2020.12.22
不確かな時代のキャリアの描き方
偶然を味方につけて、幸せに生きる方法
毎回、働く女性の皆さんに好評の「Woman NEO」のセミナー。2020年11月30日に第5回目のセミナーが開催され、今回もたくさんの方が参加しました。講師としてお招きしたのは、企業や自治体へのキャリア開発支援を軸に、大学非常勤講師、研修講師を務めるキャリアコンサルタントの森脇淳子さん。「不確かな時代のキャリアの描き方」をメインテーマに、自己肯定力を高めるための講演、ワークショップを実施。参加者の皆さんは熱心に聞き入っていました。
まず、森脇さんが「今日は一人ひとりが主役になり、受講者ではなく参加者としてセミナーに臨んでもらいたい」と話し、リラックスしたムードの中でセミナーがスタートしました。キャリアの描き方は、自分のやりたいことを決めて、計画的にキャリアを形成する「山登り型」と、目の前のことに全力で取り組み、偶発的にキャリアを形成する「いかだ下り型」の2つに分類されると解説。働き方改革の推進、society5.0の到来、新型コロナウイルスの蔓延など、人の価値観・ニーズの多様化により、これまでの常識が覆され、何が起こるかわからない“不確かな時代”と表現される現在。特に、結婚や出産、子育て、介護など、ライフイベントでキャリアが左右されることもある女性の場合は、「いかだ下り型」のキャリア形成がおすすめだと続けます。
スタンフォード大学教授のジョンクランボルツが20世紀末に提唱したキャリア理論「計画された偶発性理論」の「個人のキャリアの約8割が、予期せぬ出来事によって左右される」という研究結果を例に挙げて説明。それを受け、日常で起こる予期せぬ出来事は避けるのではなく最大限に活用し、自分のキャリアにつなげていく姿勢が重要だと話します。「計画された偶発性理論」では、ステップアップしていくために必要な行動指針として、「好奇心」「持続性」「柔軟性」「楽観性」「リスクを取る」の5つを挙げています。そこにプラスして「人との繋がり」も大切にしてほしいと森脇さん。
ここで参加者たちは、6つの行動指針をどれぐらい実践できているのかを考え、実際に書き出していきます。全員が一生懸命考え、ペンを走らせていました。
森脇さんは、自分らしいキャリアを築くには、新しいことに挑戦する姿勢が必要だと説明します。しかし、一歩を踏み出そうとしても、足踏みしてしまうことも多いもの。行動できる人とそうでない人の違いは、「自己肯定感(セルフエスティーム)の高さ」だと続けます。
自己肯定感とは、そのままの自分を認め、受け入れ、大切に思い、価値を感じ、信頼すること。自己肯定感は、誕生から長い時間をかけ、多くの複雑な要因が絡み合い、人生経験などと作用しながら形成されます。
最後に、自己肯定力を高めるための簡単なワークショップを行いました。
「短所も長所もひっくるめた自分を何%好きか」
「自分の好きなところや長所を10個ピックアップする」
各々が資料に記入し終えると、グループで共有します。
「毎日楽しく過ごしています」、「子育てを頑張っています」、「仕事と家事の両立ができています」。各テーブルからはさまざまな意見が飛び交っていました。「“〜できない自分がいても良いんだ”と短所もひっくるめて自分を認めてあげることが大切です」と森脇さん。