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2021.01.21

サポートの充実とスタッフの意識改革で
誰もが心地よく働ける会社を目指す

社会福祉法人 庄内厚生館

社会福祉法人 庄内厚生館
法人本部長 伊藤秀海さん
障害者支援施設 緑の家 永元美里さん

保育園や障害者支援施設、介護施設をはじめ多くの社会福祉施設を運営する「庄内厚生館」。障がいを抱える皆さんをはじめ、子どもから高齢者までを支援しています。すべてのスタッフが働きやすい環境を目指している同社。さまざまな施策に取り組み、子育て世代も多く在籍しています。今回は、法人本部長の伊藤秀海さんと、『障害者支援施設 緑の家』で働く永元美里さんに、職場環境や女性活躍のためのサポート制度などを伺いました。

“女性が働きやすい企業へ”
受け継ぐ創業当初からの精神

―現在、男女のスタッフ比率はどのぐらいですか?

伊藤 正規社員の男女の割合はちょうど半々ですが、会社全体を見てみると、女性が6割、男性が4割ほどです。会社の創立当初から女性の働きやすさに注力し、産休中であっても給与水準を変えないなど、、子育て世代に向けた支援は充実していましたね。実際に、永元さんは入社後、産休・育休を取得しながら働き続けてくれているスタッフの1人です。

永元 私は入社して18年目になるのですが、入社10年目に1回目の産休・育休を取り、そこから合計4度取得しました。1人目のときは、仲間への負担や現場のことが気になり、半年ほどで現場復帰しましたが、その後は子どもが1歳になるまで育休をいただきました。



―1人目と2人目以降では気持ち的な変化があったんですか?

永元 そうですね。1人目のときは周りに産休・育休を取得したスタッフがおらず、スタッフの皆さんに迷惑をかけているのではないかと不安でした。しかし、全員でフォローしあいながらなんとかやっていくことができたと聞き、2人目以降は甘えさせてもらいました。育休中でも2ヶ月に1回は出社し、同僚や上司、施設の利用者さんと話すなど、積極的にコミュニケーションを取っていました。

―企業として産休・育休中のスタッフの方へどのように向き合っていますか?

伊藤 産休や育休に入ると、どうしても社会との接点がなくなってしまうことが不安だと感じる部分があるかと思います。だからこそ必要な時、必要ではなくても会社の様子が気になる時に、こまめに会社と連絡を取り合える関係を大切にしています。メールや電話、たまに職場に来てもらうなど、頻度や方法は子育ての忙しさや時間の使い方に合わせてスタッフの皆さんそれぞれのやりやすい方法で良いと思います。

社会福祉法人 庄内厚生館

ママだけでなく、全スタッフが
心地よく働ける環境づくりを

― 子育て世代に向けたサポート制度を教えてください。

伊藤 産休・育休制度はもちろんですが、育休が明けてからこそ、スタッフへのサポートが必要になります。子育てママは、「子どもが熱を出した」、「PTAの行事がある」など、さまざまな理由で休みが必要になります。ママの休みやすい環境づくりはもちろんですが、ママスタッフが休むことをフォローする社員のことも考えることが大切。そこで「子育て休業サポート手当」制度を導入しました。これはママが急な休みが必要になった時に、その日、現場をサポートをする職員に向けて手当を支給する仕組みです。子育て世代のみだけでなく、全てのスタッフが心地よく働ける環境をつくることが必要だと思っています。

―オリジナリティ溢れる取り組みですね。

永元 私は時短制度も活用しています。通常の就業時間は、8時~17時なのですが私には4人の子どもがいるため、8時から仕事をスタートさせるのが難しく、その旨を会社に相談しました。話し合いの結果、終業時間ではなく、始業時間を遅くしてもらうことにしました。現在は、4人の子どもたちを学校や保育園に送り出してから出社させてもらっています。一般的に少し早めに仕事を終える時短勤務はよく聞きますが、朝の時短勤務が可能な企業は珍しいですよね。



―スタッフの状況や現場の声を受けて、会社の制度をアップデートしているのですか?

伊藤 そうですね、見直していかなければいけないこともまだまだあります。例えば、施設によって異なりますが、“その人しかできない仕事”を良い意味でなくしていきたいですね。突発的に誰かが休んだとしても他の人がカバーできるような環境やワークフレームを整えておけば、産休・育休にかかわらず、スタッフ全員がもっと子育てに関する休暇を取りやすくなるのではないかと思います。

社会福祉法人 庄内厚生館

ママが働きやすい環境のためには
男性の意識改革が大切

―ママだけでなく、男性が育児しながら働ける取り組みをされているようですね。

伊藤 男性に向けた特別な制度はありませんが、私たちは「女性が出産後も働き続けるためには、男性の働き方改革や育児参加が不可欠である」という考えを実践しています。そのため、2019年から子育てに関する制度に力を入れはじめました。男性が育休を取りやすい環境を整えることはもちろん、男性向けの料理教室をオンラインで開催し、男性の育児参加を促します。

永元 男性が育児や家事をすることが当たり前になると、女性の負担も減らすことができますし、料理教室のように実際に手を動かしたりするとリアルに家事を体感してもらえると思います。女性の活躍のためには、男性、女性それぞれがお互いの大変さを理解することが大切ですし、それが夫婦間の協力や誰もが働きやすい環境づくりへつながっていくのではないでしょうか。



―今後より一層女性が活躍できる職場になるために、注力したいことはありますか?

伊藤 産休・育休に入るスタッフと事前にしっかりコミュニケーションを取りたいですね。永元さんの場合は2ヶ月に1度出社し、定期的に意見交換する機会を設けていました。職場復帰に向け、あらかじめ話し合っておく必要があると思っています。そうすることでたくさんのニーズにフレキシブルに対応しやすくなるのかなと思います。また、今後は女性リーダーの育成、女性のスムーズなキャリアアップ制度にも積極的に取り組んでいきたいですね。

― 子育て世代同士の交流などもあるのでしょうか?

永元 現在、190名ほどのスタッフがおり、施設が違えば研修以外では会うことはほとんどありません。しかし同社には野球やミニバレー、フットサル、山岳部、ゴルフ部など多くのクラブ活動があります。昨年はコロナの影響でスポーツ大会などは開催できませんでしたが、そういった活動もスタッフ同士の交流につながっています。ダイレクトに子育てには直結はしないかもしれませんが、活動を通して子育て世代が楽しくコミュニケーションが取れる空気づくりが大切なのではないかと思っています。

社会福祉法人 庄内厚生館

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http://www.kouseikan.jp/

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