2022.03.29
今回のママ:
黒木晃子さん[不動産デベロッパー 広報企画部]
35歳・大分市出身・大分市在住(0歳8ヶ月の女の子の母)
出産後、職場に復帰したり、仕事を始めたり、新たな生活が始まる4月。「子育てだけでも精一杯なのに、職場に復帰したらどんな生活が待ってるの!?」といった不安も良く聞きます。今回取材した黒木晃子さんは、現在、不動産総合デベロッパー「ベツダイ」で働き、産後半年で現場に復帰。現在、8ヶ月の娘さんを、ご主人や両親と育てながら、家事、育児、仕事に奮闘中だ。夫婦がキャリアややりたいことを尊重し、自分たちらしく育児をする、まさに“チーム育児”を実践している黒木さん。忙しい毎日を送る彼女を突き動かすパワーの源とは。
黒木さんとは以前、何度か一緒に仕事をしたことがあり、面識があった。年明けから職場復帰を果たしたのは知っていたけれど、こんな形でご一緒できるなんて! 彼女はどんな道を歩み、どんな暮らしをしているんだろう…。黒木さんのパーソナルな部分について聞くのは初めて。同世代ということもあって、ドキドキしながらインタビューがスタートした。
大分市出身で、高校卒業後は関西の大学に進学。当時はファッション系ECサイトの台頭期で、さまざまなアイテムがネットで買えるようになった頃。
「消費者の心を掴み、多くの人に注目してもらうには?」とマーケティング分野に興味を持ち、経営企画に関する学部で大学院まで進んだ。大学院を修了後、大分へ戻り、地元の放送局に就職した。「就職先選びのとき、何より重視したのは“大分で働く”ということ。大学での学びを活かせる広告やPR業界など何社か受けましたが、どうせならワクワクする会社で働きたいと思い、テレビ業界へ進みました」。
この職場で今のご主人と出会うことになる。同じ部署の同じチームで、コミュニケーションを取りながら、様々な業務にあたった。喜びや辛さを共有し、お互いに信頼できる2人は自然と惹かれ合い、結婚。
ホテルで1年ほど働いた頃、大きな転機が訪れる。新型コロナウイルスの感染拡大だ。観光・ホテル業界は大打撃を受け、黒木さんの職場でも人員調整が行われることになった。これまでは日勤だったのが、早朝勤務や夜間勤務など、シフトが大きく変動すると知らされた。ホテルの業務は好きだったが、働く条件が理由で泣く泣く退社することになった。
そして、新築戸建て・マンションの販売や中古物件の売買・リノベーション、賃貸などを幅広く手掛ける「ベツダイ」へ。出産しても長く働き続けたいと、制度や仕組みについてしっかりリサーチし、面接の際にも仕事と家庭の両立について質問した。子を持つ母親が多く働いている点、子どもの体調不良にも対応しやすい点に魅力を感じ、入社を決意した。現在は、戸建てやマンションなどの商品開発や広報、メディアやWEBを活用したPR戦略を担っている。
産後半年といえば、睡眠不足に肩こり・腰痛、だるさと、まだまだ体調は万全とは言えない状態。スピード復帰を果たした彼女に、現在の体調や家庭と仕事との両立について聞いてみた。
「背中や腰などが痛み、整骨院などに通っていたこともあります。なかなか回復せず、いまだに痛むこともあって…。そして、まだ子どもが保育園に入れず、待機児童なんです。しかし、私が復職するタイミングで、主人がホテルに育児のための休暇を申請してくれました。ちょうど2〜3月がホテルの閑散期ということもあり、快くOKをいただきました。現在は、主人がメインで子育てをしています。主人が仕事に出ないといけない日は、お互いの両親が仕事を調整して、子どもの面倒を見ることも。今は、家族みんなの協力があるからこそ、家庭と仕事が両立できています」。
株式会社ベツダイ
https://betsudai.co.jp/
この記事のライター:安田恵
彼女が仕事を続けるのは、“子育てを理由に諦めたくない”という想いがあったから。家族のコミュニケーションや、毎日を乗り切るコツ、大切にしているマインドなど、黒木さんの胸の内をたくさんお話いただきました。これまで、私自身も「結婚したから、子どもがいるから…」を理由に、自分のやりたいことを断念することも多かったですが、はじめから諦めるのではなく、どうすればできるのかを考えてみます。“孤育て”をするのではなく、周囲に相談したり、協力を得る大切さを感じる取材でした。