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「可能性を拡げるもの」

2018.12.20

「可能性を拡げるもの」

みんなちがって みんないい。

この有名なフレーズは、童謡詩人 金子みすずさんの「わたしと小鳥とすずと」の詩の一説にあることばです。
このことばを目にし、張り詰めていたものがふっと緩むような優しい感覚を覚えたことがあります。
全てのものに正解があるとは限らない。
違いを認める寛容さ。そこから生まれる心の余裕。
その隙間が人を優しさで包み、人が本来持つ力が出てきたり、新しいものを生み出してくれるきっかけになるのかもしれません。

今年の4月から幼稚園に通うわが次男。
支援が必要なため、私も一緒に通い、幼稚園で一日一緒に過ごしています。
特性のある次男と一緒に過ごす時間を重ねていくことで、その特性を幼稚園の先生やお友達が知り、フォローしてくれたり、すぐにできなくても待ってくれたり。
そんな思いやりや優しさにあふれたふれあいの中で、次男は徐々にできることをみつけています。

違いを認める。違いを受け入れる。

次男の周りの方々から教えていただいている大切なこと。
違いを認め、受け入れてもらうことで、何ができるとかできないとかではなく、
次男の存在そのものに価値があることを感じさせてもらっています。
母親である私の方が、子供ができなくて仕方がないことにやきもきしたりしているのにもかかわらず。

先日、あるテレビ番組で「注文をまちがえる料理店」の紹介がありました。
注文をまちがえるって!?
そのタイトルを聞いた途端、興味津々。
普通なら間違えたら大変!
お客のクレームが飛んでくるようなイメージが浮かびます。
実はそのお店、ウェイターがすべて認知症を抱える人、というコンセプト。
「時々注文をまちがえるかもしれないことを、ご承知ください」、
そして「こっちもおいしそうだし、ま、いっか。そんなおおらかな気分が日本中に広がることを心から願っています」とそのお店のホームページでも堂々とうたっています。

そのテレビ番組では、デザートを注文する様子がありましたが、
注文できるデザートは3種類。
注文用紙もわかりやすい工夫がされています。

そのお店でその日ウェイターをしていた方々は、高齢で日ごろ施設に入居しているのでお仕事をしていませんが、その日だけは特別。
注文をとりながらテーブルのお客様と会話をする時のきらきらとした笑顔は素敵でした。
間違ってもいいという、寛容な心から広がる発想。
そして生まれた新しい空間。
そこには参加者の笑顔や楽しい会話がありました。

その日ウェイターに挑戦している方のご家族がお客様で来店し、
笑顔で接客する姿を見て、笑顔を久しぶりに見たと言っていました。
新たな可能性を見たようでした。


2018年も残りわずかとなり、今年の流行語大賞が発表されました。
大賞は、カーリング女子の「そだねー」に。
「そだねー」は「そうだね」という言葉を北海道弁で言った言葉。
チームで大会中や試合中はポジティブな言葉だけを発する、いうルールだそうで、
この「そだねー」は、相手の言葉を否定ではなくまずは肯定し受け入れる、という姿勢が生む言葉であると思います。
そうやって互いを認め尊重することで、互いの持ち味が活かされ、結果として強いチームへと成長できたのかもしれません。


違いを認め、受け入れる。
受け入れることで、互いの存在が生きてきます。
さらにその違いを活かすことで、新たな可能性が生まれます。
そこに必要なのは、寛容な心ではないでしょうか。
今年あったさまざまな出来事からしっかり学びとり、新しい年への糧にしたいものです。

ママアンバサダー 板井善江

「可能性を拡げるもの」

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