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「Woman NEO」第3期Vol.5

「Woman NEO」第3期Vol.5

シリーズ記事 2022.01.28
#女性応援サイト#ベツダイ#ウーマンメイク#フリースクール「ここのね自由な学校」#イクボス#父親コミュニティー#おおいた働きたい女性応援サイト

「男性の家事・育児参画が女性を後押し」

 県が取り組む「女性が輝くおおいたアクションプラン」の3本柱の一つが「仕事と家庭を両立できる環境づくり」。女性が子育てや介護などをしながら、働き続けられる社会や職場の環境整備が求められています。その鍵となるのが男性です。男性が子育てや家事のシーンでもっと力を発揮するようになれば、女性の活躍の場はさらに広がります。

当たり前の社会へ~組織育てるイクボス

少子高齢化が進み、労働力人口の減少が深刻な問題となっている日本。共働き世帯は増加を続け、働く女性は社会経済に欠かせない存在です。しかし「家事や育児は女性がやるもの」という考えがまだまだ根強く、共働き世帯でも、家事の大半を女性が担っている家庭は少なくありません。女性が仕事と家庭を両立させる理想のワークライフバランス(WLB)を実現するためには、男性も家事や育児を担うのが当たり前の社会になっていく必要があります。
九州地域戦略会議が2020年に実施した調査によると、九州・山口各県の6歳未満の子どもを持つ男性の家事・育児などの平均時間は、大分県が平日2時間43分で最長となりました。一方、男性の育児休業の取得率はまだ低く、同年の国や県の調査結果を見ると、全国平均の12・65%に対して大分県は9・9%にとどまっています。

県こども未来課は、男性の家事・育児参画を進める取り組みに力を入れています。その一つが「イクボス」の推進です。イクボスは、部下や社会、組織を育てる(イク)上司(ボス)のこと。部下やスタッフのWLBを考え、仕事とプライベートが両立できる職場づくりを進めます。就職時にWLBを重視する若者が増えている今、両立に向けた職場づくりは優秀な人材を確保するためにも欠かせません。県は専用ホームページ「おおいたイクボス宣言」を作成し、企業間にイクボスの輪を広げています。
同時に、父親のコミュニティーづくりも進めています。20年から県内各地で「子育てパパ応援講座」を開き、男性が育児や家事に参画する大切さを伝え、父親同士が知り合う場を提供しています。

広がる父親コミュニティー

 日田市で開かれた「子育てパパ応援講座」に参加した男性を中心に、サークル「ぼんちパパ倶楽部」が立ち上がりました。「おおいたパパくらぶ」など県内外のサークルと連携し、子育ての悩みを話し合ったり、イベントを企画したりしています。


代表の佐藤龍一さん(34)と事務局の安養寺智也さん(34)は、いずれも共働きで3児の父親。看護師の佐藤さんは勤務先で、男性で初めて育休を取得しました。「子どもや妻との関係が深まり、『家族のために頑張ろう』と仕事へのモチベーションが上がりました。子育て中の同僚にも配慮できるようになりました」。最近は職場の男性の間でも、子育てに関わる意識が高まっているそうです。


 公務員の安養寺さんは「育児をすると家事に目が向き、家庭のことを妻と分担する大切さがよく分かります。限りある時間の中で家族とどう過ごすか、『ファミリーファースト』で物事を考えるようになりました」と話します。
 育児も家事も「男性自らやろうとすることが大事」という2人。「例えばママから『こんなサークルに参加したら』と言われると、男のプライドが邪魔をして参加しなくなるんです」。男性が、職場や家庭でさりげなく子育て関連の情報に触れられるよう、女性も工夫をしてみては。

ウーマンメイク
従業員
真鍋麻衣子さん(38)
杵築市

チームワーク万全
笑顔絶えない職場




 国東市安岐町のハウスでリーフレタス、ホウレンソウの水耕栽培を手掛ける同社。1年半前に入社し、長女(高1)、長男(小2)の子育てと両立している。勤務時間は平日の午前9時~午後4時。他シフトの従業員が収穫した作物の検品・出荷作業に携わる。


 10年ほど前から農業法人で働いている。「急病や学校行事など、子育てに関わる勤務の融通に応えてもらいやすい業界。今は20~70代の女性ばかりの会社なので、さらに理解が深い」と話す。
 チームワークの良さも感じるという。「平山亜美社長をはじめ、仕事も家庭も全力投球している人ばかり。心身がきついときはすぐに助け合い、思い切った提案もできる社風が、笑いが絶えない職場を生んでいる」。自身も、子どもとの触れ合いがより深くなったと感じている。
 「おいしい野菜を全国に届ける夢をみんなでかなえたい」と希望は膨らむ。

ベツダイ
経営企画本部 広報企画部
黒木晃子さん(35)
大分市

女性の感性を積極活用
「母親目線」も生かす






 新築戸建て・マンションの販売や中古物件の売買・リノベーション、賃貸などを幅広く手掛ける不動産総合デベロッパー。2020年秋に入社し、各メディアやウェブを使ったPR戦略を一手に担っている。
 昨夏、長女を出産し、産休・育休から年明けに復帰した。「自社をアピールするポイントを考える際、母親ならではの目線が加わった」。ショールームに、キッズスペースや、授乳やおむつ替えに使える個室型ボックスを設けて、利便性を高めている会社への理解もより深まったという。


 社員210人のうち、女性は64人。以前は男性社会だったという同社は、女性ならではの視点を業務に生かそうと採用に注力し、子育てが一段落した人の応募も多いという。「子どもの急病対応など、家庭と仕事のバランスを合わせられる雰囲気の良さがある。より働きやすい環境にしたい。」

フリースクール「ここのね自由な学校」
副代表
秋篠 奈菜絵さん(37)
豊後大野市

生き生きと学べる
理想の学校目指す




 豊後大野市大野町にある「ここのね自由な学校」は、子どもたちの「やりたい」を生かした学びの場。現在、7~15歳の12人が在籍中で、教員免許を持つ秋篠さんは、基礎学習の指導を主に担当している。
熊本県合志市出身で、結婚を機に大分県へ。「多様な学び方ができる学校をつくりたい」と勤務していた小学校を退職。同じ思いを抱く仲間と共に、昨年4月、同校をスタートさせた。子どもたちの成長を見守る理想の学校づくりは、今も挑戦の日々が続く。「大変なことも多いが、それ以上にやりがいも大きい。子どもたちが生き生きと学ぶ姿が原動力」という。


 豊後大野市に暮らして約6年。夫の転勤で住んだ同市を気に入り、永住するつもりで家も建てた。二人の息子(8歳、6歳)の母親。「仕事と家族、そして自分のことも大切にしながら生活していきたい」と笑顔を見せる。

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