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2025.10.28

Wワークという新しい働き方を確立して
ママたちを近くで支えられる存在に

宇留島彩華さん[看護師 ・ベビーマッサージ・ベビーフォトグラファー]

今回のママ:
宇留島彩華さん
[看護師 ・ベビーマッサージ・ベビーフォトグラファー]
35歳・宇佐市出身・大分市在住(8歳・6歳・3歳の三姉妹の母)

これまでも何人かの看護師さんを取材してきた。現役で頑張っている人、辞めてもなお看護師の資格を活かした活動をしている人…。一人ひとりに共通して言えるのは、芯があってとても勤勉で意欲的だということ。今回取材させてもらった宇留島さんもその一人。現在、看護師としてパートで働きながら、ベビーフォトグラファーを目指し、目下勉強中だ。出産を経て働き方に悩みながら、自分の道をコツコツと切り開いてきた。

母と同じ看護師の道へ…
養護教論を目指し何度もチャレンジ

「ママのままプロジェクト」に関するイベントの取材に訪れるたび、記録用の写真を撮っている宇留島さんを度々見かけていた。静かな佇まいだけど、どこかに芯の強さを感じる女性だった。


宇佐市出身。地元の高校を卒業後、山口大学医学部の看護科に進学。「シングルマザーで看護師だった母の背中を見て育ちました。だから、看護師の道を選んだのは自然な流れだった気がします。でも、本当は保健室の先生になりたくて。私イベント好きなので、修学旅行に一緒についていけるのがいいなって思って。なので、山口大学を卒業後、岡山大学で1年間、養護教論の勉強をして資格を取りました」。しかし保健室の先生になるためには、養護教論の資格にプラスして教員採用試験に合格しなければならない。岡山大学を卒業後、山口へ戻り、小児クリニックで働きながら教員試験の勉強を続け、教員採用試験に何度かトライしたが結果は不合格。でも諦めなかった。

大学卒業後、同じ山口大学の検査学科で学んでいた一つ下の同郷のご主人と出会い、ご主人の大学院卒業と同時に25歳の時に2人で大分に戻った。その後結婚し、小児科の病院に就職。現在も小児関係の仕事を続けている。その間、27歳で第一子、29歳で第二子、32歳で第三子を出産し、産休、育休を取得しながら仕事に復帰した。「産休、育休もきちんと取らせていただきました。子どもの行事を優先して休暇もいただけるし、すごく働きやすい環境です」。


長女出産後の育休中、教員採用試験合格を目指し、予備校に通ったこともあった。「子どもを一時預かりにお願いしながら学校に通ってました。頑張ったけど、保健室の先生は競争率が高かったから難関で、何度か受けたけどダメでした。ちょうどその頃から小児医療への興味も湧いてきてやりがいを感じるようになっていたので、その世界で生きていくと決めました。やるだけのことはやったので諦めがつきましたね」。 

小児の現場はお子さんはもちろんだが、お母さんとの関わりも大きい。子どもが病気になると不安になるが、看護師さんの優しい声かけで、安心できた記憶がある人も多いと思う。「自分の子育ての経験が生かされる仕事だなと思うんです。子育ての悩みを聞くこともあって、その時は3人の娘を育てた経験からいろんなアドバイスができるんです。自分の経験に、看護師として専門の知識をプラスしてのお話ができる。ママたちがそれに共感して安心できたり、『ありがとう』と言ってもらえると、この仕事をやっててよかったなと思いますね」。

子どもとの時間を優先しパート勤務に
そして出会った新しい世界

つい最近までは夜勤もこなしていた彩華さん。同じ医療関係のお仕事をしているご主人とシフトを合わせながら、夜勤の際はご主人が子どもたちの世話をしてくれた。現在は、子どもたちとの時間を大切にしたいと、パート勤務に切り替えた。

「長女が小学校に上がるタイミングで働き方を変えました。言葉を発するのが遅いなと気にはなっていたんです。仕事柄、多くのお子さんを見てきているのでわかるんですよね。診断名はつかないけど、コミュニケーションが苦手だったり、周りがよく見えていなかったり、グレーゾーンなんです。車にぶつからないかとか心配で、小学校1年生の時は毎日学校の近くまで送っていました。仕事をしながら子どもたちに向き合う余裕がなくなってきてイライラして、長女との関係がだんだん悪くなっていったんです。そんな時、上司に相談したら『この時間は取り戻せないよ』と言われて…。子どもたちとちゃんと向き合うために、9時から17時までの週3日のパート勤務にシフトしました」。


