2023.10.31
今回のママ:
織田佑衣さん [フリーペーパー出版・家づくりサポート]
38歳・大分市出身・大分市在住(1歳9ヶ月の女児の母)
住宅関係の仕事から広告会社へ転職し、妊娠・出産を経て、仕事を続ける大変さを実感。「だったら自分たちで働きやすい会社を作ろう!」と『企業組合 Koa』を起業した織田佑衣さん。ママに寄り添うことをモットーに、長年構想を温めていたフリーペーパーの発行、住宅プロデュースを現在の仕事として毎日奔走している。時には、まだ1歳の娘さんと同行して営業に回り、3万部のフリーペーパーの配送を一人で行なっていた。そのパワーを生み出す佑衣さんの信念とは…。
子どもって、絶妙なタイミングで熱を出す。楽しみにしてたスケジュールや外せない仕事の時に限って、まるで嫌がらせのように(泣)。取材先に現れた佑衣さんに、保育園から娘さんが熱を出したという連絡が入った。「日程変えて、また改めてにしましょうか?」と提案すると「大丈夫です!主人が対応してくれるので」とのこと。その後すぐに、ご主人が取材先に駆けつけた。「よろしくお願いします」とご主人は足早に保育園へ向かった。連携プレイがきちんと取れたご夫妻なんだろうな…と二人を見ていて、ホッと心が温まった。
結婚後、すぐに妊娠がわかったが流産を繰り返し、赤ちゃんができにくいことがわかった。勤務していた住宅展示場はコロナ禍で閉鎖することになり、やむを得ず退職することに。その後、広告会社のパートに転職した。勤務しながら不妊治療で北九州の病院に通った。当初から不妊治療でできる最後の砦、顕微授精を行うもなかなか赤ちゃんは授からなかった。不妊治療中は様々な試練もあり、子宮外妊娠で卵巣の手術をした。治療を初めて3年、36歳のときに念願の赤ちゃんを授かった。
「最初は双子だったんですけど、次の検診で一人の心音はもうなくなっていました…。でももう一人の赤ちゃんは無事に育ち、妊娠中も特に問題もなく無事出産することができました」。
起業後まず取り組んだのは、広告会社で働いていた経験をもとに、フリーペーパーを発行すること。長年構想していたママ向けのフリーペーパーを形にした。それが「おおいたのママ・パパのためのマガジン HANAMARU(はなまる)」だ。発行して丸2年、現在12号目が発行されている。
私も長年出版関係の仕事に携わってきたので、取材をして記事を書き、校正をして出版するまでの工程の大変さを良く知っている。持参してくれた「HANAMARU」を拝見し、営業活動や誌面構成を一人でこなしているという話を聞いてびっくりした。「今はこの『HANAMARU』が名刺代わりだと思って作っています。ママたちに少しでも面白いと思ってもらえたら嬉しいです」。3万部発行し、現在は大分市内の幼稚園や保育園、子どもルーム、小児科などに配置している。「少し前までは、配送も一人でやっていました。そうしたら、私も配るよ!と言ってくれる方がたくさんいて、皆さんに配送を手伝ってもらえることになったんです」。
これからの目標や夢を聞いてみた。
「ママたちの人生に寄り添うというのが私の中のテーマ。私と同じように、子育てのことで自分も役に立ちたいと思ってるママもたくさんいると思うんです。そういう人たちの夢を、みんなで叶えたい! 一人一人の力だと叶えられないことでもみんなでやれば叶えられるし、別々の夢でも繋がっている部分が絶対にあるから。夢を叶えるまでの時間も早いと思うんですよね。この輪に入ってくれた人たちの夢を、みんなで叶えたい!。そして、そういう会社を作っていきたいし、みんなが集まれる拠点を作りたいんです!」。
様々な可能性を秘めている佑衣さんの活動。名刺がわりに発行しているフリーペーパー「HANAMARU」を核に、佑衣さんがやりたいことがどんどん広がり、文字どおり、人生の大きな〝花マル〟を描き続けている。彼女のひたむきで一生懸命な姿に心動かされ、活動に賛同するママたちが集う。そうして、今よりももっともっと大きな円(縁)が広がっていくのが想像できる。「やろうと思えば、できないことは何一つない」と、背中を押してもらった気がする。
この記事のライター:安達博子
みなぎるパワーが半端ない! 「悩んでも2時間(笑)」と佑衣さんは言ってたけど、心を痛める経験もたくさんしてきたはず。でもその経験を面白さや楽しさに変換し、突き進む力にしている。こういう人が上に立つべき人だと感じました。フリーペーパー「HANAMARU」は、紙媒体だけにとどまらず、今後大きな影響力を持つ媒体になると確信。「ママたちに寄り添いたい」という佑衣さんの純粋な想いや行動が、多くのママたちの心を動かしているからだと思います。ママのままプロジェクトとコラボしたら、面白いことできそー!!と勝手に興奮するのでした。彼女の並々ならぬ行動力は、私たちに多くのことを教えてくれた気がします。これからもたくさんのママを巻き込んで、面白いことたくさん仕掛けてくださいね~!楽しみにしてます。