MAMA STYLE様々なママの様々なスタイルを
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2023.11.28

夢を叶えた子どもたちと一緒に
いつかカンパニーを作れたら…

中山香織さん[アパレル販売員]

今回のママ:
中山香織さん [アパレル販売員]
48歳・臼杵市出身・大分市在住
(社会人23歳・大学4年生・社会人20歳・専門学校生1年生・高校3年生・高校1年生・中学2年生・小学校6年生・5年生・4年生・2年生・幼稚園年長・年少の7男6女の13人の母)

非婚化、晩婚化、結婚している女性の出生率の低下など、少子化が深刻化している現代。コロナ禍で先が見えず、社会が一変することを目の当たりにし、子どもを安心して育てられるのか…という底知れぬ不安に駆られた人も多いと思う。そんな世の中で、13人もの子どもをのびのびと育てながら、自分が輝くことも忘れない素敵なママがいた。私たち女性にとって希望の光だ。

子どもたちの成長を目の当たりにして
子育てにハマりました

一人娘を四苦八苦しながら育てている私にとって、13人の子育てをするママって雲の上の存在に近い。だって全く想像できない世界だからだ。一人一人のスケジュール管理どうしてるの?と、一人分のプリント類さえも上手に整理できないから、そんな素朴な疑問が頭に浮かぶ…。

待ち合わせの場所に颯爽と現れた香織さん。白いブラウスに綺麗なラベンダーカラーのスカートが風になびいていた。すらっとしていてスタイルも良く、想像していた13人のお母さん像とはかけ離れていてちょっとびっくりした。



臼杵市で生まれた香織さんはその後すぐに福岡へ移り、お父様の仕事の関係で小学校5年生の時に再び大分へ。地元の中学、高校を経て、福岡女学院大学短期大学部へ入学。国語が好きだったため国文学科を選択し、教員免許を取得した。卒業後は大分へ戻り、保育園に就職。高校時代のクラスメイトだった現在のご主人と結婚し、23歳で第一子を出産。出産を機に保育園を退職し、子育てに専念した。

「保育園に勤めている時、学校で学ぶのとは違い、子どもたちが成長する姿を目の当たりにして、言葉を習得していく過程に関心を持ったのを覚えています。自分にも子どもが生まれ、保育園で経験したことを実践できるので楽しくて、すっかり子育てにハマってしまいました」。

お子さんの年齢を見てみると、だいたい1歳半違い。「子どもって、1歳、2歳になると幼児に成長するでしょ。そうなると無性に赤ちゃんに触れたくなるんですよね。可愛い赤ちゃんが愛おしくて、またあの時期を見たくなるんです。結果、23歳からほぼ毎年出産していたという感じですよね(笑)」とさらりという香織さん。みんな自然分娩で出産しほぼ安産。元気に生まれてきてくれた。これはもう、天から与えられた才能でしかない!と、そう思わざるをえなかった。

社会に取り残される寂しさも感じた
子育てに奔走した怒涛の20代

そこからは完全に子育てに専念した香織さん。最初の4人目までの子育て時期が一番大変だったと話してくれた。

「4番目の子が生まれた時、第一子の長女はまだ幼稚園生。小学校に上がれば少し手が空くようになったけど、そこまでは記憶にないです(笑)。23歳で第一子を産んだので、私の20代は怒涛の日々でしたね。買い物に行く時も2人用のベビーカーに2人乗せ、買い物の荷物はベビーカーに引っ掛け、一人は手を繋ぎ、手を繋げない一人がどこかに行ってしまい迷子になる…みたいな感じでした(涙)。そこから私も学び、以降は〝この子はこういう行動をするから!〟と先手を打つことができるようになり慣れっこになりましたね。でも夕方くらいになると、私なんで子育てしてるの?…とふと思うこともあったり。周りはまだ結婚も出産もしてないから、私だけ社会から取り残されてると感じたこともありましたね」。



大家族のあるある大変エピソードで欠かせないのが、病気。昨年の夏、中山家を新型コロナウィルスが襲った。「子どもがこれだけいると、病気の種類によっていろんなパターンがあるのがわかるんですよね。コロナの時は1時間置きに一人一人がどんどん高熱を出していくんですよ。さっきまで元気だったのに?って。インフルエンザは感染してから発症するのに時間がかかるので、1週間おきに次の子に感染するって感じなんです。だから、インフルエンザの時は家族全員が完治するのに何ヶ月もかかったり(笑)。そういう意味ではコロナは次から次に感染するので完治までは早かったですよ。風邪も、高校生以上に感染するものと、年齢の低い子たちにしか感染しないものもあって。やっぱり病気されるのが一番大変かなぁ」。想像するだけで大変だ。家中、みんなが高熱で寝込んでしまうんだから…。

中山香織さん[アパレル販売員]

13人いたら13通りの人生がある
それを一緒に楽しませてもらっています

そんな大家族の中で、すくすくと元気に育っている13人のお子さんたち。ラグビーやスイミング、ガールスカウト・ボーイスカウトなど、興味の先はそれぞれ。まずは好きそうなことを体験させ「楽しい」という言葉が出てきたら習い事として通い始めるそう。現在、長子からの4人は高校を卒業し、社会人や専門学校、大学へと進んでいる。

