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「Woman NEO」第3期Vol.2

「Woman NEO」第3期Vol.2

シリーズ記事 2021.07.07
#3つの柱#日建コンサルタント#TRY#永冨調剤薬局#働きやすい環境

「働いている女性向けの支援」
県は女性の活躍推進を掲げる「女性が輝くおおいたアクションプラン」を実践しています。女性がもっと働きやすく、暮らしやすい社会づくりを目指して、県と経済団体が三つのポイントを軸にさまざまな取り組みを進めています。多様な働き方をしながら、それぞれのキャリアを築いている現代の女性たち。働いている女性がもっと活躍できる環境にしていくためには何が必要なのでしょうか。

女性が働きやすくなる制度や
職場環境づくりなどについて

アクションプランが定める三つのポイントは次の図の通りです。

今回は、女性が働きやすくなる制度や職場環境づくりなどについて、大分市の社会保険労務士、原井健太郎さん(社会保険労務士法人godoworks代表社員)にお話を聞きました。

日本では1997年、共働き世帯数が片働き世帯数を上回り、その後も増加しています。女性の就業者数が多いにもかかわらず、他の先進国に比べ、管理職に占める女性の比率は低い状況です。国の機関の調査によると、働く女性が管理職になることをためらう理由として最も多かったのは「仕事と家庭の両立が困難」という回答でした。この結果は、依然として家事・育児の負担が女性に偏っている現状があるからではないでしょうか。
家庭や職場での意識を改革すると共に、課題を解決する具体的な取り組みが必要です。まず企業に取り組んでほしいのは、男性の育児休業取得の促進。改正育児・介護休業法が6月に成立し、来年度中には、産後8週間以内に夫が最長4週分の休みを取れる「出生時育児休業(男性版産休)」が創設されます。また、事業主に対し、子どもが生まれる従業員に育休制度の周知や取得の意向の確認が義務付けられます。
二つ目は、コロナ禍で導入が進んだテレワークや時差出勤といった柔軟な働き方を継続すること。就業規則などで制度化することが有効です。例えば、在宅勤務を可能にすれば、子どもが発熱した時など病状次第では、自宅で看病しながら仕事を進めることができます。先進的な企業では、男女関係なく家事や育児に取り組めるよう、育児・介護中の従業員は終業時刻の1時間前に退社し、子どものお迎えや夕飯の支度の後に在宅ワークをして、8時間労働を確保しているところがあります。
他にも、大分県が進めている「女性活躍推進宣言」や、一度職場を離れた女性を再雇用する「カムバック制度」の活用なども、女性が活躍できる職場づくりにつながります。
男性の育児・家事の参加は、子育て世帯だけの問題ではありません。定年後、家庭内で居場所がないと嘆く男性もいるかと思います。家庭も会社組織と同じ。そこに自分の役割がなければ、居場所を持つことは難しいでしょう。できる家事を見つけて取り組み続けることが、定年後も生きがいのある人生を歩んでいくことにつながります。
女性活躍推進は女性だけが変わればいいのではなく、あらゆる世代の男女が共に働き方や価値観を変えていくことが求められています。

日建コンサルタント
設計部設計課主任
荒木五月さん(28) 大分市

性別の壁感じない
明るい会社に愛着




上下水道工事の設計を担当している。「古い配管の更新では、工法が限られる現場も多い。新技術を学んで引き出しを増やし、現場調査のデータをしっかり把握して、地下で生活を支える重要なインフラを守りたい」。耐震化といった災害への対処にも気を配る。
中学生の時、新しい団地の町並みの美しさに感心し「まちづくりの技術者になりたい」と大分高専へ。「社長の人柄や、明るい会社の雰囲気に引かれ」同社に入った。
会社で性別の「壁」を感じないという。「『女性だから』と言われたり、感じたりしたことがない。先輩社員が、産休や育休、時短勤務について社長に直接相談していて、いいなと思った」
後輩の指導を通して、今の自分を振り返ることが増えた。「社長から、後進育成への期待も感じる。女性がもっと増えるよう頑張りたい」と力を込める。


TRY(ティーアールワイ)
第三工場 検査工程管理者
池永 麻衣さん(35) 日出町

働きやすい環境に
チームワーク重要




日出町出身で、別府市内の高校を卒業後、さまざまな職種を経験。「製造業で働いた経験を地元の会社で生かせたら」と、2017年にTRYへ入社した。現在、同町藤原にある第三工場で、自動車関連部品の検査業務に当たっている。
入社から5年たち、新人への指導や生産管理、得意先メーカーへの対応など、責任の大きい仕事をこなし、やりがいも感じている。「仕事で大事にしているのはチームワーク。例えば、子どもの体調不良などで従業員に急な休みがあった時は、会社全体でカバーし合っています。働きやすい環境づくりについて一人一人が考え、創意工夫をしながら、発信までしていくことが大切」と話す。
3年前に結婚し、夫と2人暮らし。「将来、子どもが生まれ、ライフスタイルが変化していっても、家庭と両立させながら仕事は続けていきたい」と笑顔を見せる。


永冨調剤薬局
係長
山本みちるさん(37)大分市

仕事続けることが
自分の支えになる




2004年の入社以来、医療事務業務に従事。「患者さまや地域の皆さまから信頼される薬局になる」という目標を掲げ、会社全体で接遇対応の向上に力を入れ始めた10年ほど前から、新人研修や店舗支援なども任されるようになった。職員に接遇の大切さを伝え、定期的に各店舗に出向いて利用者目線で対応を確認している。
コロナ禍で、マスクや飛沫防止のカーテン越しではこれまでの接遇が通じないと痛感した。そこで、目の表情や身振り手振り、あいさつする声の大きさなどを意識するよう指導。「職員全員が気持ちを切り替え、しっかり対応してくれました」とうれしそうに話す。
28歳で結婚。「仕事を続けていくことが自分の支えになる」と、家事との両立に取り組んでいる。「職員が生き生きと働いている姿を見るのが喜び。一人一人の価値観や考えを生かせる職場にしたい」。何でも話せる雰囲気づくりを心掛けている。


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