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2024.06.27

家族みんなの幸せのために、
子育て中から考えたい終活

株式会社ファイン

茶屋元崇喜さん (株式会社ファイン)

「家族の絆、地域の絆を大切に」をコンセプトに、葬祭事業や仕出し事業など幅広く事業を展開している「株式会社ファイン」。大分市金池にある「コレジオ大分」内にある終活サロン「BunGO!発信コレジオ」には、相談窓口も運営しています。社会福祉士や看護師が相談に乗る「おひとりさま相談室」も新たに開設されました。今回は、社会福祉士として、終活にまつわる正しい情報の発信に取り組んでいる茶屋元崇喜さんに、子育て中の今のうちからママたちに考えておきたい終活について聞きました。

終活に早すぎることはない。
目を背けず前向きな準備を

―終活というテーマは、ママ世代には少し早いような気もしますが。

私たちは、葬儀や仕出し事業、さらに終活支援事業を展開してきたことで、ご本人や家族と関わる時間が多くなってきました。確かに、「終活=シニア世代」のもので、子育て真っ最中のママたちが自身の葬儀や終活のことを考えるのは早いと感じる人もいるかもしれません。しかし、人生100年時代、ウェルビーイングが推奨される今、「子どもが成長し、独立したあとの未来をどう生きるのか」は一人の女性として大切な問題。終活について、元気なうちからポジティブな気持ちでとらえてほしいですね。



―子どもの問題だけでなく、いずれ親の介護や最期について考えないといけない時も訪れますしね。

そうですね。ご自身の終活はまだまだ先ですが、子育てが終わったかと思ったら、急に親の介護、葬儀の問題に直面することもあります。「まだ先のことだから…」と後回しにして何も決めていなかったら、急に親が認知症になったり、亡くなったりして、自分自身や家族が慌ててしまうケースも少なくありません。全国的に任意後見制度に関する若い人向けのセミナー「親子で学ぶ任意後見教室」といったイベントも開催されています。

―いざというときのために、早めの準備が肝心ですね。

親御さんが病に倒れたとき、いきなり遺産や葬儀の話をすると不謹慎だと感じられる方も多い。かといって、普段の会話の中ではなかなか切り出しにくいものですよね。でも、防災と同じ感覚で、いつ何があるかわからないからこそ、早めの準備が肝心だと思います。子どもの進学、親の介護、葬儀など、さまざまなタイミングが重なると、精神的にも追い込まれてしまいます。親の終活は父母の問題と、分けて考えるのではなく、自分自身のライフイベントの1つとしてとらえておくことが重要です。その観点で言えば、自身の親御さんとの会話も大切ですが、自分のお子さんとも、「家族のこれから」について話し合っておいてほしいですね。

株式会社ファイン

手軽なツールや身近なことから
“終活”をもっと身近なものに。

―毎日忙しく過ごしていると、将来のことは後回しになりがち。まず何からはじめれば良いのでしょうか?

子育て中のママは日々忙しく、数年先の未来のことは考えていたとしても、何十年先のことを想像することは難しいと感じる人も多いはず。そもそも知識もないため、何から始めて良いかわからない人がほとんどでしょう。そんな方に向け、ファインでは、イラストで分かりやすく終活におけるいろんなポイントを解説する「Happy Ending サービスカタログ」といった、手軽に終活について学べるツールをご用意しています。私たちは、予想できないことに対して不安を抱きます。漠然とした不安があるからこそ、“今何ができるのか、何がしたいのか”を具体的なケースをイメージしながら考えてほしいですね。



―近年、社会問題にもなっていますが、将来“おひとり様”になるのではないかという不安もありますよね。

子どもがいるから将来おひとりさまにはならないと思う人も多いでしょう。夫婦が一緒に亡くなることはないので、どちらかが先に亡くなり、なおかつ子どもが遠方で暮らしていれば、誰もが“おひとり様”になりうるわけです。年齢を重ねれば、介護、医療、葬儀、相続のことなど、決めることは山積み。判断能力も次第に衰えるからこそ、早い段階で「自分のより良い人生とは?」を想像する時間が大切です。ファインは、「BunGO!発信コレジオ」内に、私たちがコンシェルジュとして、将来の医療や介護、財産管理などの相談に乗りながら、支援機関につなぐ「おひとりさま相談室」も運営しています。誰もが自分らしい人生を送れるよう、しっかりとサポートいたします。

―不安や寂しさではなく、「これからのより良い人生のために」と考えれば、明るい気持ちでこれからも生きていくことができそうですね。

人生の最後に思うのは、「〜しておけばよかった」「すべきだった」という“しなかったこと”に対する後悔だそうです。だからこそ私たちは、「生きること」「老いること」「病気になること」「死ぬこと」のリスクと向き合いながら、元気なうちから準備しておくことをお伝えしています。それが幸せな人生の最期を迎えることに最終的につながっていくことを目指しています。

株式会社ファイン

家族とのコミュニケーションを促す
パパ・ママ世代向けの終活のカタチを

―終活セミナーではどのようなことが学べますか?

自己決定を促す終活支援セミナーを行っています。「ハッピーエンディングカード」というカードを使い、「今、幸せなのか」「介護をしてくれる人がいるのか」といった質問にイエスかノーで答えてもらい、バケットリストを制作します。夢や目標を明文化することで、実現させることができるのです。どれもカジュアルな質問なので、あまり重たく考えずに終活をスタートできると評判です。

―ママやパパと向けのセミナーも実施されているのですか?

実は、若い世代向けのセミナーはまだ実施したことがありません。今後は、若いファミリー世代などに向けて、講演会やセミナーなども企画していきたいと思っています。ウェルビーイングを考える家族とのコミュニケーション、終活に関するトラブルシューティングなど、明るい未来のために備えておきたいことを伝えるイベントも開催していきたいですね。



―「子ども食堂」へ寄付事業もされているとお聞きしました。

大分市明野にある常妙寺が運営する子ども食堂「明治てらこや食堂」に会葬品を届ける取り組みも展開しています。またファインでは財団を立ち上げ、自身の遺産を公益団体に寄付する「遺贈寄付」の仕組みづくりも行っています。私たちは葬儀社ですが、亡くなるときに利用する場所ではなく、子どもたちの明るい未来を描くための手助けをする会社でありたいと思っています。「直接的な援助はできないけれど、未来の若者に夢を託したい」と願う方と子どもたちとの橋渡しによって、支援の輪を広げていきたいと考えています。

―子育て真っ最中のママたちにこそ伝えたいことは?

終活に関する環境も日々進歩する中、デジタル遺言やアプリなど、スマホを使って気軽にできるようになりました。終活に関して、焦る必要はありませんが、家族で話あえる時間を今のうちから作りながら、コツコツ準備しておきましょう。

株式会社ファイン

株式会社ファイン
https://www.issa-group.jp/

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