2020.12.15
フューチャーCプロジェクト
古賀(多々良) 友美さん
不登校や引きこもり、学校に行くことに違和感を覚えている子どもたちに、学校でもない、家庭でもない、誰もが楽しく安心して過ごせる「第三の居場所づくり」を行うフューチャーCプロジェクト。「CAN(できる)」「CHANCE(好機)」「CHALLENGE(挑戦)」など、たくさんのCを持つ子どもたちの可能性を信じ、さまざまな事業を展開しています。今回は、代表を務める古賀(多々良)友美さんに、立ち上げに至った経緯や目的、具体的な取り組み、今後の展望などを伺いました。
―事業の本格スタートは11月からですか。
はい。11月17日に正式オープンし、現在は6名が通っています。もともと私は、ニートや引きこもりの就労支援を行う「おおいた地域若者サポートステーション」の立ち上げに携わり、若者の自立サポートを10年ほど行っていました。さまざまな事業を行うなかで、子どもたちのためにまだまだできることがあるのではないか。本人だけでなく、ママのサポートができたら、もっと状況が変わるのではないか…。悶々と考える日々が続きました。退職後、フリースクールを運営し、そこでの経験も現在の「フューチャーCプロジェクト」につながっています。
―これまでのフリースクールとは少し違う新しい取り組みも行っているんですよね。
殻に閉じこもっている子どもとコミュニケーションをとるとき、リアルだけではなく、YouTubeやSNSなどバーチャルの世界がきっかけになる時代になってきたと感じています。そのため、当プロジェクトではバーチャルスペースを運営し、Zoomのようにオンラインで会話したり、一緒にYouTubeの動画や、アニメを見ることで交流を図ります。引きこもりの子どもの中には、人と話すのは苦手だけれど、人とのつながりは持ちたいという部分もあるので、ひとつのコミュニケーションのカタチとして確立しています。
―離れていても同じ空間でファミリーのように過ごせますね。
そうですね。今後はYoutubeチャンネルを作って、自分の好きなことや得意なこと、何気ない日常を投稿したり、オンラインでのイベントも計画中です。また、全国のフリースクールの経営者と連携をとり、スクール同士のコミュニティを作っていきたいとも考えています。
―不登校や引きこもりはお子さん自身の問題かもしれませんが、実際はママの負担も大きいですよね。そんなママたちのサポートもされているのですね。
はい。私がこのプロジェクトで一番大切にしているのは、「人を育てる」ことと「人に寄り添う」ことです。ママが「個」でいられる居場所を目指しています。いくらお子さんの問題とはいえ、ママへのサポートが盲点になっていることもあります。子どもが不登校になったといえば、周囲から責められる。ママ本人だって辛いのに、その苦しみを抱え込んでしまうことも非常に多いです。ママにお話を聞くと、自分の育て方が悪いのかとすごく苦しんでいます。ママたちの苦しみをなくさないと、子どもはどんどん自分を責め、「自分のせいで家がこんなに暗くなっている」、「自分のせいでお母さんはいつも泣いている」と、負のスパイラルに陥ってしまいます。そうならないためにもママの苦しみを楽にしてあげる場所でありつづけたいと思っています。