WORK働いているママ・これから働きたいママに
プラスとなる情報を紹介します。

2024.08.13

ママ仕事file vol.8 [髙野久仁子さん]

子育てと仕事を両立するママのライフスタイルを紹介する「ママ仕事file」。今回は、大分大学医学部附属病院の血液内科で医師として働く髙野久仁子さんにインタビューしました。現在、2児の母として、仕事と家事・育児をこなす彼女に、1日のライフサイクルをはじめ、両立の方法、医師としての患者さんへの思いなどを聞きました。



Q 現在の業務内容を教えてください。

現在は、大分大学医学部附属病院の血液内科で白血病や悪性リンパ腫などの血液疾患を抱える患者さんの治療に携わっています。また、大分大学医学部で教鞭を執ったり、大分市内の病院へ診察に行くことも。以前は、オンコールや抗がん剤投与、採血など夜間の対応も多かったのですが、働き方改革に向けた取り組み「タスクシフティング」が推進されたこと、他の医師の理解や協力もあって、子育てをしながら仕事ができるようになりました。サポートしてくれるスタッフの皆さんには本当に感謝しています。


Q 医師を志した理由を教えてください。

広島の高校を卒業後、臨床検査技師を目指して東京医科歯科大学に入学しました。小児科で子どもたちと遊ぶボランティアに参加し、白血病を患う女の子と仲良くなりました。毎日何気ない話で盛り上がって、楽しく活動していたのですが、ある日突然亡くなってしまいました。その出来事が本当にショックで、そこから医師を志すようになりました。大分大学の医学部に編入し、医師免許を取得して今に至ります。

Q 家ではどんなお母さんですか?

キャリアも長くなり、後輩たちに指導する立場になりましたが、子どもたちからすれば“忘れっぽいしおっちょこちょいなお母さん”だそうです。でも、「ダメなお母さんだから支えてあげなきゃ」と思うのか、息子たちがたくましくなり、たくさんサポートしてくれるようになりました。両親は遠方でひんぱんに頼ることができないため、家事や育児は夫と上手に分担しています。子どもたちが大きくなったとき、「母さんってカッコいい」って思ってもらえるといいなと思っています。


Q これまで続けてこられた理由は?

自分自身が子育てする前までは、後輩たちに「ママだから無理しなくていい」と伝えていました。しかし、自分が母となり、仕事への向き合い方はそれぞれ違うと実感しました。頑張りたいときは思いっきり頑張ることができ、キツイときにキツイと言える、そして皆がサポートしあえる環境が大切だと思っています。正直、しんどいと思うことは何度もありましたが、これまで子どもを育てながら共に働く女性医師や理解ある上司、何よりサポートしてくれるスタッフの支えがあったからこそ頑張れました。もちろん、夫や夫の母の理解と協力にも心から感謝しています。

Q 今後のビジョンは?

これまで、人との出会いに導かれ、医師として働いてきました。患者さんが元気になって元の生活に戻る姿を見ることができるのは、なにものにも変えがたい喜び。今後も、人との縁に感謝し、大切にしながら、患者さんの回復をサポートし続けていきたいと思っています。好奇心を持ち続け、新しいことにチャレンジし、血液診療でできることを常に模索していきたいと闘志を燃やしています。仕事と子育ての両立を図りながら、患者さん一人ひとりの思いに寄り添い、全ての人が前向きに治療に臨めるよう支えていきます。



家族との会話

夫や子どもたちと過ごすのが幸せなひととき。先日も「ホタル」と「ホテル」を言い間違えたり…。常に笑いに溢れる日常です。


仲間と過ごす時間

仕事や家庭との両立で悩むこともありますが、気軽に相談できる職場です。スタッフたちと何気ない会話を楽しんだりするのも癒しの時間です。








腫瘍・血液内科学講座
緒方正男 教授

髙野医師は造血幹細胞移植治療の中心となって、いつも笑顔で患者さんに接し絶大な信頼を得ています。そして、並々ならぬ情熱と強い意志を秘めています。これまで多くの困難な治療に立ち向かってきました。彼女の支えがあったからこそ辛い移植を乗り越え、いま元気に生活を取り戻した多くの患者さんもいます。私自身の目指す血液内科医そのものです。家庭の両立は大変だとは思いますが、ぜひこの道を長く続けていただきたいと願っています。血液内科には多くの女性医師が働いていて、お互いをカバーし合う環境が整っています。これからもプライベートや家庭と両立してキャリアアップができるよう支援を行ってまいります。

大分大学医学部附属病院
https://www.med.oita-u.ac.jp/hospital/

こちらの記事もオススメです

page top