MAMA STYLE様々なママの様々なスタイルを
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2024.09.17

私が一番、私を楽しまなきゃ
NOW is the TIME!

山本真央さん [サイクルツーリズムPR]

今回のママ:
山本真央さん [サイクルツーリズムPR]
33歳・佐伯市出身・由布市在住(8歳・4歳の二男の母)

「めちゃくちゃパワフルな友達がいるんです!」と以前、当コーナーで取材をしたママから有力情報をゲット。話を聞き、絶対に取材したい!と、速攻で連絡先を繋いでもらった。現在「観光まちづくり佐伯(前・佐伯市観光協会)」の自転車活用推進事業を担当し、広報活動に励んでいる山本真央さん。海・山・川と自然豊かで、九州で一番広い町でもある佐伯市の特徴を活かしたサイクルツーリズムの推進を図りPRする、いわば広告塔のような役目を担っている。一方で、自身の趣味の延長線上で、オリジナルアパレルブランドを立ち上げ、地元の藍染や真珠とコラボしている。きっとパワフルな女性なんだろうなぁと、取材前から楽しみで仕方なかった。

憧れのアナウンサーを諦め
公務員の道へ

彼女の本業でもある、佐伯市のサイクルツーリズムPRのお仕事。毎月開催するサイクリングイベントの企画運営や、ホームページやSNSを更新し、佐伯市のサイクル情報を発信している。インスタも開設されているので事前に拝見。LINEも繋いでもらい、彼女の雰囲気もなんとなくわかったところで待ち合わせのファストフード店へ…。小麦色の肌と、はっきりした顔立ち、すらっとした長身の女性が手を振って待ってくれていた。実は少し前に、地元のテレビ番組に出演していたのを見かけ「出てましたよね??」と、ミーハーな気分で訪ねてみたらやっぱり彼女だった。佐伯のグルメ情報の紹介者として、駆り出されたようだ。

早速、ビックサイズのアイスコーヒーをオーダーし、ご挨拶。〝マドちゃん〟と書かれた可愛い自画像入りの名刺をもらった。「え?なんでマドちゃん?」「大学の時、フランス語専攻だったんですけど、その時に友達からマドモアゼルってあだ名をつけられて、そこからマドちゃんです(笑)」。面白い取材になる予感しかしない…。鮮やかな黄緑色のネイルと上下モノトーンのコーディネイトがまたとても似合っている。まだ話し始めて間もないのに、彼女の放つ魅力に惹きつけられていった。



佐伯市上浦の出身。地元の小学校・中学校・高校を経て、現在の大分大学教育学部福祉健康科学部へ進学。高校時代は、陸上の強豪校でやり投げの選手として活躍し、大分県で2位の成績をおさめた。陸上漬けの毎日だった。大学進学後も陸上を続け、1年生の春の試合で大学歴代記録1位に。「やりきった感で、なんかもういいや!って、陸上はその後すぐ辞めました。それからはダンスとバイト漬けの毎日でしたね」。

卒業後、局アナを目指し地元テレビ局の採用試験を受け、最終選考まで残ったが安定した公務員の道に進むことに。「大学時代も動画を撮ったりするのが好きだったので、マスコミの仕事に憧れはあったんです。でも親のアドバイスもあり公務員になり、22歳から8年間勤めました。だけど当初から、違うところにきてしまった…という気持ちがあって、私はこの仕事は向いてないと思い続けた8年間でした」。

仕事に就いてすぐの24歳の時、同じ職場で働くご主人と出会い結婚。26歳で第一子、29歳で第二子を出産。育児休暇を取りながら仕事を続けた。「公務員だったので最大3年間は育休産休が取得できすごく恵まれていました。育児にがっつりハマるのは性格的に無理だったので、私は1年で復帰しましたけど。でも違和感は変わらずずっと抱えていたので第二子を出産し復職したけど、仕事を辞める決断をしました。自分がいなくても社会は回るというのが、私じゃなくてもいいんやんって感じて、寂しい思いもありましたね」。

大好きな故郷を元気にしたい
自らアンバサダーを志願!

