WORK働いているママ・これから働きたいママに
プラスとなる情報を紹介します。

2021.08.03

私スタイルの「働き方」で
仕事もプライベートも充実させる

大分で働く女性たちから学ぼう

女性限定トークセッション
ー大分で働く女性たちから学ぼうー

女性に好評の「Woman NEO」のセミナー&交流会が2021年7月16日に開催されました。今年度初回となる今回は、県内企業で働く4名の女性を迎え、ワークライフバランスの考え方や転機になった出来事などを語り合うトークセッションを実施。質疑応答タイム、名刺交換タイムを設け、登壇者と参加者がコミュニケーションを取り合うことができる双方向性の高いイベントとなりました。

登壇者プロフィール


トークセッション


独自のモチベーションアップ方法で
やりがいを感じる毎日を

渡部
登壇者の皆さんは業種やライフスタイルも異なりますが、働く上での悩みや乗り越えてきたものには、参加者の方が共感できるエッセンスがあると思います。まずは自己紹介を兼ねて、現在のお仕事やプライベートのことを教えてください。

小林
「大分銀行 中央市場支店」で、営業をはじめ、支店運営、人材育成などの業務を行っています。支店長になり、見える景色が変わりました。企業の代表者様など、より多くのお客様とお話することも多くなり、日々刺激を受けながら楽しく仕事をしています。

大城
電線やケーブルの製造販売を行う「西日本電線株式会社」で総務部長をしています。従業員が働きやすい環境作りや労務管理、人材育成が主な業務です。今年で勤続37年目になりました。私のお話が皆様の参考になれば良いなと思っています。

伊﨑
「株式会社菊家」のマーケティング本部に所属して、日本全国、世界に通じる商品開発を追求しています。私が入社するきっかけは、大学時代のバスケットボール部の先輩の紹介でした。キラキラと活躍する女性社員に憧れて入社し、かれこれ15年が経過しました。結婚、出産を経て、主人と小学6年生の男の子と生活しています。今日は、皆さんから色々なアイデアをいただきながら、私自身も明日につなげられるようにしたいと思います。



田中
「大分マリーンパレス水族館 うみたまご」で飼育員をしています。幼少期から水族館で働きたいなと思い、沖縄の大学院を卒業後、「うみたまご」に就職しました。現在は、主に魚類やナマケモノの世話をしています。プライベートでは、主人と小学校6年生、2年生の女の子、3歳の男の子と5人で暮らしています。実は、主人が2年ほど単身赴任で、1人で家事育児を行う忙しい毎日を送っています。

渡部
皆さん楽しそうにお仕事されているのが印象的です。仕事のやりがいやモチベーションアップの方法などありますか?

小林
やはり、お客様から「ありがとう」と言われると、大変やりがいを感じます。人材育成も管理職の重要なミッションです。若い行員が積極的にチャレンジし、成長している姿にも励まされます。また、毎日何か一つ目標を設定し、その目標を一つ一つクリアすることで、モチベーションを維持しています。



伊﨑
お客様が喜ぶ姿を目の当たりにすると、嬉しいですし、モチベーションアップにつながります。新商品を発売する際、新聞に掲載してテレビCMを流すと、翌日お客様がお店に殺到します。「これが良い」「あれが美味しそう」と楽しそうに会話されているのを見ると、嬉しくて涙が出そうになります。

大城
私は総務部として働いているので、従業員から「助かったよ」「ありがとう」と言われると嬉しいです。また、仕事をするうえで気をつけているのは、できるだけ上機嫌で過ごすようにしています。やはり、上司の機嫌が悪いと、部下は相談しにくいですから。「自分の機嫌は自分で取る」を心がけています。また、家族や友達の応援やサポートのおかげで楽しく仕事することができています。

田中
水族館が大好きなので、毎日好きな場所で仕事をしているだけで幸せです。大変なこともたくさんありますけど、好きだからこそ、この仕事を続けられているのだと思います。また、お客様の前で解説したり、ショーをすることも多く、皆さんの笑顔を見ると、喜びを感じます。また、仕事の相手が基本的には動物や魚といった生き物なので、“ご飯をあげる”、“掃除をする”、と仕事内容が明確です。仕事を怠ると生き物が死んでしまいます。命を守るという責任感のある仕事だと思います。


仕事とプライベートの両立方法とは?
自分の経験を後輩たちにつなぎたい。

渡部
現在、子育て中の方も多いですが、仕事とプライベートの両立で、印象的なエピソードはありますか?

