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2024.07.12

働く女性の健康について
〜もっと知ろう!ライフステージとわたしのカラダ〜

働く女性の健康について

Woman NEO セミナー&交流会
講師:大塚製薬株式会社 ニュートラシューティカルズ事業部
九州第一支店 女性の健康推進担当 中山 侑紀さん

県内で働く女性たちを対象にした「Woman NEO」のセミナー&交流会。2024年6月18日に開催されたセミナーには県内在住の働く女性24名が参加しました。講師としてお招きしたのは、大塚製薬で女性の健康推進を担当する中山侑紀さん。「働く女性の健康」をテーマに、女性自身の健康に対する正しい意識・知識・行動について講演を実施しました。

講師インタビュー|中山 侑紀さん

大学で健康とスポーツを学び、大学院卒業後は大塚製薬株式会社に就職しました。産婦人科や整形外科をまわり、女性の特有の健康課題解決をサポートする製品を提案したり、企業や団体に向けた講演、セミナーを開催しています。

近年、月経困難症への注目や子宮頸がんワクチンの推奨など、女性の健康推進が啓発されていますが、女性のヘルスリテラシーはまだ低い状況にあります。女性は更年期や月経前後の不調に関する症状があっても「我慢するしかないもの」と捉え、婦人科に受診することをためらわれる方もいらっしゃいます。

健康に関する正しい知識を得て、必要に応じて婦人科への受診、定期的な健康診断を受けるよう意識しましょう。前向きなキャリア形成のためにも、自分の体を理解し、健康と向き合うことが大切です。

女性の健康と仕事を考えるうえでは
女性ホルモンと上手く付き合うことがポイント

「SOYJOY」「ポカリスエット」「ボディメンテ」など、主催者からの沢山のお土産に会場が湧く中、中山さんの自己紹介からスタート。「女性のライフステージは小児期、思春期、性成熟期、更年期、老年期に分けられ、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量によって身体にはさまざまな変化が起きます」と語り、講演会はスタートしました。


中山さんが「一生の間に分泌されるホルモンの量は?」とクイズ形式で参加者へ問いかけると、皆、頭を悩ませながら回答だと思う選択肢に挙手。「実は、一生のうちに分泌される女性ホルモンの量はティースプーン1杯分」と中山さんが答えると、参加者たちは意外な答えに驚いていた様子でした。

続いて、月経前症候群(PMS)の原因と対処法についての説明。「PMSには不安やイライラなど様々な症状があります。月経前症候群は、『月経前3~10日間の黄体期に続く精神的あるいは身体的症状で、月経発来とともに減弱あるいは消失するもの』と定義されていますが、現在のところ統一した診断基準は定められていません。PMSの症状の中でも特に精神症状を中心とする重症型を月経前不快気分障害(PMDD)と呼ばれ、約1.2パーセントの女性が悩んでいます」と述べました。

月経前の症状で「仕事を辞めようと思った・既に退職した」「昇進を辞退するか悩んだ・辞退したことがある」人は共に約60%というアンケートも。やはり、就業面でも女性の健康を理解することは大切であるということがわかりました。

「月経の記録(周期、時期、症状の重さなど)をつけ、女性ホルモンのサイクルを理解することを意識してほしい。可能であれば、自身の体調を鑑みた仕事のスケジュールを組んでみてください」と続けます。そのほか、軽い運動、マグネシウムやビタミンB6を含む食材を意識的に摂る、加味逍遙散などの漢方薬、産婦人科医と相談し、月経困難症と判断されれば低用量ピルの服用などを対処法として紹介しました。

また、現代の女性は、生涯で経験する月経の回数に関する調査結果も報告。昔の女性は約50回程度だったものの、昨今の晩婚化や晩産化によって、現代女性の月経回数は約10倍。女性ホルモンの分泌の変化が多くなるため、月経に関するトラブルが増えていると紹介されました。「中には、子宮筋腫や子宮内膜症などの病気が潜んでいる可能性も。いずれも早期発見が大切なため、自身で経血の量が多い、性交痛、排便時痛、月経以外での腹痛があると感じる人はかかりつけの産婦人科に相談してほしい」と説きました。