子どもたちが幼いころ、通っていたベビーマッサージ教室の先生が撮ってくれた写真に感動し、カメラを握ることに…。これが、彩華さんが写真を始めるきっかけになった。「長女を撮ってもらった写真がすごく素敵で『いいなぁ、私も写真撮ってみたいなぁ』と思ったんですけど、カメラが高額だったので諦めて…。2人目、3人目の時も同じ教室に通い、その時も写真を撮ってもらったんです。それを見て『やっぱりいいな』って諦められなくなって。3人目の時、きっと最後の育休になるから何かを始めたい!とずっと考えていたんです。育休中って、社会から取り残されてる感じになるんですよね…。その気持ちを払拭させたい気持ちもあって、まずはママたちと関われるきっかけづくりにもなるベビーマッサージの資格を取得しました」。


その後、思い切ってカメラを購入し、写真の勉強も始めることに。「最初は、自分で素敵な写真が撮れたらいいなぁ…という感じだったけど、資格があるのを知って、今は資格を取得するために目下勉強中。課題でもあるモニターの撮影を40件ぐらいしたかな? 仕事もしつつ、休みの日に撮影しながら…という感じで大変ですけど、写真を見て喜んでくれるのがすごく嬉しいんです」。

看護師もベビマ・写真も同じ熱量で
働き方の選択肢を広げられる存在に

常に何かを学びたいという意欲を持ち続けている彩華さん。看護師・養護教員の資格、教員採用試験、ベビーマッサージ、カメラ…と色々なことに挑戦し続けてきた。「インプットばかりでアウトプットが苦手。インプットしたものはいつのまにか消えてるんですけどね(笑)」と話していたが、全ての経験は、きっと今に繋がっているはずだ。

撮影したたくさんの写真を見せてもらった。彩華さんが撮った写真はとても優しく、お母さんや赤ちゃんたちがキラキラと輝いていた。これからはベビー専門のフォトグラファーとして活動していきたいと彩華さん。看護師とベビマ+フォトグラファーの顔を持つママって、あまり見たことのない新しい働き方だ。「看護師とフォトグラファーやってます」って、なんかかっこいい!


「臨床の場で仕事をしていると本当に忙しくて、話を聞いて欲しそうなママたちがいるのにゆっくりきいてあげられなくて。もう少しゆっくりした環境でママたちと関れる場所があったらいいなとずっと考えていました。私なりの育児支援を、ママの近くてしたかったんです」。


その思いが形になり、昨年4月に『nico sketch(ニコスケッチ)』という屋号で、フォト教室とベビーマッサージを開業した。「今はたくさんのつながりを作りたいと思って、ままいろフェスタのスタッフに参加したり、月に一回、別府に産後ケアのお手伝いにも行ってるんです。自分から新しい場所に飛び込むのは勇気が必要だったけど、今はたくさんのママたちと関わって、いろんな刺激をもらっています!」。

今後の目標は? 「Wワークしてます!と胸張って言えるよう、看護師と同じくらいの熱量で、nico sketchを盛り上げていきたいです。働き方に悩んでいる看護師のママも多いんです。成功して、こういう働き方の選択肢もあるよって言えるよう、頑張りたいです!」。

宇留島彩華さん[看護師 ・ベビーマッサージ・ベビーフォトグラファー]

この記事のライター:安達博子

笑顔がめちゃくちゃ可愛い彩華さん。文章にも書いたけど、一見静かな佇まい…なのに中身は熱い女子。私、そういう女子、大好きなんですよね。出産後も養護教論を目指し、何度も何度も教員採用試験に挑み、結果、夢は叶いませんでしたが、その負けず嫌いなところも、勉強熱心なところも、本当にかっこいいと思います。「育児は夫婦でする!」と旦那さんに宣言し、現在は協力的なご主人と、家事も子育ても一緒に楽しみながらやりくりしている感じがまた素敵な家族だなぁと感じました。彩華さんのフィルターを通して、赤ちゃんたちがどんな表情で写真に収められるのかとても楽しみ。やることがたくさんあって忙しそうですけど無理せず、目標に向けて頑張ってくださいね! まずは名刺作りからだね(笑)。これからも会うことが多いと思いますので、よろしくです。

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