MAMA STYLE様々なママの様々なスタイルを
ご紹介します

2021.01.26

楽しいことが大好き!
夢は、家族みたいな保育園を作ること

佐藤洋枝さん[保育士]

今回のママ:
佐藤洋枝(さとうひろえ)さん[保育士]51歳・佐伯市出身・佐伯市在住
(23歳・16歳の一男一女の母)

経歴25年のベテラン保育士・佐藤洋枝さん。昨年10月に佐伯市にオープンした「さいき城山桜ホール」の子育て支援室「さくらっ子」で主任保育士として働いています。一方で、ママたちの心の拠り所になるようにと自宅サロンを開いたりイベントを企画したりと「ママたちに子育てを楽しんでほしい」という想いで、様々な活動も行っている佐藤さん。太陽のような笑顔に、みんなが癒される理由とは?

私と同じ想いをしているママたちの
力になりたい

「ママのままプロジェクト」のラジオ「ままともラジオ」の特派員として、佐伯市を中心に県南の情報やママたちに嬉しい情報を発信してくれている佐藤洋枝さん。取材に訪れたのは、昨年10月にオープンしたばかりの「さいき城下桜ホール」。職場もこの施設内にある。私よりも年下と思い込んでいたので、取材を始め年齢を聞いてびっくり! コロナになり、度々マスクマジックに踊らされることが多いのだが(マスクを取ると、あれ?みたいなね)、マスクを取っても透明感のあるお肌から垣間見れる若さ。息子さんは23歳ですでに社会人、娘さんは高校2年生と、実は私たちよりも先輩ママだった。



佐伯で生まれ、佐伯で育ち、佐伯で暮らす生粋の佐伯人。大学時代は福岡に進学し幼児教育を学び、卒業後は地元に帰る予定だったのだが、福岡の幼稚園に就職が内定。…のはずが、これまた一転二転「お財布を小脇に抱え、ランチに行くパンプス姿のOLさんに憧れて…」という安直な(失礼!)な理由で、博多駅に近いソフトウェアの会社へ就職。当時はバブルも弾け、花金(今では死語)を謳歌し、海外旅行三昧の華やかなOL生活を約3年間送った。この話を聞いてなんとなく、直感で物事を決めていく性格が見え隠れ…。その後は、地元に帰るという約束を守り23歳で帰郷し、地元の保育園に就職。25歳で結婚するのだが、ご主人の出会いが映画のようにあまりにも運命的で素敵なのだ。

福岡で働いていた時のこと。雑誌でチェックしていた美容院を訪れた洋枝さん。対応してくれた美容師さんを見て驚いた。同郷で親同士が仲良しだった、現在の旦那さんだったのだ。「こんなところで会うなんて!元気?」とお互いにびっくり。その後は再び美容院を訪れることもなくそれっきりだと思っていたのだが、当時の職場仲間と三井グリーンランドに遊びに行った時のこと。前から歩いてきた集団の中に見覚えのある人が…。「え?嘘!」。そう、まさかの再会! すでに美容師を辞め、佐伯に戻って仕事をしていたご主人は職場仲間と訪れていた。「さすがにちょっと怖いぐらいびっくりしました。なんか縁があるんだろうなって感じましたね」。翌年、洋枝さんは佐伯に戻り、家族同士で一緒に食事することに。それ以降、トントン拍子に話が進み、25歳で結婚、28歳で第一子、34歳で第二子を出産した。



臨時で保育園に勤めていた洋枝さんは、第一子出産時に一旦職場を辞め、落ち着いてからは同じ保育園に就職。第二子出産の時は正社員になっていたので産休を取りながら、仕事を続けた。

「15年ぐらい同じ保育園でお世話になり、働きました。私が40歳くらいの時、長男が小学校4年生ぐらいの時です。ちょっと早い反抗期が始まって…。その頃、私も仕事が楽しくて、家でも仕事をしてたくらいでした。息子は大人しく聞き分けのいい子どもだったので私も仕事に没頭していたんですが、じわじわと反抗期が始まり、5、6年生で爆発してしまったんです。学校に行きたくないと暴れ出したり、裸足で家を飛び出して追いかけたり、石を投げてガラスを割ったり、車を傷つけたり…。今考えると、私に対する何らかのメッセージだったと思うんですけど、あの時は気づいてあげられなかったんですよね…」。小さい頃からずっと一緒に野球をしてたお友達が支えになり、息子さんはその時期を乗り越えることができたそうだが、この出来事は洋枝さんにとって転機を与える経験となる。

「保育士なのに、自分の子どもさえちゃんと見てあげられてないという想いで苦しかったですね。その時くらいから、私と同じような悩みを持っているママたちもきっといるから、そのママたちをサポートしてあげたい、いろんなママたちと関わりたいという想いが出てきたんです」。

佐藤洋枝さん[保育士]

ママたちの癒しの場所を。
「楽しい!」直感で繋がる輪

その後、自分の活動に力を入れたいと45歳で長年務めた保育園を退職。ベビーマッサージやアロマの資格を取得し、ママたちがいつでも集える場所「おうちサロン くるーむ」を自宅に開設。インターネットでたまたま見つけ、心を奪われた手形アートの勉強もし「ママたちの癒しの場所」を目指した。

