登壇した阿部さん。知らない企業同士、少々緊張気味のセミナー参加者を見て、最初に「ポジティブ自己紹介」を行うことを提案しました。1分間でここ1週間で良かったことを2つ思い出して、お隣同士で自己紹介しあうというもの。



いざ、スタートすると、それぞれのテーブルであっという間に会話の花が咲き、皆さん笑顔でリラックスした表情に。実は楽しかったこと、良かったことを思い出すと快感ホルモンが出て、ポジティブな気持ちになれるとの実証データもあるとのこと。和やかな雰囲気で講演会はスタートしました。

「行き当たりバッチリ」が座右の銘だと語る阿部さん。実はこの言葉は「計画的偶発性理論」という考えと近い感覚だと言います。予期せぬ出来事が個人のキャリアを左右する。だからこそ起きたことを避けるのではなく、最大限に活用することがキャリア形成につながるというもの。ご自身が派遣会社に勤務していた時、人手が足りなかったため、結婚式のMCを未経験ながらやることになったエピソードを紹介。滑舌のトレーニングや本番で盛り上げることなど、その時のトレーニングや体験が今、人前で話すことに役立っているそうです。



「なんでも好奇心を持って取り組むこと。すぐに辞めたら何も身に付かないので続けてみることが大切。そのためにはあまり重く考えすぎずに、柔軟性や楽観性を持つようにしましょう」と阿部さん。男性に比べて女性はライフコースが多いこと、人生の転機が多いことなどをデータとともに説明いただくと、まさに「行き当たりバッチリ」が女性にとってのキャリア形成のコツだと実感できました。

後半は「ワークとライフ」両立のコツや「組織における男女の違い」など、参加者にとって、気になる話題が続々。両立のコツとして阿部さんのアドバイスは「常識を疑う」こと。家事や子育ての中で女だからなんとかしなければならないと女性自身が勝手に思い込んでいることは案外、多いのだとか。だからこそ、一度、立ち止まって考えることで、家族や職場の人たちに協力してもらえること、どうすれば自分でできるようになるかが見つかるそうです。



男女の違いについて興味深かったのは、「成果」と「プロセス」、「支配」と「共存」など仕事における価値観が正反対であること。阿部さん曰く「それを踏まえると男性上司などは、どうしてもプロセスよりも成果を知りたいという気持ちが先に来ますので、結論ファーストで喋り、報告はまず結論から。これには理由が3つあります。1つ目は2つ目は…となります」。なるほど！これは今日から使えるテクニックですね。

講演会の最後は、女性リーダーになることについて。管理職になりたい理由として、男性の第1位は「給料が増えるから」だが、女性の1位は「自分自身が成長できる」からといいます。

「時間は非常に有限ですから、今を有意義にみなさん過ごしましょう。リーダーとなることで、あなた自身が豊かに賢く生きる糧となります」と阿部さんから参加者へエールが贈られました。最後は、参加者全員で明日から始めようと決めたことを書き記して、「明日から実行すること宣言」。

参加者の皆さんの充実した表情が印象的なセミナーとなりました。

セミナー終了後はそのまま交流会を実施。参加者の皆さんが美味しいお料理とともに交流を深めました。