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2024.09.25

家族のために、自分のために
今から始めよう、終活の第一歩

藤澤沙織さん

藤澤沙織さん (行政書士あなたの法務事務所)

保健師、看護師、終活ライフケアプランナーなど多彩な顔を持つ藤澤沙織さんは、大分県内で終活の普及活動を行っています。藤澤さんの取り組みの中で特に注目したいのが、ゲーム形式で人生において大切にしている価値観や死生感など、さまざまな気づきを得ることができる「もしバナゲーム」。ママ世代にとって子育てと終活、一見すると遠いテーマのようですが、藤澤さんの取り組みや言葉を通して、その2つのつながりが見えてきました。

大切な家族のために
もしものときの備えを

―多彩な経歴をお持ちですが、普段はどんな活動をしているのでしょうか?

看護師と保健師として働いた経験を活かし、現在は終活ライフケアプランナー、もしバナマイスターなどの肩書きで活動しています。介護、終活をテーマにした講演会やセミナーの開催、個別の終活相談も。夫が経営する行政書士事務所に所属しながら、相続、遺言、任意後見などの業務もサポートしています。

―終活の普及活動をスタートさせたきっかけは?

看護師や保健師として働いていたときに、多くの高齢者、そのご家族様と関わってきました。その中で、ご本人様が自分の想いを伝えることができず、思い通りの最期を迎えられなかったケースやご家族様が本人の想いを聞けておらずに悩まれるケースを目の当たりにし、終活の必要性を伝えていかなければいけないと痛感しました。しかし、世間的には終活に対してネガティブなイメージを持っている人が多く、「終活=今後どう生きていきたいのか」というポジティブな気持ちでとらえてほしいという想いのもと、終活の重要性を広める活動を開始しました。



―最近の終活に関する相談の傾向はいかがですか。

やはり高齢者からの相談が増えています。また、医療・介護従事者から、法務の面での本人、家族への対応について相談されることも多くなりました。終活は年齢に関係なく、早いうちから考えることが重要です。また、家族や大切な人とコミュニケーションを取ることが不可欠。さらに、民法や税法など法律の知識も必要です。本人や家族だけでなく、法務、医療、介護など、さまざまな分野の専門家が連携することで、包括的なサポートが可能になります。

―終活というとママたち世代は、まだ先の話だと感じる人も多いのではないでしょうか。

子育て真っ最中のママたちは、日々忙しく、「終活のことまで考える余裕なんてない!」と思う人も多いでしょう。しかし、子育ての次に直面するのは“介護”という問題です。近年、晩婚化の影響もあり、子育てと介護を同時に行うダブルケアの壁と向き合うママも少なくありません。また、自分自身の人生においてもいつ何があるかわかりません。私自身、過去に病気の疑いがあり、そのときに真っ先に考えたのは子どものことでした。「もし今、私が死んだら、家族はどうなるのだろう?」という不安で押しつぶされそうになりました。終活は、単に自分の死の準備をするだけでなく、大切な家族のために、もしもの時に備えておくもので、年齢は関係ありません。

藤澤沙織さん

ゲーム感覚の「もしバナゲーム」を
終活のファーストステップに

―肩書きのひとつに、もしバナマイスターとありますが、「もしバナゲーム」について教えてください。

「もしバナゲーム」とは、自分や大切な誰かが「人生の最後にどう在りたいか」「もしものための話し合い(=もしバナ)」をすることで、終活について考えるきっかけをつくるカードゲームです。1人でも行うことが出来るゲームですが、私は3~4人で行うことをお勧めしています。トランプサイズのカードを使い、「余命半年と言われたときに何を大切にしたいのか」を考えながら、手持ちのカードのキーワードを吟味していきます。最終的には5枚のカードを手元に残します。そのカードを選択した理由を語り合うことで、人生において大切な価値観や死生感、自分自身の「あり方」についてさまざまな気づきを得ることができます。30分程度で終わるゲームなので、手軽にチャレンジできるのも魅力のひとつですね。



―忙しいママにもぴったりですね。

そうですね(笑)。「もしバナゲーム」は、日々せわしなく過ごすママが、ほんの少し立ち止まって、これからのこと、家族のこと、自分のことを見つめ直す良い機会になります。生活環境やライフステージが変わるたびに「もしバナゲーム」で、自分のこと、周りの人たちのことを見つめ直すことで明日からの人生をよりよく生きるためのヒントを得ることができるのではないでしょうか。



―「もしバナゲーム」を通してどのようなことを伝えたいですか。

まずは、終活を考えるきっかけになると良いと思います。その中で、自分自身の生き方や、どう生きていきたいのかを深く考える時間になると嬉しいです。先日も「もしバナゲーム」のワークショップを開催したところ、辛い体験を打ち明け、自分の気持ちを言葉にすることで、心が軽くなったという方もいらっしゃいました。終活で、最期のことを考えたり、より良い生き方について考えることも大切ですが、そこから、本当にやりたいことや未来の自分を想像し、前向きな人生を過ごしていただきたいです。終活はポジティブなもの、ということを伝えたいです。

藤澤沙織さん

大切な人と未来を語り合い
自分らしい生き方を見つける

―10月12日(土)〜13日(日)に開催されるOITA Well being EXPO2024にも参加されますね。

12日(土)には、「株式会社ファイン」と「ママのままプロジェクト」とのコラボレーション企画として、「もしバナゲーム」を使った体験形式のワークショップを行います。子育て中のママ達にとって、自分の人生を見つめ直す良い機会になり、親や祖父母の終活を考えるきっかけにもなるかもしれないので、ぜひ多くの方に参加してもらえると嬉しいです。


イベントインフォメーションはこちら



―今後の目標を教えてください。

シニア世代はもちろん、ママ世代、高校生など、年齢や世代を問わず、異なる価値観や人生経験を持つ人に向け、「もしバナゲーム」を使いながら、新たな気づきや対話を生む機会を創出していきたいと思っています。また、今後もセミナーや個別相談を通じて、終活の普及啓発活動を続けていきたいです。

藤澤沙織さん

行政書士あなたの法務事務所
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