田中
独身の頃は、夜遅くまで仕事することが多かったのですが、結婚・出産を経て、働き方は大きく変化しました。大好きな場所なので、結婚で仕事を辞める選択肢は全くなく、「どうすれば続けられるのか」「周囲に理解してもらうには?」を考え、積極的に行動しました。育休を1ヶ月取得後、1ヶ月出勤して、また半年育休を取得するなど、フレキシブルな働き方をさせてもらいました。今では、子育て中の社員が増えたので、プライベートを考慮した働き方ができるようになり、徐々に働きやすい環境へとシフトしていきました。

小林
働きながら子育てするには、家族や周囲の支えや協力がとても大切です。保育園に預けるのは可愛そうだなと感じることもありましたが、保育園でもたくさんの愛情をもらうことができます。平日、ゆっくり過ごせないからこそ、土日など仕事のない日はたくさん遊んだり、精一杯の愛情をそそぎながら子育てしました。家族や親族、保育士の方など、たくさんの力を借りながら子育てしていました。



伊﨑
私が妊娠した頃は、出産に伴い退職するのが通例でした。「妊娠したので辞めます」の流れが多かった中、上司に報告をしたところ、開口一番「何も心配しないで!いつ戻ってくるの?」と声をかけられました。その言葉で私が帰ってくる場所があると感じ、とても温かい気持ちになりました。このマインドを後輩たちにも広めていきたいと思っています。

大城
総務部なので、妊娠中や子育て中のスタッフがよく相談に来ます。産休育休制度や時短勤務など、昔より女性が働く環境は整いましたが、家族の理解や協力の観点で壁にぶつかっている人が多いと感じています。当社では、妊娠した女性の育児休暇取得率は100%です、ほとんどの方が時短勤務制度を使っていて、子育てしながら働きやすい会社だと思っています。復職前は、不安を抱えている人がほとんどです。復帰の直前に上司との面談の時間を設けています。家族の協力について、仕事復帰への不安など、しっかりとヒアリングしています。




サーバントリーダーとして
気負わずに積極的なチャレンジを

渡部
新入社員や後輩たちに向けて、仕事する上での心構えやエールがあればお願いします。

小林
自分自身もまだまだ未熟なのですが、しっかりとした芯を持って、常に真面目に誠実に、その時その場所でベストを尽くすことが大切だと思います。後輩たちには日頃から「育自をしよう」と伝えています。“育自”の自は自分の自です。自分は自分で育てていくしかありません。将来どのようなステージにつきたいのか、どういったキャリアを目指すのかをしっかり見据えて準備しておくと良いと思います。

大城
たくさんの企業が女性活躍に向けてチャレンジを重ねています。最近、サーバントリーダーが大切と言われるようになりました。部下に寄り添って、話を聞き、信頼の元主体的に協力してもらえる状況をつくることが大切です。こういった形のリーダーでしたら皆さん得意なのではないでしょうか。働く人の考えも変わっています。グイグイ引っ張られて、ビシビシと指示を出すリーダーでは退職してしまう人が増えてしまいます。今のリーダーの概念を捨て去り、チャンスがあったら気負わずにサーバントリーダーを目指して挑戦してほしいです。キャリアアップのチャンスをもらった場合は、「できるできる」の気持ちでトライしていただきたいと思っています。



伊﨑
後輩たちや一歩を踏み出そうとしている女性には、何かあったら気軽に相談して欲しいです。神様は乗り越えられないチャンスはその人に与えません。壁にぶつかったときに、自分で自分の価値を決めるのではなく、新しい引き出しを作るチャンスが来たと、ワクワクしながら挑戦して欲しいと思っています。子育てしながらの仕事では、急な発熱や学校行事などで、休まなければいけないケースも多々あります。そのときに備えて、日頃100パーセント以上の自分で仕事に向き合ってほしいです。その様子を必ず会社のみんなが見てくれています。困った時は必ず背中を押してくれる、協力してくれると信じてください。

田中
働いていると「女性なら普通はこうする」「この会社ではこれが当たり前」と言われることがあるかもしれません。自分の希望を積極的に伝えることが大切です。固定概念にとらわれずに、自分の将来を見据えて、どんな生活を送りたいのかを考えながら日々過ごしてほしいです。一歩踏み込んで考えて行動すると、解決の糸口が見えてくることもあります。

渡部
今回、皆さんとお話して、皆同じことで悩み、壁にぶつかっているのだと感じました。ピンチはチャンスだと思って、胸を張り一緒に輝いていきましょう。今日は、ありがとうございました!

質疑応答タイム


トークセッションが終わると、参加者たちは手元の質問シートに、登壇者に聞きたいことを記入して提出しました。登壇者が質問に答えながら、アドバイスする質疑応答タイムが設けられました。



●過去のピンチや失敗は?どう乗り越えましたか?

