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2024.02.27

笑顔の循環が、子どもたちの未来を
明るく照らすと願って

後藤綾香さん[フリーランス秘書]

今回のママ:
後藤綾香さん [フリーランス秘書]
30歳・大分市出身・大分市在住(保育園に通う6歳と3歳の二男の母)

「結婚・出産を経てからも仕事を続けたい」と願う女性は多い。今回取材させていただいた後藤綾香さんもその一人。高校卒業後、地元の企業に就職し会社員として勤め、結婚を機に転職。パート勤務をしながら育休を取得し育児と仕事を両立させてきた。現在はフリーランスで秘書業務を行なう仕事に就き、自分らしさが発揮できる働く形を自ら手に入れた綾香さん。子どもを持つ親として心から願う「子どもたちの明るい未来」。そのために「一人の力が、いつかは世界を変えられるかもしれない」という想いを抱き、綾香さんは行動を起こした。

正社員からパート勤務へ
出産後も働き続けることを選択

自慢じゃないが、ママのままプロジェクトを支えてくれているママアンバサダーの女性たちは、非常に有能な方が多い。「ママたちの力になりたい」という純粋な想いを胸に、当プロジェクトを精力的にバックアップしてくれている、今ではなくてはならない大きな存在だ。今回、その新メンバーとして加わってくれたのが後藤綾香さん。事前に彼女のインスタなどをチェックしていたが、これまた、できる女性だな…。

待ち合わせ場所に到着し、後藤さんとご対面。実際お会いすると、インスタで感じたできる女風なイメージとは少し違い、物腰が柔らかく、ふんわりと優しい空気をまとった可愛らしい女性だった。



転勤族のお父様の都合で福岡や日田で幼少期を過ごし、中学3年生の時に大分市へ。大分県立大分商業高等学校に入学し、卒業後は地元の建材商社に入社した。社長秘書業務や総務・経理、人事など、ひと通りの事務職を経験し4年半働いた。その後、3歳の時に体操教室で出会い、高校1年生で再会したご主人と22歳の時に結婚。「5歳で引っ越してからは会ってなくて、友人を通じて高校の時に10数年振りに再会しました。運命の出会いだと思っています」。

当時働いていた職場では、育休産休の制度がまだ整っていなかったため、結婚後に家庭を持ちながら仕事を続けるイメージが湧かずやむを得ず退職を選んだ。結婚式を終えひと段落し、コールセンターでのパート職に再就職。第一子を24歳、第二子を27歳で出産し、育休を取得しながら昨年春まで7年間勤務した。 

「働きたいという思いがあったので、専業主婦になる選択肢はなかったです。再就職先を探す時は、どんな仕事をするかというよりも、限られた選択肢の中で子育てをしながらいかに働きやすいかということを重視しました。実際に働いてみると、子育て世代のママにはとても働きやすい環境だったので、とてもありがたかったですね」。

綾香さんのお母様は、専業主婦で三姉妹を育ててくれた。「子育てに専念してくれてた母を思い出すと、逆のことをしているなって感じていたけど、私は家にずっといるのは向いてないんですよね。自分で稼ぎたいという気持ちもあったけど、どこかで社会と繋がっていたいという思いもありました」。

後藤綾香さん[フリーランス秘書]

好きなこと、得意なことを活かした
フリーランスという働き方

子どもたちが小学校に上がるまでは、子育ての先輩たちが多く働くコールセンターで働き続けようと考えていた。そんなある日、子育てを通じてのモノ選びや暮らし、社会問題について発信を続けている福岡在住の主婦・うめのあゆみさんの講演会が大分で開催され、そこに参加した。この出会いをきっかけに、綾香さんの考え方が大きく変わっていった。

「私自身、オーガニックや無添加が好きな自然派志向で、うめのさんの価値観に共感し、インスタをフォローしていました。そこでお話会のことを知りました。参加している皆さんが、私と同じような考え方を持っていたので嬉しくて。これまで、同じ価値観の方は周りにほとんどいなかったし、全国を見ても珍しいのかなと思ってたんですけど、こんなに居心地のいい場所があるんだと感動しました。その後、うめのさんが立ち上げたコミュニティー『大分子ども見守り隊』というオープンチャットに参加したのですが、コミュニティーに入っているママたちを見たら、起業したり、自分で何かをやっている人が多くて、逆に会社員は少なかったんです。私の中で、そういう仕事の選択肢は頭にはなかったんですが、好きなことをして働くママたちを見て、こういう働き方があってもいいんだ!と思えたんです。皆さんすごく輝いているし、平日の集まりにも参加できて自由だし、羨ましいなと感じるようになり、それが新しい道へ進もうと思ったきっかけでした」。



