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2021.09.28

子どもの可能性を拡げる
スポーツが持つ大きなチカラとは

オー!エス!OITA SPORTS

オー!エス!OITA SPORTS編集長 柚野真也さん

大分県のアスリートを応援するWEBメディア『オー!エス!OITA SPORTS』。プロ・アマチュア問わずアスリートの熱戦や競技への想いを捉え、発信を続けている。今回は長きにわたり編集長としてメディアを牽引する柚野真也さんに、大分のスポーツ事情、選手育成の現状、子どもがスポーツに打ち込むことの素晴らしさなどをスポーツライターならではの視点で語っていただきました。

すべてのシーンにドラマがある。
学生アスリートの想いに光を。

―Webサイトを見ていると多様性のあるコンテンツに驚きます。具体的な編集方針があるのでしょうか。

サッカーや野球などさまざまなメディアで紹介されますが、なかなか取り上げられないマイナー競技も数多くあります。「オー!エス!」では、メジャーな種目だけではなく、新興スポーツや競技人口の少ない種目もピックアップするようにしています。高校生はもちろん、小学校や中学校でスポーツに励むネクストアスリートにも注目していますね。

―活躍している選手だけでなく、子どもたちが競技に向き合う姿勢やバックボーンが取り上げている印象です。

たとえ好成績を残せなかった人でも、そのプロセスにはしっかりとドラマがあるので、有名選手だけでなく頑張っているアスリートすべてに注目したいという強い想いがあります。プロスポーツと比べると、高校生の部活では競技にかける「想い」が全然違います。練習中や試合前の控室、試合後…すべてのシーンに言葉にできない感動がありますから。



―スポーツに励む子たちと接していて感じることはありますか?

真面目な子が多い印象ですね。インタビューをすると「親に感謝です」「今まで支えてくれた人のおかげ」など、そんな声が多く聞かれます。自己主張が強いタイプではなく、周囲との関係性を大切にできる子が増えている気がします。

―「オー!エス!がスタートしてから今まで、取材のスタンスや仕事に向き合う姿勢などに変化はありますか?

私自身、スポーツライターとして10年以上のキャリアになりますが、はじめの頃とは取材のスタンスが変わりましたね。選手の悪い部分や欠点を探さなくなりました。若手選手や学生アスリートを取り上げるなら、批判するのではなく、アスリートの良い部分にフォーカスして伸ばしてあげたいと思っています。

オー!エス!OITA SPORTS

フェンシングやライフル射撃、高飛び込み、
大分にいながらオリンピックを目指せる種目も

―スポーツを取り巻く状況はいかがでしょうか?

人口減少や少子化の影響で子どものスポーツ人口は少しずつ減っています。昔は「子どものスポーツといえば野球かサッカー」というイメージでしたが、各学校ごとの少年野球チームは団員不足などにより少なくなっています。その一方で個人種目や少人数で行う種目の競技人口が増えていますね。高校の部活では、野球部やサッカー部に入部する子は年々減っている反面、バスケットボール部や個人競技の部員は増えているようです。

―大分県は、スポーツ振興に積極的に取り組んでいる印象があります。

国体での活躍を目標に掲げているので、やはり小さい頃からアスリートとして育成したいとの想いが強いと思います。トレーニング方法や身体のメンテナンスも含め、指導者もすごく勉強をしています。大分にはトリニータをはじめとするプロチームも多く、中学で部活に入る子とスポーツクラブに所属する子の比率が半々ぐらいになりました。トリニータの場合、小学生向けのスクール、U-12、U-15、U-18など細かく分類され、しっかりとしたピラミッド型の構造で育成しているのが特長です。ハンドボールも、ずっと強豪チームを作ってきた監督がまだまだ現役指導者として活躍しているので、小学生からでも本格指導が受けられます。日本一を目指すことも十分可能です。



―どんなスポーツに取り組むのか。選択肢も多くなってきましたよね。

かなり多様ですね。私も知らない競技もあるほどです。大分県でも体操、フェンシング、ライフル射撃、カヌー、ウインドサーフィン…珍しい競技を気軽に習うことができます。自分が夢中になれる競技に出会えれば、全国大会、国際大会に出場することだって可能です。競技人口が少ない種目であれば可能性はさらに高まります。オリンピックで注目を集めたスケートボードのための「T-WAVE」や、フェンシング場やライフル場など、ハード面も整ってきました。

―柚野さんのイチオシ種目はありますか?