仕事を辞めた3ヶ月後、現在の職場に就職した。やっと自由の身になったんだし少しゆっくりすればいいのに…と側から見て思うが、じっとしていられない性分のようだ。「人口も減少し、故郷の上浦がいつか消えてなくなるじゃないかという危機感がずっとあったんです。私になにかできることは?と考え、『私にアンバサダーをさせて欲しい!』と上浦の役場に直談判。その数日後『うちで働かん?』と今の職場の上司から連絡があって。上浦育ちだから、みんな家族のようなもの。話がとんとん拍子に進んでいきました」。

公務員を辞め、生まれ育った町に恩返しがしたいと行動を起こした真央さん。大好きな故郷を元気にしたい!という、地元愛がとても深い。「空を見上げると星が本当に綺麗なんです。里帰りした際はいつも空を見上げてます。海はもちろん綺麗。中学は水泳部だったんですけど、午前中は部活でがっつり泳いで、部活が終わったら滝に行って、それから海に行って泳いで…という夏休みを過ごしてましたね。一日中水の中で、まさに水を得た魚のような子ども時代でした」。まるで映画のワンシーンのように、大自然の中で過ごす美しい日々が真央さんの中に脳裏に鮮明に焼き付いている。その思い出も、今の大きな原動力となっている。



現在は時短勤務でパートとして勤めている真央さん。「無理言ってお願いしたんです。通勤に1時間かかるので、週4、5日出社で、9時から15時の勤務。頑張って働くからお願い!と、すごいわがままを言って。でもそれを受け入れてくれ、今の勤務スタイルで働かせてもらってます」。

サイクルツーリズムPRの仕事は、自分から提案することも多く、様々なイベントの企画や、効果的な情報発信の方法を模索しながら行なっている。「自分で自転車に乗って撮影して、サイクリングコース体験を動画撮影して、YouTubeやSNSに配信したりもしてます。ウエイトが大きいのは月一回のイベントの企画運営ですね。50キロから100キロのコースを設定して、コースの間に休憩所を作り、そこで佐伯のお菓子や食べ物を提供するのですが、その準備や手配などもしています。フライヤーも作るので、イベントの準備に日々追われてますね。県外から参加してくれる方やリピーターも多いんです。私に会いに来てくれる人もいて、皆さんがサイクリングを通して佐伯に足を運んでくれるのが嬉しいし、やりがいを感じます。もっといろんな方にも参加してもらって、佐伯の魅力を知って欲しいですね」。終始満面の笑顔の真央さん。「自分自身が楽しまないとPRできないと思っているから、仕事がすごく楽しいんです! サイクリングの楽しさと佐伯の魅力を全力で発信したいので、自分が楽しくないと思うことは、しないように心がげています」。

山本真央さん [サイクルツーリズムPR]

強い心を持ち続ける先輩方と
関われるのも幸せ

もともと、ものづくりが好きだった真央さん。前職の育休中、自宅の庭でタイダイ染めなど、染めものをしていたそう。「大学時代、アパレルでバイトしていたのでファッションには興味があって、染め物をしたりTシャツを作ったりしていました。仕事を辞めて、また染め物したいなぁと思ってた時、地元で藍染をしてる方がいるのを知って、直接おじゃましました。工房で体験させてもらったら、やっぱり楽しくて。それで、私が考えた商品を作って欲しいとお願いしたんです。布選びから一緒に考えてもらい、それを希望の色に染めてもらって商品に仕立ててもらう。いわば、オーダーメイドのような感覚です。オリジナルのアパレルブランド『I wanna go to the beach』を立ち上げて、地元の職人さんや企業とコラボして、オリジナルのエプロンや手ぬぐいなどを作りました」。



同じ頃、地元で真珠の養殖や小売・加工を行う老舗の真珠養殖会社と縁が繋がり、早速会社を訪れた。「高品質のアコヤパール以外に、淡水パールのアクセサリーもあって、すごくそれが素敵で。社長に私に売らせて欲しいとお願いして、それも販売させていただけることに。長さなどを微調整してもらい製作もしてもらったりしてます」。

