

私は大学卒業後、金融機関に就職しましたが、安定した環境の中で「このままでいいのかな」という違和感を抱くようになりました。25歳で退職し、昔から好きだった花の世界へ進むことを決意します。その背景には、育てたものを無駄にせず自然と調和して生きる暮らしや、季節の花を大切にしてきた祖父母の影響がありました。植物は、私にとっていつも身近な存在でした。その後、リアル店舗など事業を展開してきましたが、2020年のコロナ禍で結婚式が激減したことをきっかけに、新たに自然農法によるハーブ事業をスタートさせました。


28歳で独立後、花の仕事は順調に見えていましたが、あるとき突然、ネット検索からの集客が激減しました。検索サイトの仕組みが変わり、これまで見つけてもらっていたホームページが表示されなくなってしまったのです。売上はほぼゼロに。店舗やスタッフを抱えたまま事業を続けるのは難しく、とても悩みましたが、「このまま続けても苦しくなるだけ」と考え、すべてを手放して撤退する決断をしました。勇気のいる選択でしたが、早めに判断したことで立て直すことができたと思っています。その後、コロナ禍で時間ができたことが、新しい挑戦への一歩につながりました。


私の強みは、思いついたらすぐに行動するところだと思います。金融業界から転職したときも、ハーブ事業を始めたときも、知識や経験はほとんどありませんでしたが、「やりたい」と感じたら、まず動いてみることを大切にしてきました。非農家だったため、農地の借り方も分からず、周囲に相談しながら一つずつ学ぶところからのスタートでした。規模を大きくすることよりも、女性一人でも無理なく続けられる形を考え、小さくても付加価値のあるものを届ける道を選択。無農薬・無肥料の自然農法や、ハーブを乾燥させて商品化する方法も、私自身の暮らしに合った選び方でした。


仕事と子育ての両立については、完璧を目指さないことを大切にしています。子どもにはあまり干渉せず、「自分で考えて行動する力」を身につけてほしいと思っています。忘れ物をしても、それも経験のひとつ(笑)。実家が近いので、頼れるところは上手に頼りながら、無理をしすぎないことも意識してきました。すべてを一人で抱え込まないこと、頑張りすぎないこと。それが、仕事も子育ても長く続けていくために大切だと感じています。


起業を考えている方に伝えたいのは、「まずは一歩、動いてみてほしい」ということです。資格を取ってから、準備が整ってから、と考えているうちに、時間だけが過ぎてしまう人をたくさん見てきました。最初の一歩は、完璧でなくていいと思います。始めてみて、失敗しながら学んでいけばいい。行動した人だけが経験を積み、次の景色を見ることができる。私は、これまでの経験を通してそう実感しています。











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大分・吉野の里山で、農薬や化学肥料を使わず、50種以上の和草やハーブを育てているハーブ農園。自然のリズムに寄り添いながら育てられた植物たちを、ハーブティーやハーブソルトとして販売しています。。忙しい日常の中で、ほっと一息つく時間をつくってくれるその存在は、特別なものではなく、毎日の生活にそっと寄り添うもの。植物の力を身近に感じながら、自分のペースで整える時間を提案してくれる農園です。