ライフル射撃やフェンシングは面白いと思いますよ。ライフル射撃であれば、大分市役所所属の磯部直樹さんはオリンピックのコーチを務めたほど。第一線で活躍するプロアスリートに教えてもらうことができます。飛び込み競技も注目競技のひとつです。「別府市営青山プール」には飛び込み台があり、トレーニング施設も充実しています。屋外なので夏場しか競技はできませんが、別府には高飛び込み競技のクラブもあります。競技人口も少ないので、確実にインターハイを目指せる競技と言っても良いかもしれません。フェンシングは、大分市大津地区に大きなクラブチームがあり、その他にも4~5箇所ぐらいあるようです。こちらもオリンピック出場が期待できます。

オー!エス!OITA SPORTS

スポーツで汗や涙を流した経験が
社会に出てからきっと役に立つ

―子どもがスポーツをするメリットは何だと思いますか?

身体を動かすことによって筋肉や身体の使い方を覚えることができます。サッカーではフィールド感覚を掴むことができますし、野球では空間把握能力が身につきます。小・中学校で取り組んでいる競技で思うような結果が出ない時は、思い切って種目を変えてチャレンジするのもアリだと思います。幼い頃はたくさんのスポーツに親しんでほしいですね。

―現在はどのような指導スタイルが求められているのでしょうか。

今は怒鳴って厳しく育てる時代ではなくなりました。どれだけ選手に気持ちよくプレーさせるか、どう目的意識を持たせることができるのかが重要です。その2つを実践できるのが良い指導者だと思っています。最近は、大分工業高校ウエイトリフティング部の梶原先生の指導法に注目しています。初めの1年間はみっちり指導し、2年次からは自分で練習メニューを考えさせてやる気をアップ。目標をきっちり設定し、ゴールに到達する方法を学生自身で考える主体的な練習を取り入れています。指導者が答えを教えるティーチングと違い、選手自身が答えを導くコーチングによるアプローチを行うことで、高いパフォーマンスを発揮することができます。



―子どもが何かスポーツに興味持ったとき、親として心得ておくことはありますか?

練習や大会の送迎など、親の協力が欠かせない部分も多いですよね。特に小学生のチームなどは親の負担が大きいかもしれません。だからこそ親が一緒に楽しめるかどうかを考えてみると良いかと思います。また、スランプ中の声かけや、辞めたいと言われたときにどうサポートするのかも大切ですね。

―スポーツの経験は将来どのような場面で役に立つと思いますか。

何かに一生懸命に取り組んだ経験は、社会に出てからも必ず役に立ちます。目標に向けてトライアンドエラーを繰り返して結果を掴み取る達成感は学生のうちに味わってほしい。仮に試合に出られない補欠メンバーだったとしても、選手になれない悔しさや苦しみなどを味わうことは大きな経験となります。まず、現実を受け入れ、自分に何が足りないのかを自分で考える。社会に出てから、思い通りにいかないことはたくさんあります。若いうちからその辛さや挫折感を味わうことができるのもスポーツの場だと思っています。競技を通して逆境や困難を乗り越える力が身につくのではないでしょうか。さまざまな部分で成長のきっかけを与えてくれる。それがスポーツの魅力だと思っています。

オー!エス!OITA SPORTS

オー!エス! OITA SPORTS
https://os-oita.com/

オリンピック・パラリンピックを目指す「シンケンアスリート」
https://shinken-oita.jp

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