よく見ると、真央さんの首元に、二連になったグレーの淡水パールのネックレスが。「自分が身につけるアクセサリーが故郷のものって、なんかテンション上がりません?『それ可愛いね』『え?これ?佐伯の物よ』みたいな会話ができたらすごくいいなって思うんですよね。藍染工房の80代のお母さんは、毎回毎回染めるのがすごく楽しい!っておっしゃっています。真珠の養殖会社の女性社長もパワフルですごく気持ちが熱い方なんです。強い心を持ち続けるかっこいい女性、そして人生の先輩方と関われることが、本当に幸せです」。

山本真央さん [サイクルツーリズムPR]

仕事も子育ても
自分が楽しむことが一番!

仕事も楽しく、毎日がとても充実している真央さんだが、子育てで行き詰まった経験はないのだろうか。「公務員時代、仕事に行くのが嫌で通勤中に車の中で泣いたことも度々あリます。行き場のないストレスを子どもに向けたりして、そんな自分のことも大嫌いで…。次男を妊娠中、長男が何気に私を撮った動画があるんですけど、話をされても上の空で、子どもの目を見れてない自分がいるのに気づきました。当時の自分は必死だったと思うんですど。ある日、お姉ちゃんに『あんたの夢はなに?』って聞かれたことがあって。その時『ママだし、子どももいるし、夢とかないよ』って答えたんです。そしたらお姉ちゃんが『あんたの人生やのに夢がないん?めちゃくちゃダサいよ』って言われて、それで自分の人生生きてないって気づいたんです。自分が楽しまないと、子どもにちゃんと接することもできないとわかって、そこからの人生は、私が一番、私を楽しまなきゃいけない!と思えるように切り替わりました」。



自分の居場所がないと悩み続けた8年間。本当に苦しかったと話してくれたが、それも意味のある時間だったのだと思う。土の中でもがき、くすぶる自分を見つめ直せたからこそ、今、こうして好きな仕事や仲間に囲まれているんだと…。力強く元気な芽を出すための、大事な8年間だったんだと思う。



今後の展望を聞いてみた。「うーん、正直、考えてないです(笑)。先のことはわからないし、今を楽しく過ごして生きたい。時間ができた時は、大好きな絵を見に美術館を回ったり、子どもとサッカーをしてたり。そんな時間がすごく尊いと思うし私にとってとても大事。もちろん仕事も大好きです。直近の夢?目標だと、『ツール・ド・佐伯』『サイクルロゲイニングin さいき』という大きなサイクルイベントが秋は目白押しなので、開催を無事に終えることですね」。

最後に、好きな言葉を画用紙に書いてもらった。左手でスラスラと、立体的に英文字を完成させていく。〝NOW is the TIME!〟。「今がその時です!」を意味する言葉だった。今の真央さんを表現するのに、ぴったりの言葉だと思わず頷いた。

山本真央さん [サイクルツーリズムPR]

Instagram
オリジナルブランド
https://www.instagram.com/_iwannagotothebeach_/

さいきりんぐ
https://www.instagram.com/cycle_saikiling/

この記事のライター:安達博子

小学生時代、3つ上のお姉さんとおばあちゃんと絵画教室に通っていたという真央さん。常に絵があふれている家庭で育ったそうだ。真央さんが持つセンスや審美眼の鋭さは、生まれ育った環境が大きく影響しているんだろうなと感じました。彼女を一言で表現するなら「太陽」。燦々と照りつける熱い太陽が似合うし、彼女自身が太陽みたいに輝く存在。自分の直感を信じ、これからも佐伯のために、そして自分のために、家族のために、楽しいことに猛進してくださいね。サイクリングもやってみたいなぁ…。その前に、私のエプロン、結構ボロボロだから(貧乏くさい)藍染のエプロン欲しいなぁ。

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