県を挙げて女性の活躍推進に力を入れようと、本年度から「女性活躍応援県おおいた」として取り組みを進める大分県。
その一環として、女性の活躍推進に取り組む企業を認証する新たな認証制度が始まりました。

制度の名称は、「女性活躍応援県おおいた認証企業（おおいたキャリエール）」。女性の登用や働きやすい職場環境づくりに取り組み、一定の基準を満たした事業者を県が認証するものです。
おおいたキャリエールの名称は、「キャリア」と「エール」を組み合わせた造語。認証企業はロゴマークを使用でき、ホームページや採用活動などで広報することができます。
今回、認証を受けたのは県内に事業所を置く37社。認証に当たっては、▷女性の労働者、管理職の割合が産業ごとの全国平均以上▷働きやすい職場づくりや採用目標などを盛り込んだ県の「女性活躍推進宣言」をする―といった要件があります。建設業17社や製造業5社、金融・保険業4社など多様な業種が名前を連ね、女性の活躍が広がっていることがうかがえます。
女性が働きやすい職場は、誰にとっても働きやすい環境の指標といえます。おおいたキャリエール企業、これから広がっていきそうです。

個々の状況に応じた柔軟な働き方に配慮

建設業のＭ・ＺＥＣ（瀧満代表取締役）は、住宅や工場の新築・リフォーム、公共施設工事などを手掛ける。中嶋佳奈恵さんは瀧代表の長女で後継者だ。
県内の大学を卒業後、星野リゾート（長野県）に就職。出産を機に古里に戻った際、「サービス業に近い」という家業の面白さに気付き、転職を決めた。現在は取締役総務部長として総務や営業を担当している。
１月時点で社員は11人。広報担当者の在宅ワークを認めるなど、一人一人が個々の状況に応じた柔軟な働き方ができるよう気を配っている。子どもの頃は放課後、事務所にいることが多く、小学２年になった長女も事務所で過ごすことがあるという。「まだ育休を取得した社員はいないが、社内で協力して、子育てしながら働き続けられる環境を整えたい」と話す。
建設業の間口や職域を広げようと、宿泊業への参入にも挑戦している。「女性が少ない業界で、働く仲間を増やしたい」と笑顔で今後の目標を語った。



中津市中殿町３－１５－２
℡０９７９―２４－８８１１
www.m-zec.com

子育てと両立目指し効率的に家事を工夫

上下水道や道路などの公共事業を中心に、測量や設計、補償などのコンサルティングを手掛ける日建コンサルタント。入社して６年目となる村山亜希子さんは、２人目の育休を経て今月、時短からフルタイム勤務となった。家事効率が上がる家電や便利グッズを使って料理時間を短縮するなど工夫しながら、子育てと仕事の両立を目指している。
村山さんは、総務部で契約書の作成や必要書類をそろえるなどの業務を担当。契約に関わる書類のデータベース構築にも携わった。「システムについて社内で聞き取りをして勉強するうちに他部署の業務が理解できるようになった。試行錯誤して完成させたことで仕事への自信もついた」と村山さん。吉田靖社長は、「職場環境の整備や専門性の高い仕事のノウハウを蓄積するため、DX化を推進している。業務体制の強化につながる活躍に期待している」と話す。村山さんは「もっと知識や経験を積み重ねて、会社の役に立ちたい」と意気込んでいる。




大分市豊海３―７－７
℡０９７－５３４－０３１３
www.nikken-c.jp

スキルアップのため時短の間に資格取得

土地の売買や新築一戸建て住宅・分譲マンションの販売の他、中古物件のリフォームなど幅広く不動産を取り扱う総合建設デベロッパー。開発事業部の久下夕佳里さんは２０１１年に入社し、土地の売買情報を集め、取得した土地を開発・プランニングする業務に携わっている。業務をより幅広く理解してスキルアップするため、育休復帰後の時短勤務の間に国家資格である宅地建物取引士の資格を取得。通勤時間を利用し、参考書の内容を朗読してくれるアプリを活用するなどして勉強時間を確保したという。「勉強は大変だったが、仕事で役立っていると感じる」と久下さん。
社員の半数が子育て世代というベツダイでは、働きやすい環境を整えることで仕事と子育ての両立を支援している。久下さんもフルタイム勤務となってから、勤務時間の一部をリモートワークにしている。「長く働き続けたいので、同僚と信頼関係を築くことを大事にしている。会社にとって必要不可欠な存在になりたい」と力を込める。



大分市向原東２―２―３０
℡０９７－５７４―６３３０
http://betsudai.co.jp