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「Woman NEO」セミナー&交流会Vol.12

「腸活」で働く女性に必要な体づくりを

セミナーレポート 2020.03.19
#自分の身体を可愛がる#「便秘」を防ぐには#「美腸」エクササイズ

毎回多くの女性に好評のWoman NEOのセミナー&交流会。今回は、管理栄養士で健康運動指導士の林加奈子さん(福岡市)を講師にお招きし、「私を輝かせる体づくり~美と健康は腸からつくられる!~」をテーマに、腸の役割や腸活の話にまつわるセミナーを開催しました。セミナーのあとは腸を整えるエクササイズに参加者全員でチャレンジ。参加者の方々は、見た目の美しさだけでなく、カラダの内側からも溢れ出る美しさについてたくさんの学びがあったようです。

腸内環境を整えて女性の悩み「便秘」を防ごう

まず、参加者同士の自己紹介から始まり、和やかな雰囲気でセミナーがスタートしました。
「腸は食べた物を消化・吸収するだけでなく、脳の働きや免疫にも大きく関わる」と腸の役割について話し始める林さん。 “内なる外”と呼ばれる腸は、常に細菌と触れ合うとても重要な組織。食べ物を細かく分解する「消化」の働きはもちろん、腸内細菌と協力してビタミンやホルモン、酵素を合成してする「合成」、あと善玉菌が血液を美しく保つ「浄血」、からだを守る「免疫」、老廃物を便として体外に排出する「排泄」など、多くの働きを持ちます。健康で内側からも美しさが溢れる生活を送るためにも、常に腸内環境を整えておくことが大切だそうです。



つづいて排泄のメカニズムについて解説し、「身体と深く関わる腸内環境を悪化させる一番の要因は便秘」と指摘しました。通常、胃に食べ物が入ると、その刺激が腸管をとりまく神経によって、結腸で急激な蠕動活動が起こり、弁を直腸に送り出そうとする「大蠕動」が起こります。最も強い大蠕動は朝起こることが多く、朝食を抜いてしまうと大蠕動が起きにくくなってしまうそう。そこで便秘が引き起こされると、体にさまざまな症状や病気に悩まされる可能性も…。



「朝食が食べられないという方はコップ1杯の水や白湯を飲むことからチャレンジしてみてください」とアドバイス。また、腸のリズムを乱すような生活やストレスなども、便秘を引き起こす原因になることもあるようです。
「腸内環境を整えるには、まずは正しい知識を身に付けておくことがポイント。そうすることで便秘を防ぐための生活習慣の改善や筋力トレーニングが、より効果的に実践できるようになります」と話す林さん。さらに、「とくに、朝の大蠕動活動を逃さないようにしましょう。子どもやパートナーがいらっしゃる人は、朝は忙しさから自分のことは後回しになりがち。便意が来てトイレに行かなければ便秘の原因になります。お忙しい方ほど、これを逃さないように心がけてみてください」と続け、多くの女性が真剣に耳を傾けていました。

腸を美しく保つためにできることは?

「美しい腸をキープするには、何をすれば良いのでしょうか?」そんな参加者の疑問に、「気をつけておきたいことは大きく分けて2つ。1つ目は腸内環境を改善すること、2つ目は腸の蠕動活動を促すことです」とのこと。



【腸内環境を整えるポイント】
善玉菌を増やす食品には、生きたまま腸に届き、体に良い働きをする微生物やそれを含む「プロバイオティクス」、善玉菌の餌になって増殖を促す「プレバイオティクス」、腸内細菌を介さず体に直接良い影響をもたらす「バイオジェニクス」があります。自分の体と相性の良いものを効果的に摂取することがポイントです。



【腸の蠕動活動を促すポイント】
腸の蠕動活動を促すためには、まずは筋肉を向上させ、自律神経を整えることを意識して。腹部の筋力を付け、姿勢を改善し、内臓の下垂を予防することも大切。腸管の筋肉やインナーマッスルが低下して便を送り出せない、トイレに行っても下腹部の膨満感や残便感が生じやすいといった「弛緩性便秘」の改善には、腸腰筋、骨盤底筋、腹横筋をトレーニングするのが効果的だそう。

そのほか、腸の働きを促すために気をつけておきたい習慣として、以下が挙げられました。



自分の身体を
可愛がってあげることも大切に



最近の研究で、脳内の「幸せ物質」と言われるセロトニンやドーパミンに、腸内細菌が影響しているということがわかってきました。これらは腸内細菌がないと合成されないそう。また、セロトニンは眠りのホルモン「メラトニン」の分泌にも関係します。このセロトニンの分泌をふやすためにも腸内環境を整え、適切なエクササイズを行うことなどが大切。「女性は家事や子育て、仕事など毎日忙しいかもしれませんが、腸内環境を整えるためにエクササイズや習慣づくりを意識し、自分の健康は自分なりに探していくということを大切にしてほしい。自分自身を可愛がることも意識して」。そして、「女性活躍が叫ばれる昨今、女性活躍という言葉の裏には、男性の家庭内活躍という言葉がセットである必要がある。忙しく動くお母さんたちが自分の健康にまで気を遣えるような環境をつくってあげないといけない」と締めくくりました。



参加者は座学の後、林さんの指導を受けながら、イスに座ったままできるエクササイズに挑戦しました。実際に参加した三信産業購買課の中川美香課長代理は「自分の体と向き合う良い機会になりました」、同じく総務課の高橋香澄係長は「とても興味深い話ばかりでした。エクササイズを家庭でも続けます」とそれぞれ話していました。セミナー終了後は交流会が開催され、参加者は軽食やスイーツを楽しみつつ、親睦を深めました。


「美腸」のためのエクササイズ
(林加奈子さん監修)

【体側を伸ばして腸を刺激する】
①両手を上げ、背筋を伸ばし、右手だけ下ろす
②左手を上げたまま、ゆっくり息を吐きながら体を右に倒す(体が前に倒れないように気を付ける)
③顔は正面、余裕があれば胸を開き、上げた腕の方を見て、5回呼吸するくらいキープ
④元の姿勢に戻り、右手を上げ背筋を伸ばす
⑤今度は左手を下ろして、息を吐きながら同じように左側へ倒す



【体をねじり腸を刺激】
①左側を椅子の背に向けて座り、足をそろえる。
 背もたれに手を掛け、息を吸って、背骨をまっすぐ伸ばし、息を吐きながら左側にひねり、おなかを絞る
②戻して同じように右側にひねる(お尻が浮かないように、腰からしっかりと)



【腸腰筋を伸ばす】
①右側を向いて立ち、左足を後ろに伸ばし、太腿の付け根と前側を伸ばす
②左手を上げて、お尻(座骨)を立て、おなかを引き入れてキープ(背筋が前後、左右に傾かないように気を付ける)
③反対を向いて、逆側も(後ろの足は伸ばせるなら伸ばす)



【腹横筋を鍛える呼吸エクササイズ】
①背筋をまっすぐに伸ばして肋骨に手を当て、大きく息を吸う(おなかが膨らみ、肋骨が広がっていることを感じて)
②息をゆっくり長く吐き出す。背筋はまっすぐのまま、肋骨が寄るのを感じて
(5セット程度)

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