しかし、その一方で、自分で何かを作り出す才能や教室を開く力量はないと綾香さんは感じていた。そんな時、当プロジェクト主催の「ままいろフェスタ」に参加し、オンライン秘書という仕事を知ることに。「私の好きなこと、得意なことは何?」と考えていた時期だった。商社時代の秘書業務や総務・経理の仕事は好きな仕事だったと改めて気づき、この経験が活かせる!と、オンライン秘書の勉強を学び始めた。

「私も好きな仕事をして輝きたいと思ったし、もしかしたら起業したママたちの事務的な困りごとを私がサポートできるかもと、その可能性を感じ、意を決してパートを辞め、新しい道を選びました。実際、最初は、このコミュニティーのママたちの繋がりから仕事が生まれました」。

ママたちの〝知る〟きっかけを発信することで
選択肢が増える社会になったら

事務職で働いていた仕事がやっぱり好きだったと気づいた綾香さんはその仕事に再び向き合うことに。秘書業務でやりがいを感じる時はどんな時?

「経営者や事業主の方と、同じ夢に向かって伴走していける仕事だと感じます。それぞれの想いを汲み取って、その先にあるものに向かって一緒に走っていきたいんです。そこから変わっていく風景を一緒に見せていただけることに面白みとやりがいを感じます。私の中で、そのずっと先に子どもの未来や環境を見据えています。今の仕事とは直接関わりはないかもしれないけど、目指しているのは、子どもたちが住みやすい街づくりと、環境問題が少しでも改善されている未来。それはずっと自分の中で掲げていますが、一人の力はとても小さく、限界がある。だけど、今回同じ考えを持った経営者さんに出会えるチャンスがあり、世界が広がりました」。

綾香さんがフリーランスとして業務委託をすることになった「KIHARA Commons株式会社」との出会いだった。社内では、主に経理や秘書業務の仕事を行なっている綾香さん。起業家の育成・支援や経営コンサルなどに携わっている会社で、食や農業などの分野にも広げていこうと、オリジナルプロダクトを開発中だそう。この考えに感動した綾香さんは「価値観が同じことに感動して、ここで働きたい!という思いが強くなりました。土俵違いだと思っていたけど、仕事に関わっていく中で、起業家さんたちの顔つきが変わっていき、夢を実現していくプロセスを見届けられるのがすごく楽しいんです!」と、キラキラした笑顔で話してくれた。



仕事の話が続いたので、子育てへの想いを聞いてみた。「母は、自然派育児で私たち姉妹を育ててくれました。私は助産院、妹二人は自宅出産し、布おむつで育ててくれました。それが当たり前の環境だったんです。心と体が元気で、感性豊かに育つ自然派育児のメリットを実感していたので、私も母と同じ自然派育児を実践しました。夜泣きで寝れずヒステリックになったり、それなりに悩んだこともあります。性格上、すごく気にするタイプなので、うまく行かないことを自分のせいにしたり…。だけど、ありがたいことに旦那さんの強力なサポートもあり、焦らず、ゆっくりと子育てを楽しめていると感じています。それぞれに自分なりの子育てってあると思うんですが、知るのと知らないのでは大きく違うと思っていて…。世の中にはまだまだ〝知らない〟がたくさんあるので〝知る〟を増やして、ママたちの選択肢を増やせる社会になったらいいなと願っています。農家から直接買う野菜の美味しさだったり、助産院のご飯がすごく美味しかったり、そういうポジティブな情報を知ることで、そこから先に繋がることもあると思うんです。すぐに行動できなくても、私もちょっとやってみようかなって小さな行動を起こすきっかけになるかもしれません。それが大きな一歩になると思うから、私も行動を始めたんです。最近かな。こういうことを積極的に発信していこうと思えるようになったのは…。実は今までは言えなかったんですよね。完全に少数派だとわかっていたから、友達がいなくなるかもとか、居場所がなくなるかもとか、それが怖くて。だから布おむつを使ってることも言えませんでしたね」。

