2021.03.23
不確実な未来にどう備える?
今からはじまる、自分らしい未来
講師:ファイナンシャル・プランナー 濵野臣子さん
多くの女性に役立つ情報を届けるWoman NEOのセミナー。第6回目の今回は、ファイナンシャル・プランナーの濵野臣子さんを講師に迎え、「今からはじまる、自分らしい未来」をテーマに講演を行いました。人生100年時代と言われる時代に、自分らしく生きていくためのお金との付き合い方を、さまざまな角度から学びました。
濵野さんは、自身の経歴を振り返りながら、「私たちの役目は、みなさんが人生100年時代を笑顔で楽しむため、寄り添いサポートすることです」と自己紹介。自分らしい人生を送るために大切なことを学ぶセミナーがスタートしました。
「安心な未来を手に入れるためには、まずはライフイベントごとにかかるお金を考えておくことが重要」と濵野さん。例えば、結婚する際、結納から新婚旅行までに約440万円が必要になります。子どもが生まれたら教育資金として約1000万円、車を購入する場合は100万円以上、住宅を購入する際は約3000万円、それぞれ必要な金額を事前に備えておかなければいけません。
ある4人家族のライフプラン表で、お金について考えていきます。15年後、姉の大学進学のタイミングで妹も高校に進学します。この年に備えて、お金は多めに用意しておかなければいけません。このように、見える化することで、人生の棚卸しができ、人生のどこでお金がいくら必要なのかがひと目でわかります。
ここで実際に、参加者たちもライフプラン表を制作しました。「叶う、叶わないは気にせず、まずはワクワクするような明るい未来を描いてみてください。それをベースに考えていきましょう」とアドバイス。参加者からは、「4人の子どもが独立するのは60歳の頃。それまで仕事を頑張らないといけないことがわかりました」という感想が聞かれました。
人生には教育資金・住宅資金・老後資金の3大資金があり、特に、老後資金で頭を抱えている人がほとんどです。老後、最低限の日常生活を送るためには平均22万円、少しゆとりのある生活を送るには、月28万円の暮らしを想定し、平均余命や年金を含めて計算すると、トータルで1788万円が必要になります。預貯金で1788万円を貯めるのはなかなか難しいもの。そこで、注目したいのがiDeCo・NISA・積立NISAなどの制度です。「それぞれの特徴や手数料をしっかり見極めた上で選びましょう」と呼びかけます。
さらにここからiDeCoについて掘り下げていきます。iDeCoの場合、掛け金、運用益ともに非課税となり、税制上のメリットが大きいのが特徴です。さらに、手数料も少なく、老後資金を自動的に確保できます。実際にスマートフォンを使って、自分がいくら積み立てられるのかシミュレーションを行い、iDeCoの魅力を体感しました。
「ライフプランを作っていただき、目的に応じて株式や保険、投資信託など、資産は分散させて保持することが、豊かな未来を手に入れるポイントです」。
「常日頃から意識したいのは、お金の流れを見える化すること。それを踏まえて戦略を立てましょう」と呼びかけます。参加者たちは、自分自身の収入・手取り・生活費、娯楽費をもとに作り上げるお金のブロックパズルに挑戦しました。一ヶ月にどのぐらいお金を使っているのか、改善すべき部分はどこなのか、ペンを走らせながら一生懸命考えました。「まず収入から貯蓄を引いて残りを支出に使うようにしましょう。そして支出の中でも最初に見直すべきは固定費。生命保険や携帯料金を見直し、iDeCoや住宅ローン減税等をうまく活用しましょう。」と濵野さん。
「消費」、「浪費」、「投資」という自分自身のお金の使い方、お金の流れをつかむことも意識したい点です。節約ばかりの窮屈な生活を送るのはつらいもの。生活に必要な支出まで過度に削ることはありませんし、たまには浪費も大切です。「支出には流動費と固定費があり、固定費から見直すことで節約のストレスを減らしましょう。そして、少し意識を変えることで消費や浪費が、将来への投資に変わることも知っておいてほしい」と続けます。
お金の使い方や意識の改革だけでなく、万が一の事態に備えなければいけません。「死亡」、「病気」だけに限らず、災害、介護、離婚など、人生を左右するさまざまな事態が起こりえます。日頃から予想外の事態を頭に入れ、自分の働き方による社会保障(会社員、個人事業主など)を把握することも大切。「状況の変化に負けずに、自分らしい人生を歩むためにも、まず多くのことを知り、日頃から備えておくことからはじめましょう」とセミナーを締めくくりました。