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2025.09.23

同じ経験をするママたちに伝えたい
自己実現も子育てもどちらも大切だということ

川口由莉佳さん[キャンドル講師・広告代理店勤務]

今回のママ:
川口由莉佳さん [キャンドル講師・広告代理店勤務]
39歳・大分市出身・大分市在住
(小学校5年生・3年生の一男の一女の母)

くつろぎ時間にアロマやキャンドルを灯すのが好きという方も多いと思う。私もその中の一人。香りや揺らめく灯りに癒やされ、忙しい時間を忘れさせてくれる…。今回ご紹介する女性は、キャンドルに魅せられキャンドルの講師となった川口由莉佳さん。現在は広告代理店での仕事と並行して活動している。子育てと仕事との両立に奮闘しながら、自分らしい道を切り開いてきた由莉佳さんはイベント出店やレッスンを通じて、暮らしに「癒やし」と「彩り」を届けている。

思い切り働けないジレンマと
子育てのはざまで悩む日々

大分市生まれの大分市育ち。大分県立大分豊府高等学校を卒業後、現在の大分大学理工学部共創理工学科応用化学コースへ。「小さい頃から理科が好きで、花火のカラフルな色はどうやって生まれるんだろうとか、そういうことにすごく興味があって実験も好きだったんです。大学では化学を学びましたが、研究職の仕事に就くには大学院まで行く必要があったし、就職するのも狭き門…。私はそこまでしてそれを仕事にしようという思いはなかったんです」。


大学卒業後は、名古屋にあった化粧品メーカーに就職。もともと美容には興味があり、人を綺麗にして感謝される仕事に惹かれた。入社後すぐに、商品の使い方やメイク方法を販売店に伝える販売教育部というインストラクター職に就き、その後は営業部員に。「店舗の方々とどうやったら店舗売り上げが伸びるかを一緒に考えられ、お客様により密に関われる仕事ですごくやりがいを感じました」。

入社して3年目の25歳の時に、大学時代のバイト先で同じだったご主人と入籍。転勤族のご主人とは遠距離婚のような形で1年間過ごし、ご主人の大分転勤を機に由莉佳さんも大分支店へ移動し、再び販売教育員として働いた。その後、28歳の時に第一子、30歳で第二子を出産。産休、育休を取得し、第一子の時は産後10カ月で仕事に復帰した。


「それまでは、頑張れば頑張るほど仕事のキャリアも積めて、収入も上がって、いいことだらけと思っていたんです。でも出産して、忙しい主人には頼れずほぼワンオペで子育てと仕事に頑張っているのに、子どもとの時間がないって本当に幸せなんだろうか…と矛盾を感じるようになったんです。常に会社でも家でもアクセルを全開に踏んでいるような毎日で、時間に追われて子どもを急かしている自分も嫌だった。夫も子育てに関われない、私も関わっていない。じゃあ、誰が二人を育てるんだろうって思ったんですよね。思い切り働けないジレンマと、その一方で子どもたちの成長も見逃したくないという葛藤もあって。欲張りなのかもしれないですけどね」。そんな時は実家のご両親が全面的にサポートしてくれたが、親に迷惑をかけていると自分を責める時もあった。

働きながら好きなことを
諦めない道を模索

13年間続けた化粧品会社を35歳の時に退職。退職後は職業訓練校で医療事務とITのスキルを積んだ。「この時はまだこれからのことも悩んでいたんです。今までよりも働きやすい会社で普通に正社員になろうか? 医療事務? パート? と、働き方に悩みながら訓練校に通っていました」。

そんな時、習い事の送迎時間に車のラジオから流れた、当プロジェクトのラジオ番組「ままともラジオ」をたまたま聞いた。「ままいろフェスタ」開催の告知だった。「漠然と、ハンドメイドのキャンドルを販売してみたいなと思っていた時だったので、ままいろフェスタを見に行ったんです。そこでは、いろんなママさんたちが活躍していて、自分のやりたいことを実現している方々がたくさんいて、それを見て私もキャンドル事業をしながら働けたらいいなぁ…と考えるようになったんです」。

職業訓練校を卒業後、キャンドルの活動をしながら働ける仕事を探していたところ、中小企業の経営者をサポートする会社でフルリモートで働けることになり、業務委託契約することに。同時に『キャンドルプリズム』という屋号で、念願のキャンドル事業の活動を開始した。

疲れた心を癒してくれた
キャンドル

「私自身、子育てと仕事で疲れていた時にキャンドル作りに触れたことで心が少しずつ和らぎ、自分を取り戻す時間を持てるようになりました。キャンドルには花の欠片や破棄されるはずだったロスフラワーが使われることもあって、花びら一枚からでも美しいキャンドルになります。捨てられる命にも再び光を与えたいですね」。そんな思いから生まれるキャンドルは、環境にも優しく、見た人の心をホッと温めてくれる。

今年の夏には仕事が契約終了し、そのタイミングで広告代理店での就職が決まった。今後は仕事とキャンドル事業の活動を並行して行なっていく由莉佳さんにとって、また自分らしい新たな道を開拓する時期なのかもしれない。

子どもたちが挑戦する姿に
刺激を受けて

現在、小学生の息子さんは陸上やサッカーに励み、娘さんはピアノやチアダンスに挑戦中。子どもたちの夢中で取り組む姿に刺激を受けながら「今後は、キャンドルを商品として販売したり、レッスン動画の販売もしてみたいなと思っています」と、由莉佳さん自身も新しい挑戦を続けている。


キャンドルを灯すと、その時の記憶まで暖かく蘇ると、由莉佳さん。その時に一緒に作った思い出に励まされることもあると話してくれた。「自己実現も子育てもどちらも大切で、そのはざまでもがくのは本当に苦しいです。うまくいかない日もあります。でも乗り越えられると感じた瞬間、その経験は必ず誰かの力になるはずって、同じ経験をしているママたちに、自分の経験から学んだことを伝えられたらいいなと思いますね」。

由莉佳さんの新しい挑戦は、頑張るママたちの心を包み込む、優しいともしびとなるだろう。

川口由莉佳さん[キャンドル講師・広告代理店勤務]

この記事のライター:安達博子

小さい頃から理科が好き、実験が好き。そしてお母様が買ってくれた色数の多いクーピーの影響で〝色〟が好きになり、今のキャンドルの活動がある…。これって、ずーっと散らばっていた点が線になって、現在につながっていると思わずにはいられませんでした。好きなものって幾つになっても自分の中に存在してて、いつの日かこうやって形になるんだなぁと、由莉佳さんを取材させてもらい感じました。9月からママのままプロジェクトを運営するニッコン株式会社に入社し、これからはキャンドルの講師業と、広告代理店のお仕事を併行していくわけですが、由莉佳さんなりの色をプラスしながら、これまでに見たことのない世界が見れるよう頑張ってくださいね。今後、一緒にお仕事することもありそうなので、これからもよろしくお願いします!

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