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2020.10.20

自分らしく輝くために
身体と心の健康を手に入れる

岸 紅子さん

NPO法人日本ホリスティックビューティ協会代表理事
岸 紅子さん

9月11日に開催されたWomanNEOのセミナーに、講師として登壇したNPO法人日本ホリスティックビューティ協会代表理事・岸紅子さん。セミナーでは、「働く女性のセルフマネジメント」をテーマに、女性ホルモンの知識やストレスケアについての講演を行いました。セミナー後、ホリスティックビューティのこと、協会の立ち上げに至ったきっかけや、女性が普段から気をつけておくべきことなど、さまざまな話を伺いました。

美しさは外見×身体×精神の相乗
健康は自分自身でつくるもの

―ホリスティックビューティについて教えてください。

「ホリスティック」はギリシャ語で全体性を意味する“ホロス”が語源です。本当の美しさは「スガタ(外見美)」「カラダ(肉体的健康美)」「ココロ(心的健康美)」の相乗で、医療費大国の日本では、健康で美しくあり続けることは社会貢献につながるという考えがホリスティックビューティのコンセプトです。私たちは、その考えを普及させ、皆が健やかで美しく楽しい毎日を送るために、セミナーやワークショップをはじめ、美と健康に関する資格検定などを実施しています。

―協会を立ち上げたきっかけは?

10代の頃からファッション雑誌のモデルや化粧品のプロデュースなど、ビューティーアイコンとして活躍していました。大学卒業後は美容マーケティング会社を立ち上げ、毎日忙しく過ごしていたのですが、30歳を迎えたときにストレス性喘息を発症。ステロイド薬を使い、なんとか生活していましたが、31歳で卵巣のう腫に罹患。それまでの不健康な暮らしを見直さなくてはいけなくなりました。そして、自然治癒力の大切さを現代女性の知識として広めていこうと決意し、ホリスティックビューティ協会を立ち上げました。


多忙を極めていた20代。
華やかさの裏でストレス性の喘息や肌荒れなど不調に悩まされる。


―病気になったとき、どのような感情を抱きましたか?

当時、たくさん仕事を抱えていましたが、もう仕事どころではなくなりました。もはや選択の余地はなく、とにかく病気を治すことが第一。ビューティーアイコンともてはやされていましたが、病気になって肌荒れとクマだらけになってしまった自分が恥ずかしくて外にも出られませんでした。まずは自分の心と身体を立て直すしかなかったのです。すぐに治療をスタートさせ、生活改善を行いました。

―具体的に見直したことは何ですか?

まずは、乱れていた生活リズムを見直すところから。“朝起きて、夜になったら寝る”、すごく簡単なことなのに、当時はそれすらできていませんでした。そして、食事は外食やコンビニばかりを利用するのではなく、質素でもいいからご飯と味噌汁、納豆とお漬物などを自炊し、できるだけオーガニックなものを食べるなど、基本的な部分から改善。当時、結婚したばかりで子どもを望んでいましたが、お医者様からは「妊娠は難しい」とはっきり言われていました。しかし、治療しつつ生活を見直したことで子どもを授かることもできました。

岸 紅子さん

女性の身体と心のことを理解し、
適切なセルフケアを心がけて

―セミナーでは、「女性が働く上で女性ホルモンと上手に付き合うことが大切」とお話されていましたが、女性ならではの悩みは男性にはなかなか理解されません。どうすれば良いでしょうか。

男性も女性も平等に働く時代になってきたからこそ、管理職の人が男女の性差に関して勉強できる環境をつくるべきです。部下に仕事をしてもらう場合は、その人の心と身体まで知らないと本来の能力を引き出すことはできません。企業でセミナーをする際は、男女の性差について学ぶ大切さを伝えています。

―理解することが大切ということですね。

そうです。そして女性たちも「具合が悪くても我慢しなくてはいけない」と思わないでほしい。自己犠牲は当たり前ではありません。よく、「ワーク・ライフ・バランス」と言われますが、ライフとワークはイコールではないのです。ライフは自分でしか守れないし、それを企業に求めても意味がありません。自分の身体の小さな変化を見逃さないようにしてください。「気分が悪い」「頭が痛い」といった身体の異変に気づいたらセルフケアを心がけましょう。


協会オリジナルアロマスプレー


―岸さんが普段から行っているセルフケアはありますか。

おすすめなのは、やはり香りを使ってリラックスすることです。香りは自分の心のバロメーターになります。同じ香りでも、感じ方は日によって異なり、それに気づいてあげることが大切です。もちろん、専門的な知識はなくてもOK。お気に入りの精油をディフューザーに入れて香らせるだけで、脳がリセットされて、気持ちがリフレッシュします。「ぐっすり眠りたいからラベンダーを」と選ぶのではなく、自分の好きな香りを楽しんでください。あとは、一日一杯はお味噌汁を飲むこと。腸内環境が整い、丈夫な体と肌の基礎となります。これなら子供も喜んで野菜を食べてくれるはずだし、家族全員の健康にもつながります。


酵素玄米と2汁3菜の朝ごはん

心地よく過ごすために大切なのは
小さなことに気にせず、自信をもつこと

―普段から気を配っていても、どうしても“辛い”と感じてしまう場合はどうすればよいのでしょうか。

私もこれまで、精神的に辛くなり「もうダメ」と思うことが何度かありました。そういうときは、経験から広く遠くへと視点を移すことが大事だと思っています。ぜひ、出来る限り自然に触れたり、夜空の天体を眺めてエネルギーをもらってください。「できることをやるしかないし、さぁ違うことを考えよう!」と不思議と前向きな気持ちになれます。



―少し時間を置くと、意外と大したことではないと感じることもありますよね。

そうですね。確かに、一度にたくさんのことに追われてしまうと、被害妄想を抱いてマイナス思考から抜け出せなくなることもあります。そうなりがちなのはホルモンバランスも大いに関係します。ですから「今はホルモンがいたずらしてるだけ!」「私は今、イライラを感じやすいプロゲステロン期。絶不調だから仕方ない」と客観視することも大切です。身体や心のことを何も知らずに過ごすよりも、少し知識を持っておくだけで、それがセルフケアにつながります。人間のバイオリズムは、天気や人との会話などに左右されやすい流動的なもの。落ち込むのも当たり前です。しかし、落ち込んだ気持ちをもとに戻すスキルは身につけることができます。それがセルフケアです。そのスキルの有無によって人生のありかたは大きく変わります。

―最後にママたちにメッセージをお願いします。

家族にとってママが元気でいることが何より大事なこと。もちろん、身体の健康だけでなく、心の健康も意識してください。心の健康をキープするためには、自尊心を持つことが大切です。働くママなら「社会に貢献している」と感じるだけで、心が満たされますし、専業主婦のママも「この家は私が運営しているから成り立っている!」と思うようにしてみてください。どんなカタチであれ、ママたちが自信を持って毎日楽しく過ごしていくことが次の世代にとっても重要なことなのです。

岸 紅子さん

NPO法人日本ホリスティックビューティ協会
https://h-beauty.info/

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