田中
ナマケモノの出産が突然始まり、慌てたことがありました。結果的には出産に最後まで立会い、無事に赤ちゃんを取り上げることができました。失敗ではありませんが、この経験をもとに、常日頃からアンテナを張り巡らせ、動物たちに普段と違う点はないか、気をつけるようにしています。

伊﨑
菊家最大のイベント「いちごまつり」を目前に控えていたのですが、プロジェクトメンバーがインフルエンザや胃腸炎に罹患し、私1人だけで対応しなければいけませんでした。すべての販促ツールを1人で制作する、大変な状況を経験しました。ピンチの際は、なんとドラマチックな1日を授かったのだとプラスに捉えるようにしています。悩んでいても仕方がありません。今までの経験や知識の引き出しを活かしながら、なんとか乗り越えようと努力しています。もちろん、対応が難しいときは、上司に早めに相談することが大切です。

●若手社員への声かけで注意していること、心がけていることは?

大城
弊社では、3Kを心がけています。関心・声掛け・感謝の3つです。部下には、用事がなくても毎日1回は声掛けし、様子を伺っています。

小林
当行では1ヶ月に1回、上司と部下が一対一で悩みや不安を相談したり、自身の振り返りを行う時間を設けています。お互いにしっかりと向かいあうことができます。部下の育成は愛情を持って行っています。良いことだけでなく、悪いことも伝えられる関係性を築くようにしています。

●女性活躍のために、大分県に求めることは何ですか?

大城
保育園の拡充です。弊社にも待機児童を抱えている従業員がおります。子どもを預かってくれる場所がないと、ママたちは安心して働けません。あとは男性の協力と理解も、今後の課題だと思っています。

田中
保育園の頃は、安心して預かってもらえるのですが、小学校に入学してからも子どもたちが安心して過ごせる場所があるといいなと思います。

●女性管理職の強み・弱みは何だと思いますか?自身でしているスキルアップの方法は?

小林
強みは、女性ならではの柔軟性でしょうか。仕事をする上ではいろいろな「力」が必要です。知識をスキルアップするために、新聞や情報誌、WEBなどから積極的に情報を得るようにしています。

大城
対人関係を円滑に進めるためのコミュニケーション能力だと思います。弱みは重たいものが持てないといった体力的な部分でしょうか。

伊﨑
女性ならではの観点、女性だからこそ気づける部分を会社に共有できます。しかし、男性管理職の方が多く、共感が得づらい部分もまだまだ多いです。プレゼン能力や外国語能力を身につけるために積極的にチャレンジしています。

田中
男性と女性では気づくポイントが異なります。男性と女性の飼育員がいることで、多くのことに気づき、動物たちのためのより良い環境が生まれるのではないかと思います。スキルアップのために、同業者の方々と情報交換をするなど、つながりを大事にしながら知識を増やしています。

〜こんな質問も寄せられました〜


時間の都合で、セミナーではすべての質問にお答えできませんでした。
後日、登壇者の皆さんから回答をいただきましたので、こちらでご紹介します。


Q.仕事や子育てで心が折れそうになったとき、大切にしていることや言葉があれば教えてください。

A.自分が今どうしたいかを落ち着いて考え、「この先」どうしていきたいかを想像してみてください。そのためには何をすればいいかをじっくり判断することが大切です。

Q.部下への注意、指導の仕方、叱り方はどんな点を意識していますか?

A.事実を確認したうえで、その理由や原因を聞き取りします。間違いやこちらの意見がある場合は落ち着いて丁寧に伝えます。相手がどう思っているか、納得できているかを確認することも大切です。

Q.報連相を普段から心がけているつもりなのですが、ささいな事や義務はなくても共有したいなと思うことを、わざわざ時間を割いて話すことに気を遣ってしまいます。どのような切り口で話しかければ心よく応じてもらえるでしょうか。

A.報連相をしないと問題が大きくなったときが大変です。話しかけるタイミングだけ気をつければ、そんなに気を遣わなくてもよいのでは?日頃のコミュニケーションがとれていれば大丈夫と思います。今はダメと言われたらまた違うタイミングを見ればよいのでは?また、タブレットのメールや伝言メモなどの機能を上手く使うと便利ですよ。

Q.定時内に効率よく仕事を行う上で、意識していることはありますか

A.優先順位を意識するようにしています。朝の時間はすごく仕事が進むので、難しいと感じる作業は朝早くに取り組んでいます。メールを見ないなど、1~2時間集中する時間を意識的にとるのも良いかもしれません。




質問タイムが終わると、参加者同士で名刺交換タイムへ。普段はあまり関わることのない、異なる業種の方々と、仕事のことや家庭のこと、さまざまな話題に花を咲かせながら交流を深めていました。



セミナー後も、積極的にコミュニケーションを取るなど、参加者の皆さんの楽しそうな表情が印象的でした。同じ悩みを抱える女性同士、学び、高め合う有意義なセミナーとなりました。

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