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「Woman NEO」Vol.11

「Woman NEO」Vol.11

シリーズ記事 2021.02.25
#望む生き方、働き方#女性キャリア#県女性活躍推進

望む生き方、働き方ができるように
 結婚、出産、子育て、介護など、ライフステージの変化による影響を受けやすい、女性のキャリア。「働きたい」という女性を支えるためには何が必要なのでしょうか。女性が感じる生きづらさを解消し、男女が共に責任を分かち合う環境づくりを進める、県女性活躍推進監の柴北友美さんにお話を聞きました。

残る性別役割分担意識

県が2019年度に実施した「男女共同参画社会づくりのための意識調査」の結果を見ると、「男は仕事、女は家庭」という考え方に「同感しない」人の割合は56・7%でした。14年度の前回調査(52・1%)と比べて4・6ポイント増加していて、少しずつですが、性別による役割分担意識が払拭(ふっしょく)されつつあります。

けれど、まだまだ。東京から移住してきたある女性は、大分の男性が家事や育児に積極的ではないことに驚いていました。コロナ禍で夫婦共に在宅ワークになったとき、家事をやるのは妻で、結局女性の負担が増えたという話も聞きました。「夫の転勤に妻が付いていくべき」といったアンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)も、社会のさまざまな場面でたびたび浮かび上がってきます。第1子出産を機に退職する女性は多く、男性の育児休業取得率もまだ低い。「女は家庭」という意識は依然として残っています。

女性の活躍の場広がる

一方で、建設業や製造業、農業の分野など、以前は女性の採用がなかった職場でも女性の姿が見られるようになってきました。企業には、更衣室やトイレといったハード面はもちろん、ハラスメント対策などソフト面でも、女性が働くための環境整備が求められます。県は、そのための支援を実施しています。

「女性の部下にどう対応していいか分からない」という声を受け、企業の管理職などを対象に「女性部下育成支援セミナー」も開いています。例年、男性の参加者が多いのですが、本年度は20人中17人が女性でした。管理職などに就く女性が増えているようです。

参加者からは「女性が管理職に就きたがらない」という声も上がります。その際は、女性が思い描いているキャリアに耳を傾け、何を心配しているのかを聞き出すことから始めましょう。「責任が重くなる」「仕事と家庭の両立が難しくなる」など、出てきた不安を取り除く姿勢が大切です。そうすることで女性の能力を生かすチャンスが広がります。

なりたい自分を描いて

以前は、仕事は時間をかけて成果を出すのが当たり前でした。でも今は、効率的に成果を出すことが求められています。コロナ禍でリモートワークが普及し、その傾向はより強まりました。企業の合同就職説明会でも、働き方改革や女性活躍推進の取り組みに力を入れている企業が人気を集める時代に変わってきています。企業も男性も女性も、そのように「変わってきている」ということに気付くことが大事です。その気付きが、自分のキャリアや会社の仕組みについて、「これでいいのか」と考えるきっかけになります。
県内に住む全ての女性が、自分が望む生き方、働き方ができるようになってほしいと願っています。まずは5年後、「こうなっていたい」という自分の将来の姿を思い描いてみてください。「働いていたい」という女性にとって、働きやすい社会になっているか、そのためにどうすればいいか。それは女性だけでなく、社会全体で考えていくべきことです。そのための意識改革を、さらに進めていきたいと思います。
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