現在、子育て支援室の壁に貼っている、子どもたちの手形で作られた作品も洋枝さんが企画し、完成したものだ。また、これまで佐伯では体験できなかったマタニティヨガも、講師との出会いをきっかけに、月1回、支援室で開催されることに。「これ楽しそう!と思ったら居ても立っても居られないんです。だからすぐに会いに行きます!」。ベビーマッサージ、ヨガ、アロマ、手形アート…。そこで出会った人との繋がりが化学反応を起こし、新しい輪が広がっていく。彼女の直感と行動力には頭がさがる思いだ。



「さいき城山桜ホール」の子育て支援室の開設に、立ち上げ当初から携わっていた洋枝さん。子ども支援室の委託事業を佐伯市が募集した際、佐伯市の子どもミュージカルを主催する「NPO法人さいき劇場」が名乗りをあげた。「さいき劇場」は、街中の商店街にママたちが集える場所を開設しており、そこで手形アートを教えていた関係もあり「支援室の運営が決まったら、ぜひスタッフとして働いて欲しい」と声をかけてもらった。

「市の担当の方たちと一緒に考えながら支援室を立ち上げました。今まで関わってきたママたちを見ていて思っていたのが、児童館などの施設で子どもを安心して遊ばせられないという不安があるなということ。赤ちゃんから小学生までいろんな年齢の子どもが同じ場所で遊ぶのはたまに危ないなと感じることもあります。なので『さくらっ子』では年齢で分けたゾーンを作って、ママたちが安心して遊ばせられる様にしてます」。



洋枝さんのこれまでの経験が、こんな場所でも活かされている。小さな赤ちゃんから未就学児までが同じ空間で安心して遊ぶことができるのはママたちにとってありがたい場所だ。

実は洋枝さん。サシェのハンドメイド作家としても活動している。その繋がりで佐伯の作家さんを集めたイベントも行っていた。残念ながら現在はコロナの影響で開催できない状況だが、今年5月の連休ぐらいにコロナが収まっていれば、さいき城山桜ホールを使った大きなイベントを開催したいと目論んでいる。次から次へとやりたいことがたくさんあふれてくると洋枝さん。楽しいことを考えたり企画したりするのが好きだから、いろんなアイデアが浮かんでくる。

「保育園の時の教え子がママになって子どもを連れてきたり、息子の友達が子連れで遊びにきたり、なんか不思議な感覚。我が子じゃないけど我が子の様な存在だから、一緒にこれからの子育てを見守っていけるのも嬉しいですね」。

ある日、有名な占い師に見てもらった。洋枝さんの目をじっと見つめた後、色紙に筆を走らせこんな言葉を書いたそうだ。『直感と感性の子ども。毎日今日は何をしでかしてやろうかとワクワク。楽しい事で心踊らせ、いろんなことにチャレンジする人』。それを見た洋枝さんと、同席していたお友達は思わず笑ったそうだ。「あまりにも私のことを言い当てていて(笑)。友達は『そのまんまやん!』って言ってました」。子どもは楽しいことを見つける天才。占い師の目には、子どもの様に純粋な洋枝さんのハートが透けて見えていたのだろう。

佐藤洋枝さん[保育士]

見えないママを
サポートできる活動を

元気な洋枝さんにつられ、いつも周りには元気なママたちがいっぱい。その一方で、こんな想いもある。

「ここに子どもを連れて遊びに来るママたちは活動的な人たち。でも、表に出るのが嫌だったり、ママたちの輪に入れなかったり、ここには遊びに来れない〝見えていないママ〟もたくさんいると思うんです。そんなママたちが集える場所を作りたくて『ママココ』という活動も支援室で始めました。私、ママたちにとって切り替えのスイッチってとても大事だと思っていて。例えば、美味しいものを食べに行くとか、自分の好きなことをする時間だったり。少しの間子どもと離れて自分の好きな時間を過ごすのって、リセットできてリフレッシュするから、その後子どもとも気持ちよく接することができると思うんです。そういう時に支援室の一時預かりとかを上手に利用してほしいんです。家にこもっているママたちはそんな利用方法があることを知らないかもしれない。そんなママたちにも寄り添っていけたらいいなと思います」。

最後に、夢を話してくれた。

「私、保育園を作りたいんです! 同じ想いを持った保育士さんと一緒に、小ちゃいけどあったかい、まるで家族の様な保育園。ママたちが元気に、子育てを楽しんでもらえる、そんなサポートをこれからも続けていきたいです。みんなが楽しくなるといいですね!」。

佐藤洋枝さん[保育士]

子育て子育ち支援室さくらっ子
https://www.instagram.com/sakurakko5370/

おうちサロン くるーむ
https://www.instagram.com/_____cruum/

ママココ
https://www.instagram.com/mamanococo/

この記事のライター:安達博子

「毎日がワクワクしていて、楽しい!」と満点の笑顔で話してくれた洋枝さん。ベテランの保育士さんだし、年上ということでお姉さん的な安心感もあるのに、直感的に行動する無邪気さも兼ね備えている、とても不思議で魅力的な女性でした。歳をとればとるほどいろんな雑念がくっついてきて「楽しいことが好き!」ってなかなか言えないと思っていたけど、洋枝さんを知るうちにそれは間違いだったことに気づきました。人生楽しんだもん勝ち! その言葉を体現してくれている先輩ママです。洋枝さんを中心に「ママのままプロジェクト」の県南エリアはこれからさらにパワーアップしていきそう。いろんなこと、一緒にやっていきたいですね! これからも末長くよろしくお願いしまーす。

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