

大分に移住し、もともとは会社員として働いていました。出産後、知り合いもいない中で孤独を感じ、産後うつのような状態になりました。そのとき助けてくれたのが保健師や助産師さんたち。そんな経験を経て、「私も、産前産後の女性の支えになるような仕事がしたい」と思うようになったのが起業の原点。2人目の育休中に余裕ができたこともあり、産後ケアの勉強をスタート。最初は趣味の延長でしたが、復職後の仕事と育児の両立が難しくなり、「自分でチャレンジしてみよう!」と起業を決意しました。


これまでの病院勤務では出会えなかった人たちとつながり、新しい経験をたくさんできました。起業を通して自分自身を見つめ直す時間が生まれ、「自分にはこんな強みがあるんだ」と気づくこともできました。もちろん、失敗や思うようにいかないこともありますが、それも成長のチャンスだと思えます。何より、自分の手で届けたケアが、目の前の誰かの役に立つ瞬間が一番の喜びです。


集客は、最初が本当に大変でした。まずはSNSで情報を発信し、格安で施術メニューを体験できるキャンペーンを行ったり、こどもルームでチラシを配ったり、自分でイベントを実施し、少しずつ興味を持ってもらうようにしました。お客さんが一気に増えるわけではありませんが、口コミが広がることで徐々に来てくれる方が増えていきました。結局は、コツコツと続けることが一番の近道だと実感しています。


一番の反省は「準備不足」だったことです。勢いで仕事を辞めて起業したため、最初は集客や経営にとても苦労しました。技術だけでなく、SNSでの発信やお金の管理なども含め、もっとしっかり準備しておけばよかったと感じます。起業の先輩からも「2年くらいかけて準備したほうがいいよ」とアドバイスを受けていましたが、当時は“何とかなるだろう”と楽観的でした。今振り返ると、準備の大切さを身をもって痛感しています。


現在は、お母さんの体のケアが中心ですが、今後は赤ちゃんのケアも学び、親子で安心して通えるサロンに育てていきたいと考えています。産後の不調は、将来の体の健康にもつながる大切な課題です。体調が整えば心も軽くなり、育児にも前向きになれます。親子で一緒に癒され、心と体の両方を整えられる場所を目指しています。ここに来れば、ほっとできる——そんなサロンにしていきたいです。

自身の出産や育児の経験から生まれた想いと、理学療法士としての知識を活かして、産後ママのためのサロンを開いています。整体やオイルトリートメントを通して、産後特有の体や心の不調にやさしく寄り添うことがモットー。単に施術をするだけでなく、「お母さんがほっとできる時間」を大切にしながら、心と体の両面からサポートしています。