「長女は海外で仕事をしたいとアメリカへ。教育関係の仕事を目指し大学で学んでいる子、建築関係の仕事に就いている子、自動車整備、畜産関係、海洋系…と本当に進む道がバラバラなんです。よく『将来みんなが大きくなったら〝中山カンパニー”ができるよね!』って話をするんですよね。まだ小さい子たちもそれぞれの夢に向かって何かを見つけるだろうし、そしたら家族で会社が作れそうだよねって。自分一人だったら経験できなかった世界を、子どもたちが見せてくれるから13人13様の人生を楽しませてもらっています」。

子どもたちの個性を見出し、無理強いすることなく寄り添いながらサポートしてきた香織さん。できそうで一番難しい事かもしれない。「それぞれが自立をして巣立っていくための手助けは、これからも必要だと思っています。コロナ禍を経験して、3年前には想像がつかなかった時代になったなと感じています。先読みできないからこそ、順応性のある大人に育って欲しい。今は家族というチームの中にいるけど、社会に出たら様々なコミュニティの中でチームを築いていかなければならない。今、家族と一緒にいる時間で、その力を少しでも培ってもらえたらなと願っています」。

中山香織さん[アパレル販売員]

子育てを検索するのではなく
子どもをちゃんと見て、自分なりの子育てを

23年間、ずっと母親業に徹してきた香織さん。それまでも子育ての合間を見ながら飲食店でのパートの仕事などを経験してきた。現在は、アパレルショップでフルタイムのパートとして勤務している。香織さんの持つ華やかな空気感はそれだったのかと納得。

「これまでの私の人生って、子ども一色だったなと思うし、これからもまだまだしばらくは続きます。今は子どもなしの自分を考えられないし、考えていられない。でも子どもたちが巣立った時のことを考えておかないといけない。自分の人生は自分でしか決められないから、悔いのない人生を送っていくためにまだまだいろんなことを吸収したいと思います。これまで自分磨きに注力する時間がなかったから、ファッション関係の仕事に就きました。そこから見える世界も広がると思うから楽しみたいです。昔、やってたお琴にもチャレンジしてみたいかな」。



最後に、13人の子育てを経験してきた香織さんだからこそ伝えられるメッセージをもらった。「今って、検索して子育てする時代になってますよね。それはそれで便利だしいいと思うけど、それを鵜呑みにするんじゃなくて、子どもをちゃんと見て、試行錯誤しながら自分なりの子育てをして欲しいなって思います。23年間子育てをしてると子育ての流れも時代とともに変わって、離乳食や母乳の与え方なども変化してるのを感じます。離乳食を食べる量も、おっぱいを飲む量も子どもそれぞれで違うと思うから、検索した内容に当てはまらなくてもいいと思うんです。子育てに正解はないけど、子どもをちゃんと見て、欲していることを受け取って、その子にあった子育てを見つけて欲しいなって思います」。



取材後、車を停めている駐車場までお見送りした。「小さいお子さんもいるから、しばらくはまだお子さんに手掛かりますね…」と話したら「上のきょうだい(兄弟と表現しないのが香織さんのこだわり)が父母代わりになってくれて手数も増えているから、全然手はかからないんですよ実は。私が仕事から帰るまでに分担して、お米とかお味噌汁作ってくれてるし本当に楽です」とさらっと言った。いや、本当にかっこいいよ香織さん!と、つい口に出てしまった。と同時に、一人の子育てに翻弄されている自分がちょっと恥ずかしくなった。

香織さんの雰囲気から、勝手にオシャレな車に乗るのを想像していたが、乗り込んだのは大きなバン。部活動の時に使う、あのマイクロバスのような車だった。「これじゃないとみんなが乗れなくて」と、サングラスと手袋を颯爽とはめて、華奢な体で大きな車を運転する姿に惚れ惚れした。

母は強し!こんなスケールの大きな母親にならなきゃいかん!と、香織さんと出会って、改めて思った。

中山香織さん[アパレル販売員]

この記事のライター:安達博子

書きたいことが山ほどありすぎたのに、これでもかなり端折ってしまいました(涙)。まずはご主人に謝りたい(笑)。ご主人のエピソードが出てこないですが、これだけの大家族を養っているご主人は本当にすごいと尊敬です。子育て、家事に協力的だと香織さんは話してくれましたが、一家の大黒柱として、中山家を支えている大事な存在です!お父さん、いつもありがとう!と私からも伝えたい。しかーし、家庭の司令塔はやっぱり香織さん。どの家庭も家を回しているのはお母さんだと思いますがね…。一人の時間は何をしますか?と聞いたら「誰かがいないと寂しくて、一人だと落ち着かないから、一人時間は必要ないんです」とのこと。家族のことをめちゃくちゃ愛しているのが伝わってきました。13人のお子さんたちが成長するにつれ、幸せがどんどん膨らんでいく中山家。いつかどこかに「中山カンパニー」と書いた、大きな看板を掲げる日がきますように!

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