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2019.06.11

葛藤と感謝を抱きながら…。
趣味から得た子育てに対する安心感と心強さ

HAPPY SUNS MAMA BAND

山崎由美さん (ママブラスバンド HAPPY SUNS MAMA BAND団長)

子育て中のママもメンバーに多数いるブラスバンドグループ「HAPPYSUNS MAMA BAND」。保育園や子どもルームなどでの演奏会をはじめ、単独公演やコンクールなど、活動は多岐にわたる。子育てや家事、仕事の合間に集まって練習を重ね、「2018年 県吹奏楽コンクール 職場・一般の部」では、初出場ながらも金賞に輝いた。団長である山崎由美さんにブラスバンドについての話を聞きながら、“ママの趣味”にスポットを当てた。子育て、家事、そして仕事をこなしながら「趣味を持つこと」の大変さと楽しさとは?ブラスバンドに情熱をかけるママたちの姿や想いに迫った。

総勢60名のママたちが
織りなすハーモニー

―「HAPPY SUNS MAMA BAND」について詳しく教えていただけますか?

現在、総勢60人の女性で活動中です。足りないパートがある場合などは、他の団体の男性が加わったりすることもありますが、基本は子育て中のママや、子育てを卒業した女性で構成されています。週に2回、月に8回の練習日を設けていますが、人によって状況は違うので、練習頻度によって正団員と準団員に分けています。子ども連れでの練習参加もOKなので、毎回楽しい雰囲気で練習していますよ。

―やはり、吹奏楽部などの経験者の方が多いんですか?

そうですね。学生時代に吹奏楽の経験がある方がほとんどです。そのほかに音楽を専門的に学んでいた人もいて、そういう人には積極的に指導してもらうなど、メンバーの中でも役割分担をしています。もちろんブランクのある人も多いですが、ついていこうと頑張ってくれています。団員も募集中で、Facebookで活動について紹介もしていますので、気軽に見学に来てください。



―主にどのようなイベントで演奏しているのですか?

いつもは保育園や幼稚園などで、子どもたちが好きなアニメのテーマソングや童謡を演奏しています。自分の子どもを通わせている園で演奏すると、公演の後は「○○くんのママ〜」と呼ばれるみたいで、ママはヒーローになれるとか。子どもも鼻が高いみたいですよ。

―「2018年 県吹奏楽コンクール 職場・一般の部」では、コンクール初出場で金賞とのこと。すごいですね!

ありがとうございます。練習時間もあまり取れなかったんですが、練習が足りないと思うパートのメンバーは全体練習より早く来て練習するなど、頑張ってくれたおかげで見事金賞を勝ち取ることができました。点数での順位が2番手だったので九州大会へは出られませんでしたが、今年はリベンジしたいですね。

HAPPY SUNS MAMA BAND

家事に育児に、仕事に忙しい日々。
ママが趣味を持つということは?

― コンクールや単独公演など、皆さん活動に対してモチベーションが上がるんじゃないですか?

そうですね。コンクールや公演は、ひとつの大きな目標になるので、頑張らなくてはという気持ちがあるんですが、皆さん母として妻として家庭を気にしないといけない。ブラスバンドは仕事ではなく、あくまでも趣味なので、それぞれ葛藤があるんですよね。そこをうまくやっていくかどうかという悩みはあります。コンクールに出られない人には強制できませんし。でもブラスバンドの場合、人が欠けてしまうと演奏になりません。メンバーによってライフスタイルや、ブラスバンドにかけるウェイトもそれぞれ異なりますが、音楽という一つの柱の下、みんなが同じ方向を向いているので、なんとかカバーされています。

― 子育てと働くママについては話題にのぼりますが、ママの趣味に関して注目されることは少ないですもんね。

そうなんです。私も団長になると決定したときには主人に、「忙しくなるかも」とは話をしましたが、ブラスバンドの活動に関して詳しくは話していません。やはり、私自身が働いていないので「私が家事育児をしなくては」という思いがあるんです。趣味ばかりに打ち込みすぎて主人をそっちのけにするわけにもいかないですし。それに、吹奏楽って興味のない人からすれば理解できないですから。だからこそ、主人や祖父母に常に感謝しながら活動させてもらっています。

―子育てと家事で忙しく、空いた時間はゆっくりしたいと思うことはありませんか?

正直、子育てや家事で大変なんですが、家でゆっくりしたいとはあまり思わないかもしれません。基本的に子どもと一緒にワイワイしたいなと思ってしまうんです。自分も子どもも楽しめますし、そういう環境はとても恵まれているなと感じています。昔は子どもをおんぶしながら楽器を吹いたりもしていました。(笑)

HAPPY SUNS MAMA BAND

趣味を持つことで得られた
子育てへの安心感と心強さ

―家事や育児に忙しい中、活動するメリットは何だと思いますか?

一番は、子どもを連れての参加が可能なので、安心して練習できる点だと思います。自然と子ども同士も仲良くなるんです。それに、メンバーみんなが子どもたちを気にかけてくれるので、練習に集中できますね。そして何より、趣味を通して同じ子育て世代の友だちができるのはすごく心強いことですよね。

―入部した際はすんなり打ち解けられましたか?

はい、もともと人見知りな性格なんですが、音楽という共通の趣味があったので、一歩を踏み出すことができました。練習の休憩時間には、演奏について相談をすることもあれば、晩御飯の相談やランチのお誘い、今日あった出来事を話したりもします。そして、メンバーは20代後半から40代後半までと幅広いので、同じ子育て世代もいれば、子育ての大先輩も。うちの場合は、上の子が小学3年生、下の子が3歳でこの春から保育園に通い始めたのですが、上の子が小学校に入る際に「小学校ってこんな感じだよ」という情報をもらったこともありました。たくさんのママ友が集まっているので、子育てに関してさまざまなことを教えてもらえるのが魅力ですね。



―これからの目標などはありますか?

みんなが楽しく、気軽に活動できる環境を整えていきたいですね。もっと練習に来やすい環境づくりができれば良いなと思っています。子どもと一緒に練習して楽しい反面、コンクール前など、集中したいときもあるんです。そんなときに、子どもを預かってもらえるなど、そういったサポートができればいいなと。以前、大きな大会に出た際は保育士さんに子どもを見てもらったこともありました。現在、結成5年目を迎えましたが、問題が生じたらその都度フレキシブルに対応しています。「なかなか練習に集中できない」「わたしは下手だし…」と練習に来なくなる人もいるので、そういう人が練習に参加しやすい環境を作っていきたいですね。

HAPPY SUNS MAMA BAND

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