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「Woman NEO」第3期Vol.3

「Woman NEO」第3期Vol.3

シリーズ記事 2021.09.03

Woman NEOは7月16日、大分市の県消費生活・男女共同参画プラザ「アイネス」でセミナーを開きました。県内企業で働く女性4人が「私らしい『働き方』で仕事もプライベートも充実」をテーマに、トークセッションをしました。ワークライフバランスの考え方や、転機になった出来事など自身の経験を踏まえた話に、県内在住の女性30人が熱心に耳を傾けました。終了後、参加者は名刺交換などをして交流を深めました。トークセッションの要旨を紹介します。

(登壇者)写真右から


大分銀行 中央市場支店 支店長 小林恵理さん




西日本電線 総務部長 大城典子さん




菊家 マーケティング本部 本部長 伊崎岐子さん




水族館「うみたまご」飼育部 田中理子さん



(ファシリテーター)

大分合同新聞社 ビジネスサポート部 渡部さおりさん



私らしい『働き方』で仕事もプライベートも充実

渡部 働く女性は身近な存在ですが、働き方について直接話を聞く機会はなかなかありません。職場で活躍している4人の言葉の中には、私たち女性が共感できることがたくさんあるのではないでしょうか。まずは皆さんの仕事について教えてください。

小林 今年の春から支店長を務めています。支店長になって見える景色が変わったと感じています。企業の経営者や代表者と話す機会が増え、ものの見方や考え方を知って刺激を受ける日々です。家族は夫と息子が1人います。

大城 当社はケーブルや電線を製造・販売しているメーカーです。私は総務部長として、従業員が働きやすい環境づくりや労務管理、人材育成、健康経営などに当たっています。従業員がここで働けて幸せだと思える職場を目指しています。昨年、我が家は子犬を迎え、夫と一緒に夢中になっています。

伊崎 マーケティング本部は3年前に新設され、日本全国、世界に通じる商品開発を追求しています。これからもずっと大分県のお客さまの身近に存在するお菓子屋であり続けたいとの思いで仕事をしています。夫と小6の息子との3人暮らしです。

田中 子どもの頃から水族館が大好きで、夢だった飼育員になって約20年、主に魚類やナマケモノを担当しています。5人家族で小6、小2の娘、3歳の息子がいて、夫は県外に単身赴任中。仕事と家庭の両立で忙しい毎日を送っています。

 

渡部 好きな仕事でも、楽しいことばかりではないと思います。モチベーションの保ち方や、仕事の中にあるやりがいを教えてください。

伊崎 女性の管理職はまだ少ないのですが、女性が多い職場です。社内で良い意味で目立つこともあるので、「管理職って大変そう」ではなく、「伊崎さん楽しそうだな」と思ってもらえるように、仕事をしています。忙しくても、明るく元気でいることで、自分のモチベーションが上がり、それが周囲にもうつっていくと思っています。

田中 飼育員がしっかりしないと自然界から来た生き物は健康に生きていけません。私は絶対に必要な存在ということがモチベーションです。お客さまの前で解説したり、ショーをしたりして、動物たちの魅力が伝わったときにもやりがいを感じます。

 

渡部 キャリアを積む中で、何か不安はありましたか。またそれをどのように乗り越えましたか。

小林 入社した時は自分が管理職になるとは思っていませんでした。周りは結婚を機に辞める人が多かったのですが、仕事が好きで楽しくて、頑張っているうちに、係長になっていました。当時、役職と仕事内容が変わり、とても戸惑ったので、次の昇進ではそうならないよう、日頃から一つ上の役職の仕事を見るように心掛けました。不安を回避するには準備をすること、備えておくことが大切だと思います。

大城 管理職の話があった時は不安を感じました。それまで女性の管理職はいませんでしたし、私自身も自信がなく迷いましたが、これから更に女性が活躍できるよう、扉を開け、道を作るためにチャレンジしようという思いになり、引き受けました。今年の春に総務部長になった時は「私で大丈夫かな?」という気持ちでしたが、前部長に「そのままでいいから、大城式でやってほしい」と言われ、心が軽くなりました。自分の成長にもつながったので、この道を選んでよかったです。

田中 出産後、どうやって仕事を続けていくべきか不安はありました。育休や時短勤務の制度はあっても、使う人はほとんどいない状況。分からないことは自分から会社に聞き、いろいろと提案してみると、会社も快く受け入れてくれました。第3子の時は、産休後に1カ月職場復帰して、また育休に入るという変則的な休み方もさせてもらいました。今は女性が働き続けられる環境がさらに進んでいると感じます。

 

渡部 子育てをしながらワークライフバランスを保つことは大変だと思いますが、どんな工夫をしていますか。

伊崎 今の生活は家族の協力があって成り立っています。平日は夫が夕食を作り、土日の夕食と平日の朝食は私が作るというのを12年間続けています。

田中 目の前にある自分にできることを精一杯やってみるという気持ちで過ごしています。できないことがあっても、ある程度は目をつぶり、ストレスをためないようにしています。

 

渡部 下の世代に期待することや、伝えたいことは。

小林 自分の強みと弱みを自覚し、壁にぶつかっても逃げずに、真面目に、誠実に、そのときのベストを尽くすこと。部下には「『育自』をしよう、自分は自分で育て続けるしかない」と話しています。あとは人とのつながりを広げることも大切。困ったときにきっと助けてくれると思います。

大城 皆さんがイメージする管理職って、部下をぐいぐい引っ張っていくようなリーダーではないでしょうか。今は「サーバントリーダー」という形が注目されています。部下とコミュニケーションを図りながら信頼関係を築き、主体的な成長を促すことが大切になっています。このような支援型のリーダーならできる気がしてきませんか。自分で自分の道を閉ざさず、キャリアアップに挑戦してほしいです。

伊崎 頑張る姿を会社の人は必ず見てくれていますし、応援してくれます。壁にぶつかっても、新しい引き出しを増やすチャンスが来たと思って、わくわくした気持ちで乗り越えてください。


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