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自分をよく知り、セルフケア

自分をよく知り、セルフケア

セミナーレポート 2020.10.14
#セルフマネジメント#PMS#更年期#女性ホルモン

Woman NEOは9月、大分市のJCOMホルトホール大分でセミナーを開きました。NPO法人日本ホリスティックビューティ協会代表理事の岸紅子さんが「働く女性のセルフマネジメント PMSから更年期まで 女性ホルモンとの付き合い方」と題して講演しました。

体と心、外見のつながり

「ビューティーアイコン」としてメディアに登場し、10代の頃から多忙な日々を送っていた岸さん。さまざまな化粧品を使う中で肌がダメージを受け、30歳でストレスからぜんそくを発症。結婚後には卵巣のう腫が発覚し、健康の大切さを痛感しました。「外見の美しさは体の健やかさの土台があってこそ成り立つもので、体と心はつながっている。セルフケアは自分を愛すること。自分自身のことをよく知り、根本を見直しましょう」と呼び掛け、女性の体について話しました。

ホルモンを乱すストレス

月経をつかさどる女性ホルモンの働きによって、女性の体は月ごとの周期で変化します。岸さんは「初経年齢が早まり、出産回数が減るなどして、百年前に生涯100回ほどだった月経の回数が現代では450~500回になっています。現代女性はホルモンの乱用状態で、分泌機能も働き過ぎればエラーも出てくる。子宮内膜症や乳がんなどの病気が増えています」と指摘。「閉経前後には女性ホルモンが働き過ぎの状態から一気になくなるため、急激な変化によって、自律神経失調症などのさまざまな症状が現れます」と更年期障害についても説明しました。

下腹部痛や頭痛、肌荒れ、集中力の低下といったPMS(月経前症候群)と呼ばれる症状は働く女性に多く見られることにも触れ、日々のストレスケアの大切さを強調。「ストレスに反応する脳の視床下部は、女性ホルモンの指令を出すところでもあり、ストレスは女性ホルモンの乱れに直結します。毎日必ずストレスケアをしてください」。お薦めは「香り」で、「いい匂い」と感じるものを嗅ぐとストレスの値が下がったというデータもあるそうです。

ライフスタイルを整える

続いて、ホルモンバランスの整え方を紹介しました。▽ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富な食事を取る(脳と腸はつながっていて、腸内細菌が女性ホルモンの刺激物質をつくります)▽カフェイン、アルコール類は控える▽良質な睡眠をとって疲れをしっかりとる▽ゆっくり入浴して体を温める▽体を動かして血行をよくする▽リラクセーションで心身を癒やす―など、ライフスタイルを整えることが大事だと分かります。深呼吸も効果的で、時間をかけて口から息を吐ききり、鼻から自然に吸って、いったん止めることを繰り返します。

PMS対策や、後期高齢者に多い子宮脱の予防につながる骨盤底筋トレーニングも教えてくれました。タオルやハンカチを筒状に丸めて椅子に置き、その上に座って、会陰でつかんで持ち上げるイメージで力を入れます。

最後に「私たちはあらゆるものとつながっていて、生命体の健康は地球のエコシステムの健康そのもの」と岸さん。「日常の中で、自分の健康を考えながら一つ一つの選択をしていくことが地球環境の改善につながります。健康でいれば医療費も削減され、社会貢献にもなります」と、ホリスティック(全体的、包括的)なセルフケアの意義を説きました。
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