働く女性の健康について

体調に不安を感じたら
年に1回は定期的な検診を

続いてのテーマは、「プレコンセプションケア」の重要性について。コンセプションとは妊娠・受胎という意味。プレコンセプションケアとは妊娠前における若い世代、女性と夫・パートナーのヘルスケアのことです。「妊娠前のヘルスケアは女性だけでなく、夫やパートナーと一緒に考えることで、今の健康はもちろん、将来の自分、未来の赤ちゃんの健康につながります」と中山さん。


「妊娠超初期は、赤ちゃんの神経管が形成される大切な時期。この時期にこそ、葉酸の摂取、適正体重の維持、栄養バランスの重視などが推奨されています。ただ妊娠超初期は妊娠自体に気づかないことも多いため、だからこそプレコンセプションケアとして妊娠を計画している段階からの心掛けが大切です。「葉酸」は、妊娠計画中や妊娠初期に必要とされている1日の摂取推奨量を毎日食事から摂取しようとすると、鳥のレバー40gで約520μg、とうもろこし6本分で約600μgと現実的な量ではありません。サプリで効果的に摂取しましょう」。妊娠中の体重管理と栄養素の重要性、低出生体重児のリスクについても言及しました。

中山さんは、子宮がん検診と乳がん検診の必要性も説明。「子宮頸がんは、20代から急激に増加し、30代でピークを迎えます。好発年齢としては25歳から50歳。年間で1万人が罹患し、約3000人が亡くなっています。自治体によっては健診に対する補助が出されていることもあります。2年に1回は定期的に受診をしてください」と述べました。

働く女性の健康について

女性のキャリア形成には
健康に対する知識や理解が重要

年齢を重ねると、規則的であった月経周期が不規則になり、やがて閉経を迎えます。個人差はありますが50歳前後で閉経する人が多く、閉経の時期をはさむ前後数年ずつの約10年間(一般的に45〜55歳頃)が更年期と定義されています。


更年期には卵巣の機能が低下し、エストロゲンの分泌が急激に減少していきます。その結果、ホルモンのバランスが崩れ、月経周期の乱れやエストロゲンの欠乏により心身にさまざまな不調があらわれます。症状の種類や強さは個人差がありますが、更年期に現れる多種多様な症状の中で、器質的疾患に起因しない症状を「更年期症状」といい、仕事や家事など日常生活に支障をきたしてしまうほどの重いものを「更年期障害」と呼びます。「主な症状としてホットフラッシュ、不安、イライラなどが挙げられ、ホルモン補充療法(HRT)、漢方薬、抗うつ薬、カウンセリングなどの治療方法があります。また、セルフケアとしてエクオールの摂取等も挙げられます。」と述べました。

大塚製薬が展開する女性の健康推進プロジェクトでは、WEBサイト「更年期ラボ」「PMSラボ」を紹介。「女性が、自身の健康をよく理解していると答えた人は2割程度。また、女性の社会進出が叫ばれるものの、周囲の女性の健康に対する理解はまだまだ進んでないと感じています。自分自身で知識を習得したり、行動を変えてみたりすることが重要です。婦人科や内科のかかりつけ医を持ち、定期的に産婦人科健診、検診をすることも含め、セルフケアに努めてほしい」とセミナーを締めくくりました。



セミナーのあとは、そのまま異業種交流タイムへ。4〜5名ずつのグループに分かれ、名刺交換を行い、参加者たち自身の健康や仕事、趣味などについて自己紹介。講演会の感想や、自身が抱える健康の悩みなどを語りながらコミュケーションを深めていました。皆が積極的に会話を楽しみながら充実した時間を過ごし、セミナーは幕を閉じました。

働く女性の健康について

おおいた働く女性応援プロジェクト WomanNEO
https://mama-no-mama.jp/woman-neo/

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