復帰したいという葛藤を抱えながら、一歩ずつ前に進んでいる知子さん。そのリアルな姿は、多くのママたちに勇気を与えてくれるはず。
大分市内から飛び出し、県内各所に住むいろんなママに会いたい!と常に思いながら「ママのままプロジェクト」の活動を続けている。そんな私達の元に一通のメールが届く。宇佐市内に住むママからだ。早速アポイントを取り、指定された場所へ向かう。知子さんが待っていたのは、風情ある宇佐市四日市の街並みに店を構える「樹豆(きまめ)珈琲」。店内には、珈琲のいい香りが充満していた。
「初めまして」。パステルカラーをまとっているような柔らかい雰囲気で、年齢よりも随分と若く見える知子さん。それぞれに好みのコーヒーをオーダーした。ハートのラテアートが描かれたカフェラテが運ばれ、その可愛らしさにテンションが上がる。
地元に戻りすぐに、バリ式マッサージのお店を出店。開店して2年目の年に結婚、翌年にはお子さんを授かり、出産後は育児休暇を取るつもりで一旦お店をお休みにすることに。
「出産も続きタイミングを逃して、なかなか再オープンできないままでした。仕事に復帰できないもどかしさで、ずーっと心がモヤモヤしてて…。産後、私の体調もなかなか元に戻らず、子どもを保育園に預けてまでがっつり仕事するの?という気持ちもあってなかなか踏み出せなかったんです。主人は朝早く出勤し、帰りも夜が遅い多忙な人なので、ほぼワンオペ状態。そんな状況で、仕事と育児、家事の両立ができる自信もなかったんですよね。時間も空いてしまったので施術の技術的な不安もあったし…。2人目も欲しいなと思ったら、復帰してもすぐまたお店をお休みにしなきゃいけないなとか、いろんなことを考えていたら踏ん切りがつかないんですよね。28歳で出産して以来、7年間はそんなモヤモヤしたまま専業主婦として子育てに専念していました」。
小学校・中学校・高校時代は、全国大会に出場する強豪校でバレーボールに打ち込んだ知子さん。中学時代には全国2位の成績も収めた。
「バレーボールや仕事を通して、努力すれば結果がついてくる、頑張れば叶うということを経験しました。でも子育てはいくら頑張ってもその結果がなかなか出ないですよね。それが本当にもどかしくて。日々忙しい主人に対してもイライラが募り、ストレスを発散する場所もなくて、人に相談したところでその言葉に自分が責められているような気持ちになるから一人で篭ってしまって…。あの頃は全てに対してネガティブでした。特に長男の時は初めての育児ということもあって、すごく辛くて悩んでた気がしますね」。
徐々に積もっていく行き場のない気持ちを、ポジティブなパワーに変えてくれたのが起業という働き方だった。
「今は宇佐市や中津市で親子教室やワークショップ、オンライン親子教室を開催しています。それと、お腹の中にいるときから生えている赤ちゃんの胎毛(髪の毛)をカットして馬の尻尾に見立てた『ファーストカットアート』と、パステルで描く『にじの手形アート』のオーダー販売、認定講座を開催するなどの活動も行なっています。ベビーマッサージは、赤ちゃんはもちろんのこと、ママ自身も癒される時間。心がとても落ち着くとママたちも実感してくれているようで、嬉しいですね」。
インスタグラム
@moko_chantii
この記事のライター:安達博子
独身時代は仕事も遊びも趣味も、全力でそこに打ち込むことができました。しかし、母親になるとそうはいきませんよね。誰もが十分承知の事実だけど、実際にその立場になると「自分の人生、本当はこうじゃなかったのに…」と、思い通りにならない自分に苛立つこともあると思います。仕事でキャリアを積んできた人も、好きなことに打ち込んでいた人も、みんな。だけど、そこでイライラし続けていても、何も変わりません。知子さんは、仕事もしたいけど子育てもおそろかにできないという葛藤の中で、新しい道を自力で見つけ、切り開いています。「案ずるより産むが易し」「千里の道も一歩から」です。その一歩を勇気を持って踏み出すか踏み出さないかで、人生が変わっていくんだと知子さんを取材してあたらめて感じました。迷っているなら、まずはやってみること! 行動すること! 自分の直感に素直になること! ママだからできないんじゃなくて、ママでもできる術はあるし、ママだからできることがたくさんあります。知子さんが起爆剤となって、宇佐のママたちが日々もっと楽しくなるようなコミュニティーが広がっていくことを願っています。