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「Woman NEO」第3期Vol.6

「Woman NEO」第3期Vol.6

シリーズ記事 2022.03.09
#コミュニケーション#女性応援サイト#働きやすい環境

Woman NEOは1月20日、大分市の県消費生活・男女共同参画プラザ「アイネス」でセミナーを開きました。声と話し方コンサルタントの藤重知子さん(ボイスエアー代表)が「働きやすい環境はコミュニケーションから~声と話し方でより快適な職場環境へ~」と題して講演。県内在住の女性16人が聴講しました。講演の要旨を紹介します。

「声」と「話し方」で職場を快適に

私は主に、ナレーションや館内アナウンスの仕事と、「声・話し方」をアドバイスするセミナーや研修を行っています。会話で何回も聞き返されてしまったり、話がうまく伝わらなかったりすることは、とてももったいないことだと思います。より良い人間関係を築くための話し方とコツについてお話ししたいと思います。

コミュニケーションにおいて言葉は大事ですが、相手は表情や態度も見ています。普段のあいさつも、背中を丸めて下を向いてするのと、顔を見てアイコンタクトをしてするのとでは全然違います。

コミュニケーションには記号化、送信、受信、解読化と4つのプロセスがあります。伝える側は頭の中で言葉を選び、送信しますが、言葉の選択や声の大きさ、トーンなどでエラーが起きると、相手が理解するときに障害が起こることがあります。上手なコミュニケーションは「話し上手なことだ」と思われがちですが、このプロセスを考えることが大事です。

同時に、より良い人間関係を築くために、聞き方にも気を配りましょう。下を向かずに、アイコンタクトを取りながら相づちを打ったり、相手が説明したことを繰り返したりしてください。相手は、聞いてもらえている安心感を得ることができます。

スイッチは「顔」「声」「心」

自己紹介のレベルを上げる三つの「スイッチ」を紹介します。一つ目は、会話の「空気」をつくる「顔のスイッチ」です。表情筋を使ってほほ笑む、アイコンタクトをするといったことで▽相手が安心する▽場が和む▽自分に余裕が出る―といった効果があります。マスクを着ける時間が長くなって表情筋を使う機会が減って、笑顔も伝わりにくくなっています。怒った表情は相手を警戒させ、怖い人という印象を与えてしまいます。「感じがいいなあ」と好印象を与える表情や笑顔を確認してみてください。

二つ目は、あいさつを成立させる「声のスイッチ」です。あいさつをして、相手から返ってこなければただ言葉を投げただけになってしまいます。返ってきて初めて、信頼のあるコミュニケーションになります。気付いてもらうためには、相手に「矢印を向けて」言葉を発していくことが大事です。

例えば「おはようございます」の最初の2音をしっかり発音する、つまり矢印を向けることで、相手が聞き取りやすい、はきはきしたコミュニケーションになります。聞き返されることが多いと悩んでいる人は表情筋を意識しながら「あいうえお」としっかり声を出してみてください。

三つ目の「心のスイッチ」は、より快適な環境づくりに役立ちます。例えば「○○さん」と呼ぶ時に、名字をゆっくり発音するだけでトーンが変わります。相手の名前を「丁寧に扱う」意識を持つことで相手への敬意を表せます。自分の名前を相手に教えるときには、名字をゆっくり発音し、下の名前を伝える前に少し間を空けると、相手がメモしやすく気遣いを表すことができます。この三つのスイッチを入れることで、皆さんの自己紹介がレベルアップしますよ。

あいさつをより有益なものにできる「二言あいさつ」もお勧めです。例えば「おはようございます。今日は寒いですね」」など、もう一言加えてみてください。社員同士で二言あいさつを徹底した結果、「ちょっとした会話の中で相談しやすくなった」「ミスを早めに共有して解決できるようになった」などコミュニケーションが活性化し、職場の風通しが良くなり、業績が上がったという会社もあるそうです。

伝わる話し方に「二つのコツ」

相手に伝わる話し方のコツを知ることも大事です。仕事に生かせる、伝わる話し方の実践法として▽話全体の概要に続いて、具体的な説明を述べ、最後に全体の要点を話す「SDS法」と▽初めに要点を伝え、次に結論に至った理由と具体例を提示し、再び要点を伝える「PREP法」があります。

SDS法は大事な言葉を繰り返すため聞き漏れがなく、上司に報告するときや部下にお願いするときなどに役立ちます。PREP法は自分が思っていることをまとめやすく、プレゼンテーションをするときなどに役立ちます。



話が長くなってそれてしまったり、元々の話を忘れてしまったりすることがあると思いますが、これらの方法で話をすると、新聞の見出しのように自分の心の中も整理できるのです。また、論理的に話ができるようになれば、仕事の段取りが良くなったり、説明力がアップして仕事が進みやすくなったりします。


ほめることで価値発見

人間は、自分を大切にしてくれる人のために最大のパフォーマンスを発揮します。そのためにはまず、自分自身が「人を大切にする人」に変わりましょう。「人をほめること」は、お世辞で相手をコントロールして何かをさせるためにすることではなく、相手の価値を発見して伝えることです。相手の長所や魅力、強みは頭に浮かびやすいと思いますが、一見短所に見えることを長所に変換することができるようになると、人や物の見方が変わり、違った価値を発見できます。仕事ならば、自分の会社の商品やサービスはどのように役立っているか振り返ってみましょう。見直すことで整理でき、新たな発見もあるかもしれません。どんな小さな事でも評価し、価値を見つけて伝えることで労働意欲が向上し、職場に活気が生まれます。

組織で働きやすい環境づくりをすることを難しいと感じているかもしれません。そこはまず、声と話し方について今日お話ししたことを意識してみる、やってみることが大切です。たった一言だけでも変わります。お互いを尊重し合える風通しの良い組織づくりに役立ててほしいと思います。
Woman NEOのプロジェクトは、4月からも引き続き働く女性を応援していきます。今後もぜひご期待ください。
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