綾香さんには、自分の価値観を押さえ込みながら子育てをしていた時期があった。自然派育児で育った綾香さんにとっては当たり前のことだったが「意識高い系」「布おむつ使ってるんだ、すごーい」という言葉を気にしていて内にこもってしまう自分がわかっていたから。「実は人見知りで、自分を出すのが苦手だったんです。こういう話をすると両親が気にしてしまうかもしれないけど、転校生だったので周りの目をすごく気にして、できるだけ注目されないよう自分を押し殺すクセがついていたんです」。そんな綾香さんが「変えたいのなら、小さな一歩を自分で」と、具体的に行動を起こした。

子どもたちの幸せな未来のために
一歩づつ

昨年、フリーランスになって初めて、ある映画の上映会を主催した。福岡で観覧して感動し、大分の人たちにぜひ見て欲しい!と思い企画した。『カンタ!ティモール』という東ティモールの戦いの中で生きる人々のドキュメンタリー映画だった。昨年は別府市での自主上映だったが、今年の5月25日(土)に、大分市のiichiko総合文化センターでの開催が決定した。



「実はこの戦争は日本も深く関わっているということを映画で知り、衝撃を受けました。過酷な戦争を経験しているのに、子どもたちはキラキラしてたくましい。神様や農業を敬い、日本の文化や日本人らしさを再確認させられる映画で、子育て中のママや、仕事に疲れた人たちにぜひ見て欲しいです。お隣さんに醤油を借りに行ける、1時間だけ子どもを見ていて欲しいとお隣さんにお願いできる…。昔の日本では普通にあった風景。子育ての制度は充実してきたけれど、一人ひとりの思いやりで解決できることもたくさんあるのにって思うんですよね。子育てにひと段落した世代の人たちと、子育て世代の繋がりがあれば、今のママたちが救われることもたくさんあるのにとも感じます。日本人はとにかく忙しい。〝忙〟って心を亡くすって書くじゃないですか。心を無くしている人が溢れたら、世の中の流れが悪くなる一方だと感じます。私の周りで特別に大きな何かが起こったことがないから説得力はないかもしれないけど、私ができることはやっていきたい。自分一人だけ幸せになっても違うし、相手ばかりを尊重して自己犠牲の上にある幸せも違う。まずは自分が幸せになることが、周りを幸せにすることだと思っているし、その循環がきちんと巡って、ママたちが笑顔になることが世界の平和に繋がると思うんです。子どもたちの未来をプラスにしていく社会にしたいし、笑顔が循環すれば絶対に変わる!と確信があるんです。それが私の使命でもあり、夢なんです」。



ちょっとスケール大きいですかね?と、綾香さんが少しはにかみながら、潔く言い放った。世界中の誰もが願っている、子どもたちの明るい未来を守るため、有言実行している綾香さんが、私の目はすごくとても勇ましくカッコよく映っていた。初対面で感じた柔らかいオーラはそのままに…。

後藤綾香さん[フリーランス秘書]

この記事のライター:安達博子

やっぱり、うちの(ママのままプロジェクトの)ママアンバサダーさんはすごいわっ!と改めて感じた取材でした。「ママたちのために」という想いを持ち、その先に見据えているのは子どもたちの未来。本当に頭が下がる想いで尊敬でしかありません。みんなこんな気持ちを持って日々過ごしたら、大分は、日本は、世界は絶対に平和になるはず。さらに綾香さんの行動力や想いですごい!と感じたエピソードは「子育て世代の人たちはもっと政治に興味を持って欲しい!」という話をしてくれたこと。声を上げることで変わる可能性はあるから、子育てのことや環境のことに興味を持って、声を出して欲しいと話してくれました。行動しない=ゼロ=何も生まない。だけど、無理かもしれないと思っていても、行動を起こすことは、ゼロが10になる可能性を秘めているわけです。行動あるのみ! それを教えてくれたたかっこいい綾香さん。これからもママアンバサダーとして、その熱い想いを広げていってください。楽しみです!!

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